ディアデラノビアのあの豪脚はもはや反則技!?
文/編集部
剛速球の投手といえば、
野茂英雄、
与田剛、
伊良部秀輝、
ノーラン・ライアンなどが連想される。いまホットな投手・
松坂大輔が真っ先に挙がらないあたり、古いタイプの野球ファンなのだろう(笑)。
その中ではやっぱり、
剛速球といえば
野茂英雄がいちばんしっくりくるかなあ。
近鉄に入団しプロデビューを果たすと、
トルネード投法で話題沸騰。自慢の剛速球で三振の山を築き、
「ドクターK」の異名を取った。
ただ、うなるような球を投げる反面、デビュー当初の
野茂はとにかく
コントロールが悪かった。
三振の山も築けば、
フォアボールの山も築くという。
ディアデラノビアは、そんな
野茂英雄とイメージがダブってしまう。
豪脚という名の剛速球は持っているけど、
①着という名のストライクはなかなか入らない。
オークス ③着
京都金杯 ⑥着
京都牝馬S ⑤着
中山牝馬S ②着
マイラーズC ③着
ヴィクトリアM ③着
オールカマー ③着
府中牝馬S ③着
エリザベス女王杯 ③着
香港カップ ⑦着
フローラSで重賞初勝利を挙げて以降、5戦連続3着を含め
[0.1.6.3]。毎回、いい球は投げているのに。自分も少年野球の出身だが、少年野球であれば
「ピッチャー、ストライク入らないよ~」と外野からヤジっているところだろう(笑)。
だが、今年の
京都牝馬Sの
ディアデラノビアはひと味違った。近走では、以前のような終い一気ではなくなりつつあったが、今回も前半1000m通過が
58秒2という速いペースを中団で追走。そして、馬場中央から馬群を割って、
上がり33秒9という豪脚を繰り出した。
上がり2位だった⑩着
スマイルフォライフと⑬着
ダイワパッションは、いずれも後方から直線だけの競馬で
34秒7。この差からいっても、
ディアデラノビアの直線の脚がいかに別次元であったかが窺える。
中団からでも豪脚が使える。それはもう、
野茂がマウンドとバッターボックスの中間から投げるくらいの反則技でしょう(笑)。4馬身。そりゃあ、突き抜けます。
②着以下とは決定的な能力の差。今回のメンバーとは完全に、勝負付けが済んだと見ていいだろう。やっぱり
エリザベス女王杯③着はダテではない。
野茂英雄はメジャーリーグに挑んだ年、それまでの太め残りの体を絞り込み、剛速球はそのままで、投球にコントロールがつくようになる。そして
『ロサンゼルス・ドジャース』で大活躍し、新人王に輝いた。
ディアデラノビアは以前のひ弱な印象もすっかりなくなり、精神的にも肉体的にも逞しさ、充実を感じる。もしかするとこの勝利を契機に、以前の詰めの甘さが解消されるかもしれない。
今年の
ディアデラノビアはひと味違う。それを強く印象付けた
京都牝馬Sだった。それこそ、メジャーデビュー元年の
野茂のような大活躍だって、大いにあり得るでしょ。