年が明けてからの牝馬クラシック戦線には異状なし!?
文/編集部
新興勢力の
カタマチボタンが2着に挟まる結果となったが、1着
イクスキューズと3着
ハロースピードは、暮れの
阪神JFで5、6着。2歳時の牝馬戦線における上位グループが、その強さを示すこととなった。
ただ、その流れは何も
クイーンCに始まったことではない。今年に入ってから、
阪神JF1着の
ウオッカが
エルフィンSで力の違いを見せつけ、4着の
ローブデコルテが
紅梅Sで快勝し(2着は
阪神JF13着の
バクシンヒロイン)、8着の
ピンクカメオが
菜の花賞で
イクスキューズを退け、そして
クイーンCでも。
年が明けてからの3歳牝馬路線を
警備員の業務連絡風に言えば、
「牝馬クラシック戦線、異状ありません!」といった感じ(笑)。
阪神JF2着の
アストンマーチャンは3月11日の
フィリーズレビューで、3着の
ルミナスハーバーは3月3日の
チューリップ賞で始動予定だが、その両トライアルでも2頭が貫禄を見せるようなら……今年の
桜花賞は、
阪神JFの結果が直結する可能性は高いかもしれない。
イクスキューズ、
ハロースピード、
ピンクカメオに
カタマチボタンを加えた4頭が現状、
関東の牝馬のトップグループ。04年には
ダンスインザムードが関東馬として18年ぶりの桜花賞制覇を成し遂げ、昨年は
キストゥヘヴンが1着、
コイウタが3着に好走した。
では、4頭の中から、
ダンスインザムード、
キストゥヘヴンに続く馬が現れるのかどうか。
う~ん、余裕残しで、他馬より2キロ重い56キロを背負いながら、
エルフィンSで3馬身差の圧勝を飾った
ウオッカを見ると、
阪神JFの1~3着馬が一枚上といった感じも……。
それでも、勝った
イクスキューズに成長の跡が感じられたのは確か。
札幌2歳Sではこらえ切れずに逃げる競馬となったのに、今回は馬を前に置き、好位のインでじっと我慢していた。
レース後、
北村宏司騎手も
「馬の後ろで我慢させる調教を毎日やっていたんですが、レースでも賢く対応してくれました」と話していた通り。
直線では、
カタマチボタンに一旦は並びかけられたものの、残り200mあたりから突き放して快勝。着差は
1馬身半とそれほどでもなかったが、実力には着差以上の開きがあったように感じた。
ボストンハーバー産駒というと、適距離は
1200mあたりで、
早熟というイメージがつきまとうのだが、
イクスキューズはその固定観念から外れたところにいるタイプなのかもしれない。そんな気がしている。
ただ、
イクスキューズが
ボストンハーバー産駒のイメージは覆したとしても、次は過去の忌まわしきデータが待っている。というのは、過去10年、
クイーンCから
桜花賞に直行した馬は、
桜花賞で
[0.0.3.12]と勝ち馬どころか連対馬も出ていないのだ。
去年の
クイーンCの勝ち馬
コイウタも
桜花賞では
3着。02年にも
シャイニンルビーが
クイーンCで1着後、
桜花賞では1番人気で
3着となっていた。
その
クイーンC組の中には、99年のオークス馬
ウメノファイバー、04年のオークス馬
ダイワエルシエーロも含まれているだけに、単なる偶然では片付けられない何かがあると思う。推察するに、
ペースの違いが要因のような気もする。
イクスキューズは
桜花賞において、厩舎の先輩である
ダンスインザムードに続くのか、それとも
シャイニンルビーに……。
クイーンCの忌まわしいデータまで覆すようなら、桜花賞本番には、いまより成長した
イクスキューズの姿が見られるだろう。
最後に、ここまで話をしておきながらなんですが、
イクスキューズが桜花賞前にもう1回走ったらゴメンナサイ(笑)。