過去に2頭しかいない馬、それがアイルラヴァゲインだった
文/長岡伸治
馬場状態や
レースの流れもあるだろうが、2歳時に芝の1200mで
1分7秒台をマークした馬は、過去にたった2頭しかいない。
その1頭が、
アイルラヴァゲイン(04年の
クリスマスSの
1分7秒8。あと1頭は最後に発表)。そんな、
圧倒的なスピード能力がありながらも、重賞勝利は今回が初だった。
レースは至ってスムース。スタート後、5、6頭のにらみ合いから、200mいったあたりで先頭を奪った
シルヴァーゼットが作ったペースは、3F通過が
33秒5。勝ちタイムが
1分8秒2だから、後半の3Fハロンは
34秒7となる。
数字だけ見ると
ややキツいペースのように思えるが、2番手につけていた
テイエムチュラサンがバテたのみで、勝ち馬が
3番手から、2着馬は
4番手追走、そして3着馬も
ハナを切っていた。
中団以降の組はまったく出番がなかったことを考えると、タイムほど厳しくはなかったのかもしれない。
そんな流れをインでじっと脚をため、ゴール前でグィっと伸びた
アイルラヴァゲイン。勝負強さが光った。
それと同時に、
松岡騎手との相性の良さも見逃せない。初めて乗った
福島民報杯こそ5着に敗れたが、その後は
他騎手が乗れば凡走、
松岡騎手が乗れば好走というパターンの繰り返し。
今回も、
1番人気とはいえ混戦模様の中をッチリ勝ち切るあたりはさすが。昨夏のアイルランド修行から帰ってきて、約半年で
重賞4勝目。心身ともに、刺激があったことだろうが、具体的にはどのあたりが変わったのか。機会があれば、ぜひ当サイトのコラムで聞かせてください!
と、勝手にお願いしたところで、冒頭のクイズの答えは……、01年の
フェアリーSを
1分7秒8で勝った
サーガノヴェル。
同馬は、その後
クリスタルCを勝ったが、G1では03年の
スプリンターズSの7着が最高だった。
アイルラヴァゲインは、すでに
NHKマイルC3着はあるが、はたしてG1タイトル獲得なるか?