人間は思いがけないことが3回続くと、笑ってしまう生き物!?
文/編集部
昔、
秋葉原で電気製品を買うために、あちこちのショップを回っていた時のこと。1軒目のお店がどこだったか記憶は定かでないが、たまたまひとりの
外国人女性と目があった。そこまでは、さして珍しい話でもない。
ところが、数軒を回った後の別のショップで、偶然にも、また
同じ外国人女性に遭遇したのだ。さすがに向こうも気になったようで、外国人特有の“スマイル”を振りまいてくれた。
「こんな偶然もあるんだなあ」と、駅に向かう道すがら、友人と話をした。ところがどっこい、偶然は2回で終わらなかった。今度は、
駅の券売機の前でばったり遭遇。
もうお互いに笑うしかない状況だった。
秋葉原というそれほど広くない範囲とはいえ、見ず知らずの人と一日に3回も鉢合わせをすることなんて、そうはないでしょう。
ただし、
「運命的な出会いを経て、ふたりはその後結ばれました」みたいな、ドラマ仕立てのオチはありません(笑)。
思いがけない遭遇が3回続く。
ニュージーランドTの結果は、少なくとも自分にはそう感じた。
一つ目は1着となった
トーホウレーサーの快走だった。前走の
毎日杯では勝ち馬
ナムラマースから0秒4差の5着に健闘したとはいえ、芝は未勝利の馬。それが、好位から力強く抜け出して快勝するという。
トーホウレーサーが馬券に絡んだ時はすべて逃げていたし、好位に控えて競馬ができるのか。そんな疑問もあったから、勝ったことと併せて、レースぶりにも驚かされた。
ただ、
毎日杯では
溜め逃げを打ったが、父が
ダンチヒ系の
チーフベアハート。本質的には、今回のような
平均ペースを前、前で粘り込む競馬が合っているのかもしれない。
今回の
ニュージーランドTのラップは、同じ
チーフベアハート産駒の
マイネルレコルトが
朝日杯FSを制した時とそっくりなんですよ、実は。
マイネルレコルト朝日杯FSのラップ12.3-10.8-10.9-11.4-12.0-12.0-11.8-12.2
トーホーレーサーNZTのラップ12.4-10.8-11.3-11.6-12.2-12.1-11.7-11.8
朝日杯FSは前半が多少速かったぶん、終い1Fのラップが
12秒2になったけど、あとはほとんどいっしょ。そういう流れになるならなるで、ひと声かけてほしい感じ(笑)。
二つ目は
マイネルフォーグが2着に激走したこと。
シンガリ人気(16番人気)の馬とは思えないくらい、直線ではいい伸びを見せていた。
16番人気が重賞で馬券に絡むなんて、そうそうあることではない。気になったので調べてみたら、過去10年で、16番人気で3着以内に好走した馬は
15頭もいた。1年に1、2回くらいの計算か。
というか、
04年のニュージーランドTでも16番人気の
ナイストップボーイが2着になっているし、
江田照騎手は
00年のスプリンターズSで16番人気の
ダイタクヤマトを勝利に導いているし。
ニュージーランドTで
江田照騎手が
16番人気の
マイネルフォーグを2着に持ってきたことも、そうなる運命だったのかもなあ。
ただ、確かに京王杯2歳S2着以降は不振が続いていたが、そうはいっても
重賞連対馬。今回のメンバーで
重賞連対経験があるのは
マイネルレーニアと
マイネルフォーグだけだったし、どう見ても不当な人気だけど。
3つ目は
ワールドハンターが3着に突っ込んで来たこと。
トーホウレーサーと
マイネルフォーグの好走と比べても、これがいちばん意外だったかもしれない。
というのも、実は馬券は
トーホウレーサー1着、
マイネルフォーグ2着で3連単を買っていた。話が食い違うように思うかもしれないが、前述したように、前者は
「血統」、後者は
「実績」で買える余地はあった。
ただ、2頭とも揃って好走するとはほとんど期待をしていなかったので、思いがけない遭遇(=好走)だったのだ。そんなことが2回続いたら、3回目は現実的なことが起きると普通は思うところ。
それが、
ワールドハンターの3着で3回も続いてしまって。
父か母父にミスプロ系を持つ馬が
ニュージーランドTではずっと馬券に絡んでいたので、
父ミスプロ系の
ワールドハンターを切るのは躊躇したのだけど……。
3着は
「重賞で3着が2回あるマイネルレーニア」だろうと、安易に決めてしまい……。
マイネルレーニアは直線で早々に失速し9着。現実を期待したところで、厳しい現実を突きつけられるという結果に(笑)。
3連単の配当は
490万4740円。
JRA重賞の最高配当となった。予期していなかったことが3回も続けば、そんなビッグな配当が飛び出すのも納得というもの。
確かに馬券を外した悔しさはあったけど、
外国人女性と一日に3回遭遇した時と同じく、レース直後の自分はなぜか笑ってしまっていた。どうも人間は、思いがけないことが3回続くと、笑ってしまう生き物らしい。