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少ない雨量と水はけの良さがワイルドワンダーに味方した!?
文/編集部

記事にはしなかったが、前日の「メインレースの考え方」では、こんな話をしていた。「ブライアンズタイム系が上位人気に推されてるけど、ミスプロ系やサンデー系に軽く捻られちゃうんじゃないの?」

ところが、結果はご存じの通り、父ブライアンズタイム系が1&3着となり、こちらの馬券が軽く捻り上げられる結果になった(苦笑)。

いったいどこにズレがあったのか。実はレース前に、すでにそのズレは感じていた。小雨が降ることは想定していたが、あそこまで小雨だとはまったく考えていませんでした!

「メインレースの考え方」に記したように、馬場は最低でも稍重、もしかするとにまでなるかと思いきや、ずっと良馬場。これはまさに想定の範囲外だった。

ブライアンズタイムの系統が、このコースの重賞でよく上位に来ていることは把握していた。このコースの重賞とは、平安SアンタレスSのことだが、97年以降の過去10年で、その2レースにおける父ブライアンズタイム系の成績は[6.2.2.11]。勝率は28.6%、連対率は38.1%で、02年以降に限れば、毎年、どちらかのレースで馬券に絡んでいる。

だったら、なんで推奨しねえんだよ?と思いますよね。ごもっともです。

問題なのは、その8連対のうち7連対が良馬場の時で、稍重以上に湿ったダートでは[1.0.1.3]と成績を落としていたから。

しかも、単に成績が良くないだけではなく、98年のアンタレスS(稍重)ではエムアイブランが1番人気で9着に敗れ、03年のアンタレスS(稍重)ではタイムパラドックスが2番人気で5着。上位人気で馬券圏外に消えていたのだ。

ついでに言うと、タイムパラドックスが5着に敗れた時には、サンデー系&ミスプロ系が1~3着を独占している。このことが布石になっていた。

しかし今年のアンタレスSは、小雨は降れど、馬場は悪化せず。京都競馬場の天候は2R前に曇りから小雨に変わり、こちらはいつ稍重になるのかとジリジリ待ち続けたが、結局、馬場状態は変更せず。京都競馬場の水はけの良さに完敗しました……。

それにしても、最近のダート重賞は、初制覇の馬が多い。昨年の10月以降はJRAダート重賞が8レース行われ、そのうち7レースが重賞初優勝なのだ。

すでに重賞タイトルを持つ馬が勝ったのは、フェブラリーSサンライズバッカスだけ。このあたりは、ダート路線で世代交代が進んでいる証なのかもしれない。

今回優勝したワイルドワンダーは、ダート重賞4度目の挑戦での初優勝。昨年、平安SマーチSエルムSと挑んだが、それぞれ6着・5着・8着に敗れていた。

しかしその3戦を見直してみたら、平安S8枠15番マーチS6枠9番エルムS7枠11番だった。今回は3枠6番で、鞍上の岩田騎手がレース後に「馬の後ろに付けたかった」と話していたので、重賞レベルでは、馬群の中に入れる枠順の方が切れ味を発揮しやすい面があるのかも。

今後の重賞戦線でも確実に上位人気に推されるであろう馬なので、どの枠順に入るかには十分注意を払いたい。あ、もちろん、馬場状態のチェックもお忘れなく(笑)。

ちなみに、ブライアンズタイム産駒のJRAダート重賞成績を調べたら、全体では[13.9.9.61]で、馬場状態別で表すとこうなっていた。

良 [12.5.4.51]
稍重[ 1.3.1. 4]
重 [ 0.1.3. 2]
不良[ 0.0.1. 4]

馬場が湿れば湿るほど、成績は下落傾向にあることを、負け犬の遠吠えとして覚えておいてください(笑)。

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