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「関西の秘密兵器」タスカータソルテが満を持して“初”東上!?
文/編集部

出走馬の中で、京都芝の連対率が100%という馬は4頭いた。京都新聞杯前の成績でいうと、タスカータソルテ[1.0.0.0]、ローズプレステージ[1.2.0.0]、サンライズベガ[1.0.0.0]、フェルヴィード[1.0.0.0]。

3連複は2万馬券、3連単は13万馬券で決着したが、その4頭をボックス買いしていれば、どちらも獲れたことになる。まあ、こういうことは終わってから気づくものですが(笑)。

勝ったタスカータソルテはここ2戦、弥生賞7着毎日杯8着と期待を裏切る結果となっていたが、直線で前が詰まった毎日杯はともかく、外を回って伸びを欠いた弥生賞は急坂がこたえた部分もあったのだろう。

また、京都新聞杯では、坂の下りを利用してジワジワと加速し、直線で外から突き抜けた。このあたりはいかにもトニービンの系統らしい走り。長くいい脚を使えるという長所をフルに発揮してみせた。

後半が持続力勝負となったのは、ラップを見ればすぐわかる。では、タスカータソルテが出走した他のレースと比較してご覧いただこう。

弥生賞⑦着
中山芝2000
12.3-10.6-11.6-12.8-12.5-12.6-12.9-11.8-11.7-11.7

毎日杯⑧着
阪神芝1800
12.6-10.8-11.4-13.0-13.0-12.7-11.5-11.0-12.0

未勝利①着
中京芝2000
12.3-11.0-12.3-13.1-13.2-12.3-12.1-11.8-11.7-11.8

京都新聞杯①着
京都芝2200
12.4-10.4-12.5-12.7-12.5-12.9-12.7-12.1-11.3-11.8-12.2

弥生賞毎日杯後半3Fでの瞬発力勝負となったが、レコード勝ちした未勝利と今回の京都新聞杯は後半4~5Fで速いラップが並び、持続力勝負となったことがわかる。長くいい脚を使えるタスカータソルテに適した流れだったのだ。

この後はダービーに向かうことになるだろうが、能力を発揮できずに終わった弥生賞毎日杯の敗戦で評価を下げる必要はないし、本番もタスカータソルテ向きの流れになれば、当然侮れない存在と言える。

京都新聞杯は99年まで菊花賞トライアルとして秋に施行されていたが、00年からダービー前に移行し、ダービーの最終便という位置付けであった京都4歳特別に取って代わった。

春に移行してから、京都新聞杯の勝ち馬は00年にアグネスフライトがダービーを制し、04年ハーツクライ、05年インティライミと2年連続でダービー2着馬が出ている。

京都4歳特別の時代では、97年にシルクジャスティスが京都4歳特別を制し、ダービーで2着に好走した。ただ、86年以降、ダービーで連対できた京都4歳特別組はシルクジャスティスだけだったりする。

シルクジャスティス京都4歳特別を勝った時には、「関西の秘密兵器」という表現がされていたが、京都新聞杯となってからはそういう言われ方はほとんど聞かなくなった。成績は京都新聞杯のほうがいいんだから、もっと騒いでもいいのになあ。

もちろん、昔よりはるかに関東・関西間での行き来が盛んになり、東西の垣根がなくなったこともその要因。また、関西に有力馬が多い現状で、「関西の秘密兵器」もなにもあったものではない。あくまで、関東に有力馬がいてこそ「関西の秘密兵器」なのだから。

だが、たとえダービーで対戦する有力馬に関西馬が多くても、タスカータソルテに関しては「関西の秘密兵器」と呼びたい。

弥生賞毎日杯では、皐月賞に出走した有力馬とともに走ったが、その2レースでのタスカータソルテは、タスカータソルテであってタスカータソルテでなかった。真のタスカータソルテ京都新聞杯にいたのだから。

と考えると、関東遠征は“初”ということになるし、ダービーではほとんどのメンバーと“初”対戦ということになる。かなり強引ですが(笑)。あくまでダービーに、真のタスカータソルテがいることが前提ではあるけど。

でも、東京の芝で3戦3勝だった父ジャングルポケット。息子のフサイチホウオーも東京芝では3戦3勝。ダービーで東京の芝を初めて踏むタスカータソルテだが、トニービンの父系が東京芝2400mで真価を発揮しないはずがない。

大波乱に終わった皐月賞。2歳女王ウオッカの参戦。青葉賞を制したヒラボクロイヤル。そして、京都新聞杯から「関西の秘密兵器」タスカータソルテが満を持して東上。今年のダービーは間違いなく、面白い戦いになる。

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