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優勝馬から最下位馬までが1秒0差! 16頭すべてが『ブライトトゥモロー』!?
文/編集部

1番人気(サイレントプライド)の単勝オッズが6.0倍と、戦前から大混戦が予想されていた今年の新潟大賞典だが、まさかここまで横一線での争いになるとは思ってもみなかった。

勝ったブライトトゥモローの走破時計は1分57秒7で、2~4着までがクビ+クビ+クビ差。その後、5~8着もクビ+クビ+ハナ差で、9~11着もクビ+アタマ差。最下位だったタマモサポート1分58秒7で走っており、勝ったブライトトゥモローとのタイム差は、ちょうど1秒0だった。

昨年のこのレースの勝ち時計が1分59秒1(良・オースミグラスワン)だったので、それより0秒4も速く走ったタマモサポートにしてみれば、「そりゃないよ~」と言いたいところだろう。

1着から16着までが1秒差以内に入る重賞なんて初めてなんじゃないか、と思ったが、これが意外に、00年以降だけで14レースもあった。

ほとんどがマイル以下の短距離戦ではあるのだけれど、ヘヴンリーロマンスが優勝した05年天皇賞・秋や、セフティーエンペラが勝った04年福島記念など、2000mのレースでもポツポツ起こっている。この新潟大賞典も、ダンツフレームが制した03年が、1着から16着までが1秒差以内(0秒9差)だった。

面白いのは、その3レースで大敗を喫した馬たちが、その後に巻き返していることだ。

天皇賞・秋では15着だったリンカーンが、次走のJC4着有馬記念3着となり、翌年の天皇賞・春2着17着だったアドマイヤグルーヴも、次走のエ女王杯3着となり、引退レースの阪神牝馬S優勝

福島記念では13着に敗れたカナハラドラゴンが、次走のディセンバーS1着03年の新潟大賞典で最下位だったロサードも、次走の小倉記念優勝12着だったブリリアントロードは、次走でダートの大沼Sに出走し、7番人気で1着になっている。

タマモサポートをはじめ、今年の新潟大賞典で大敗を喫した馬たちも、今回はノーカウントだと思って、気持ちを切り替えて次走以降に臨んでください(笑)。

さて、優勝したブライトトゥモローだが、やはり前走の上がり33秒0はダテではなかったか、と言わざるを得ない。

ブライトトゥモローは、前走のオーストラリアT上がり33秒0(3着)を出したほか、昨秋のテレビ静岡賞でも33秒3(1着)、鳴尾記念でも33秒8(7着)と、これまでに3度も上がり33秒台を計時している。

フレンチデピュティ産駒というと、NHKマイルCを勝ったピンクカメオ青葉賞2着トーセンマーチ、外国産ではクロフネグラスエイコウオーノボジャックなどがいて、芝もダートも走れる反面、芝は時計がかかった方がいいイメージがある。でも、ブライトトゥモローは違うのだ。これは母父トニービンの影響か。いい脚を長く長く使える。

2着に入ったサイレントプライドフレンチデピュティ産駒だが、同馬もこれまでの最速上がりが33秒8と、切れ味を持っている。こちらは母父サンデーサイレンス。もしかしたら、フレンチデピュティは、母のいいところを引き出す種牡馬なのかもしれない。

今年の新潟大賞典の出走馬について、各馬が上がり33秒台を何回出したことがあるか調べてみたら、こんなことになっていた。

1着ブライトトゥモロー(3回)
2着サイレントプライド(1回)
3着ヴィータローザ(4回)
4着ダンスインザモア(3回)
5着マイネルレコルト(3回)
6着ニホンピロキース(1回)
7着トウカイワイルド(0回)
8着ロジック(1回)
9着シルクネクサス(0回)
10着トウショウパワーズ(0回)
11着エアセレソン(1回)
12着フォルテベリーニ(1回)
13着チェストウイング(0回)
14着ナスノストローク(2回)
15着ヨイチサウス(1回)
16着タマモサポート(0回)

各馬の走った距離やコース、キャリアがバラバラなので、これだけで比較するのは乱暴な話かもしれないけど、やはり何度も速い上がりを出していた馬たちが上位に入っている。

ちなみに、フレンチデピュティの代表産駒であるクロフネは、最速上がりが34秒2クロフネダートでも35秒6を計時しているのが凄いところではあるけれど…。現在のフレンチデピュティ産駒を、以前のイメージだけで語るのは、的ハズレなんでしょうなあ(反省)。

最下位ながら1着馬から1秒差でゴールしたタマモサポートも、次走以降の巻き返しが可能だけれど、強烈な上がりを使って初タイトルを掴んだブライトトゥモローも、次走以降、文字通り『ブライトトゥモロー』と言えそうだ。

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