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人気が上がりやすいタイプと上がりにくいタイプの違いとは?
文/編集部

競走馬には、人気が上がりやすいタイプ上がりにくいタイプが存在する。

上がりやすいのは、ブランドを持っていること。例えばサンデー産駒の「サンデーブランド」。社台グループ生産馬に付く「社台ブランド」も、人気を押し上げやすい。リーディング上位の厩舎のブランドもあるし、最近では、有名馬主のブランドもあるようだ。

活躍馬の弟や妹は、デビュー前からすでにブランド化されてることが多く、反面、外国産馬は素性がよく分からないために人気が上がりにくい側面がある。

外国産馬で人気が上がりやすいのは、例えばクロフネファインモーションエルコンドルパサーのように、3歳時から活躍するタイプ。外国産馬らしく早くから頭角を現し、『怪物』のような走りを見せると、ファンやマスコミの食いつきも俄然良くなる。

一方、3歳時に表舞台に登場せず、古馬になってから活躍を始めた外国産馬というのは、正当な評価を得られないまま推移することが多い。

例えばタップダンスシチー。5歳になってから活躍を始め、何度も重賞で好走を繰り返していたものの人気は上がらず、02年の有馬記念2着(13番人気)に入りながら、次走のOP特別ではなんと7番人気(1着)ということもあった。そんなバカな!と感じるのは、その後の活躍を知っている今だからこそ。メンバー入りした7年前に、現在の「辻ちゃん・加護ちゃん」を想像できないのと同じようなことですよ(笑)。

今回の京王杯SCを制したエイシンドーバーも、典型的な『人気の上がりにくい外国産馬』だろう。

デビュー戦でブライトトゥモローの2着となったエイシンドーバーは、8戦目まですべて3着以内に入る好走を続けたが、その間に1番人気に推されたのは、デビュー戦を含めて2回だけ。走っても走っても、高評価を得られずにいた。

昨年12月に復帰してからも、準OP&G3で4戦連続連対をしたものの、その間の単勝人気は3、8、2、4番人気阪急杯を勝った後なのに、前走のマイラーズCでは6番人気。そこで7着と敗れてしまったため、今回も5番人気という微妙な評価をされていた。

しかし今回は、外伸び馬場にきれいに乗っかった面があったとはいえ、一直線に伸びて快勝。勝ちタイムの1分20秒0も、タイキシャトルのレースレコードを0秒1上回る新記録だった。

エイシンドーバーは今回が7勝目だが、勝った時の2着馬との差はこのようになっている。

未勝利:半馬身(0秒1差)
500万:半馬身(0秒1差)
1000万:クビ(0秒0差)
1600万:1・1/4馬身(0秒2差)
1600万:クビ(0秒0差)
阪急杯:同着(0秒0差)
京王杯SC:クビ(0秒0差)

ほとんどが接戦。人気が上がりにくい要因は、こんなところにもあるのかもしれない。

今回の直線一気は、インパクトを与えるのに十分な内容だったと言えるが、さて、安田記念ではどのような評価となるだろうか。

京王杯SCの勝ち馬は、過去20年、ずっと次走で安田記念に出走している。その成績は[5.3.0.12]で、連勝したのは、91年ダイイチルビー、93年ヤマニンゼファー、97年タイキブリザード、98年タイキシャトル、05年アサクサデンエンの5頭。

近10年の京王杯SC勝ち馬のうち、外国産馬は4頭いて、その安田記念の成績は、1、1、2、1着となっている。

おっ!スゴイじゃないか!と思う反面、過去20年の安田記念で連対した京王杯SC勝ち馬は、8頭中7頭が「京王杯SCで1~3番人気だった」というデータもある。4番人気以下で京王杯SCを制した馬は、安田記念で[1.0.0.7]という成績なのだ…。

5番人気という微妙な評価で優勝したエイシンドーバー「人気と勝敗は関係ない」ものではあるけれど、競馬ファン&マスコミは人気に左右される面も多分に持つ。次走以降でのエイシンドーバーはどうすればいいんだろう。まごまごしてる間に、またしても次走がやってきて、微妙な評価しかできないような気がしてならない。そうして、結婚出産辻ちゃんに先を越されていくのだ(笑)。

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