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これだけ道悪で走ると、フレンチデピュティにあらぬ疑惑が……
文/編集部

多くの練習を積んだ水泳選手は、手のひらの指と指の間に「水かき」ができてくる。これはけっこう有名な話。実際に、ソウル五輪の金メダリスト、鈴木大地さんに「実物」を見せてもらったことがあるが、5ミリ程度ではあるものの、ちゃんと「水かき」ができていた。

ノルディック複合の金メダリスト、荻原健司さんは、世界トップに君臨していた当時、インタビューで「好成績を残すようになって、何か変わったことはありますか?」との質問に、このように答えていた。

「このあいだ、自分の背中を見たら、羽が生えていました」

こちらも実際に背中を見せてもらったら、なんと5ミリ程度の羽が! ……なんてことはありません(笑)。でも、当時の荻原さんのジャンプは、本当に羽でも生えてるんじゃないかと思わせられるほど、驚異的でしたからね。

そして、いま、実は「水かき」が付いてるんじゃないか、と睨んでいるのが……フレンチデピュティ産駒だ(笑)。

いや、わからんぞ。人間だって、泳ぎに泳げば「水かき」ができることが実証されているわけだし。フレンチデピュティ産駒も、道悪を走れば走るほど、蹄の真ん中に「水かき」が現れて……。

これだけ芝の道悪で好成績を収められれば、そりゃあ、「フレンチデピュティ、水かき疑惑」を訴えたくもなるものだ。

稍重馬場となった今年のエプソムCは、フレンチデピュティ産駒1~3着を独占。そればかりでなく、重馬場だった中京10RフィリピンT(芝2000m)でも、同産駒のフィールドミューズが2着。CBC賞(芝1200m)でも、同産駒のアルーリングボイスが12番人気で0秒2差の5着に走っている。

ピンクカメオのNHKマイルC激勝も記憶に新しいところだし、レース前に突然の降雨に見舞われた青葉賞では、トーセンマーチが15番人気で2着に。

雨が降ったら、もう何も考えずに、フレンチデピュティ産駒をチェックしよう。忘れないように、自分の傘の柄の部分に「雨が降ったら、水かきフレンチ」と書いて貼っておこうじゃないか。いいや、この際、恥ずかしがってる場合じゃない! 日本列島はこれから梅雨入りをするんですし!

まあ、水かきがあるかどうかはともかく、やはりパワーを要する馬場になった時には、サンデー系よりもノーザンダンサー系を中心に考えるべきなのだろう。

道悪となったNHKマイルCでは、父ノーザンダンサー系が掲示板を独占したが、今回のエプソムCも、1~3&5着が同父系の馬。唯一、馬場の荒れた内を突いて5着となったトウショウカレッジ(父ラストタイクーン)などは、まさに同父系らしさを見せた走りだった。

実馬を見るとよく分かることだが、父ノーザンダンサー系の種牡馬は、とにかくケツがデカいサンデー系種牡馬はよく「薄さ」を強調されるが、反対にノーザンダンサー系種牡馬には「重厚さ」というか、文鎮のような低重心の安定感がある。そして、あのデカいケツを見れば、誰でもそのパワーを実感できるはずだ。

道悪競馬になると、どの馬を狙ったらいいのか分からない、というアナタは、「道悪競馬=尻相撲」ぐらいに考えたらどうだろうか。雨が降ったら傘を持ってパドックに張り付き、1頭1頭、尻の大きさをチェック! 時々は、柄の部分を見て、「水かきフレンチ」のことも思い出すようにしよう。

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