この1、2着は“奇跡のワンツー”といっても過言ではない!?
文/編集部
タニノギムレット産駒の
ウオッカが
ダービー、
チューリップ賞を制し、
桜花賞でも2着。
ブライアンズタイム産駒の
ヴィクトリーは
皐月賞を制覇。
タニノギムレット産駒の
ヒラボクロイヤルは
青葉賞を制し、
毎日杯でも2着に好走。
グラスワンダー産駒の
マイネルレーニアは
アーリントンC3着。
マヤノトップガン産駒の
ハロースピードは
クイーンCで3着。
母父Silver Hawkの
ピンクカメオは
NHKマイルCで大穴を演出。
母父Bob Backの
レインダンスは
チューリップ賞3着、
母Red Ransomの
サムライタイガースが
きさらぎ賞3着。
今年の3歳重賞を振り返ってみると、
ロベルトの血がいかに爆発していたか。
皐月賞2着の
サンツェッペリンのような、
母母父ロベルトという馬を抜きに、
父&母父ロベルト系だけでもこれだけ好走しているのだから、その凄さを改めて実感させられる。
その影響がまだ続いていたのか、上半期の3歳重賞の締め括りとなる
ラジオNIKKEI賞でも、1着
ロックドゥカンブ(父Red Ransom)、2着
スクリーンヒーロー(父グラスワンダー)で
父ロベルト系がワンツーを果たした。
出走馬16頭中、
父ロベルト系は1、2着馬の他に、
タニノギムレット産駒の
ゴールドアグリだけ。
母父ロベルト系という馬はいなかったので、要は3頭のうち2頭が馬券に絡んだことになる。
ただ、それだけではロベルト爆発の凄さを語るには足りない。というのは、過去10年まで遡っても、
福島芝1800で
父ロベルト系がワンツーしたのは今回が初めてなんだもん!
重賞だけでなく、
500万や
未勝利戦を含めてもですよ!
だから、
ロックドゥカンブと
スクリーンヒーローが
ラジオNIKKEI賞で1、2着になったことは、
“奇跡のワンツー”といっても過言ではないでしょう。
奇跡のお値段は馬連
1万8990円、馬単
2万5880円……ちょっと安すぎやしませんか!? その価値判断は人それぞれでしょうけど、
馬連100万円、馬単200万円でも足りないくらいの価値はあると、個人的には思う。
その価値をさらに高める要因が、
ロックドゥカンブが
“無敗での3連勝”を達成したこと。
年明けの3月にデビューした馬が出てくること自体、そう滅多にないでしょうけど、過去20年で見ても、
無敗でこのレースを制した馬なんていないんだもん!
それがまた、
半年遅生まれの若駒とは思えないほどの横綱相撲だったりする。3コーナーで早々と先頭に立って、
力でねじ伏せたという感じで押し切り勝ち。重賞キャリア組も完敗という。
新馬戦ではスローペースの中、スッと先行してあっさり抜け出し。2戦目の
マカオJCTは重馬場を物ともせず、大外から豪快に差し切り。今回は早めスパートから長くいい脚を使って押し切り。
3戦とも異なるレースぶりで勝利を重ねたのだから、そのレースセンスには脱帽するしかない。
バラエティー、
ドラマ、
スポーツなどなど、なんでも器用にそつなくこなしちゃう、まさに
“キムタク”のような馬だ(笑)。
ロックドゥカンブはこの後、
菊花賞を目指すのか、それとも
中距離路線を歩むのか。どちらにしても、秋に向けて楽しみな1頭であることは間違いない。
近親には、デビュー5連勝で
秋華賞を制し、続く
エリザベス女王杯でも3歳馬の身で古牝馬を一蹴し、6連勝を飾った女傑
ファインモーションがいる。果たして、
ロックドゥカンブは!?
いずれにしても、
ロベルト旋風が吹き荒れた春の3歳重賞戦線の最後に、
ロックドゥカンブのような馬に出会えたことは喜ばしいことだ。
無敗での3連勝が、旋風の余波で終わらないことを願うばかり。