来年に向けての教訓は「キャリア」と「差し」かも!?
文/編集部
ただでさえ不確定要素の多い
2歳戦。ましてや、デビューして間もない若駒たちが顔を揃える
函館2歳Sである。そこへきて今年は、
ダート並みに時計を要する道悪でのレースという。もう何を頼りに予想すればいいのか、さっぱりわからず(笑)。
実際に、レースでも予期しないことばかりだった。先行するだろうと思われた1番人気の
エイブルベガが出遅れて後方から。好位のインにつけると思われた2番人気の
イイデケンシンが最後方に待機。
逆に、3番人気の
ルミナリエは前走の
ラベンダー賞で出遅れていたから、今回も後方からの競馬になるだろうと思ったところ、好スタートを切って2番手につけるという。
こうして上位人気3頭だけを見ても、予想とまったく違う競馬を展開するんだから、馬券など当たるはずもない(笑)。
11頭立てと少頭数ではあったが、何とも難解な一戦だった。
そんな中、こちらのイメージ通りの競馬をしたのが、勝った
ハートオブクィーンだった。イメージ通りというか、
ラベンダー賞のレースぶりを再現したというか。
外枠からスッと前に取りつき、直線入口で早々と先頭を窺い、そのまま押し切るという競馬。
ラベンダー賞では内から伸びて来た
アイリスモレアにアタマ差まで詰め寄られたが、今回は2着
ジョイフルスマイル以下に
4馬身差をつけた。完勝。
函館2歳Sでは
「完成度がモノを言う」とよく言われる。今年も1番人気に推されていた
エイブルベガをはじめ、
「完成度が高い」と表現されていた馬がいたはず。
でも、本当にそうなのだろうか? 完成度が高いのなら、なぜ
エイブルベガは出遅れたのだろう。能力は秘めているけど、まだレースを1戦しか経験していない、デビューしたばかりの若馬だからでしょう。
エイブルベガの敗走を誰も責められない。責められるとすれば、
新馬戦の圧勝から
エイブルベガの好イメージを膨らませ、
危険性の面に触れようとしなかった
マスコミにあると思う。
来年の
函館2歳Sへ向けての教訓としては、
「キャリア豊富な馬はそれなりに信用できる」ということかもしれない。勝った
ハートオブクィーンは今回が
キャリア5戦。その他の中央馬はみな、
キャリア1~2戦だった。
道営馬はこれまで
エンゼルカロ(99年)と
モエレジーニアス(05年)が
函館2歳Sを制しているが、どちらも
函館2歳Sが
キャリア4戦目だった。
道営馬が
ラベンダー賞や
函館2歳Sにおいて好成績を挙げている要因は、昔と比べて馬の素質の差が縮まったこともあるだろうが、
中央馬よりも先にデビューし、レース経験が豊富だからだろう。
あとは、
「逃げ切り勝ちではなく、差して勝った馬は信用できる」ということ。今回の出走馬でそれに該当していたのは1~3着の
ハートオブクィーン、
ジョイフルスマイル、
イイデケンシン。そして、
ルミナリエ、
ディープキッス、
アイリスモレアだった。
それを信じていれば、3連単の
43万馬券も獲れていたのになあ。まあ、馬券を外した人間の戯言ですので、信じる、信じないはみなさんのご判断にお任せいたします(笑)。