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調べて納得。32秒1は、芝1200m重賞での歴代最速でした
文/編集部

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タニノローゼテイエムチュラサンギャラントアローシルヴァーゼットと、快速逃げ馬が揃っていたので、戦前からペースは速くなるだろうと予想されていた。

しかし、ここまでとは……。

レースのラップを見た瞬間、ベタなのを承知で、『どんだけだよ』と言ってしまいました(笑)。

今年の北九州記念のレースラップを、改めて見てみよう。

11.5-10.0-10.6-11.4-11.6-12.6

前半に10秒台のラップが2度入り、前半3Fの通過は32秒1。そりゃあ、速い。速すぎます。

この激流を生み出したタニノローゼテイエムチュラサンギャラントアローの3頭は、それぞれ15、14、16着に。

出走16頭の隊列は、3~4コーナーでのそれと、ゴール前でのそれが、そっくり入れ替わるような差し追い込み決着となった。

前半3Fが32秒1などというハイペースは、過去の芝1200m重賞で記録されたことがあるのか?

これが走破時計ならゴール直後にレコード表示をされるが、通過ラップではそうもいかない。

ということで、自力で調べてみた。

90年以降の芝1200m重賞を洗い直してみると、前半3Fが32秒5を上回ったケースが7回。そのうち最速だったのは、ダイイチルビーが差し切って優勝した91年スプリンターズSで、32秒2だった。

ってことで、今回の32秒1は、やっぱり最速でした。今年の北九州記念は、後世まで語り継いでいいようなハイペースのレースだったというわけだ。

ちなみに、重賞に限らなければ、前半3Fが32秒1を上回るレースが5つ見つかった。

そのうち最速だったのは、今年のバーデンバーデンCで、31秒8。そういえばこのレースも、テイエムチュラサンシルヴァーゼットが出ていたんだっけ……。

ただ、バーデンバーデンCと今回の北九州記念が違うのは、開催時期だ。

前半3Fが32秒台前半となるレースは、そのほとんどが開幕週開催2週目に記録されている。

それに対して、今回の北九州記念は、連続開催5週目。しかも、開催前半に台風がやってきた影響で馬場が荒れたにも関わらず、5週連続でAコースで施行され、こちらも『どんだけだよ』というほどに馬場の内側は荒れていた。

砂埃の上がり方を見ても、土曜日と日曜日では、大きな差があったほど。この激流で馬場の悪い内を通らされた馬たちは、さぞかししんどかったことだろう。

レース後のインタビューで角田騎手が語っていたが、優勝したキョウワロアリングは外枠スタートから常に外を回る形で、展開もバッチリ向いたと言える。ただ、それでも、フロックとは言い切れない。

『メインレースの考え方』で、1分8秒2より速いタイムでの1着がある馬を上位と捉えていたが、キョウワロアリングは3歳夏にこのコースで走り、1分7秒8というタイムで3着になっていた。

芝1200mで1分7秒台での3着以内があったのは、『メインレースの考え方』で上位と捉えた5頭と、タニノローゼギャラントアローキョウワロアリングの3頭だけだったのだ。

痛恨です。絞り込み方をもう少し工夫すれば良かった……。次回にまた頑張るとします。

そう、次回に頑張ると言えば、キョウワロアリングに騎乗予定だった飯田騎手も同じ心境なのではないだろうか。

飯田騎手は、キョウワロアリングのキャリア29戦のうち、実に27戦に騎乗し、レースを教えてきた。

キョウワロアリングに限らず、その母であるアサカフジキャリア11戦にもすべて騎乗し、母仔2代に渡って乗り続けてきていたのだ。

それが自身の負傷のため騎乗ができなくなってしまい、角田騎手への乗り替わりとなった。

それでも、角田騎手がインタビューで話していたように、キョウワロアリングの癖をレース前に角田騎手に伝授していたという。

復帰した暁には、ぜひキョウワロアリング&飯田騎手のコンビで、再び重賞制覇を目指してほしい。

こちらは、その時まで、キョウワロアリングが夏の高速決着で強いことを決して忘れないようにしますので。

あと、シルヴァーゼットとテイエムチュラサンが出るレースは、ハイペースになりやすいことも、しっかり覚えておきますので(笑)。

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