派手なパフォーマンスではなかったからこそ、ユメノシルシの前途は明るい?

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というわけで、やっぱりグレイソヴリンの血を持つ馬が来ました。

またその話かよ、と言われそうだけど、新潟記念自体が毎年毎年毎年毎年グレイソヴリンの血を持つ馬が好走しているわけで、苦情を言うならサラブレ編集部ではなく、新潟記念にお願いします(笑)。

戦前は、アドマイヤモナークが1番人気に推され、2番人気にユメノシルシ、3番人気にトップガンジョーとなった。単勝オッズが10倍を切ったのはこの3頭だけ。この3頭はいずれも母父がグレイソヴリン系の馬だった。

七夕賞で2&3着となったアドマイヤモナークとユメノシルシが人気を集めるのは理解できたが、トップガンジョーが3番人気に推されるとは、少々驚いた。いくら昨年の覇者とはいえ、レースへの出走自体が1年ぶりなのだから。

しかし、このあたりは、馬インフルエンザの影響で有力馬が回避してしまったことと、やはりグレイソヴリン内包馬ということで、多くの印が集まったのだろう。

結果的には、トップガンジョーは息切れして失速してしまったが、1着と3着にグレイソヴリン内包馬が入り、またしてもという結末に落ち着いた。

新潟記念でグレイソヴリンの血を持つ馬が強いことについては、もうお腹いっぱいだろう。ということで今回は、新潟記念で好走したグレイソヴリン系の馬たちが、その後どうなったかを見てみたい。

01年以降の新潟記念で連対したグレイソヴリン内包馬は、その年の秋競馬でこのような成績を収めている。

01年1着サンプレイス
→引退

02年1着トーワトレジャー
→エ女王杯4着
→阪神牝馬S5着

03年1着ダービーレグノ
→天皇賞・秋10着
→ジャパンC10着
→有馬記念6着

04年2着レニングラード
→京都大賞典3着
→AR共和国杯1着

05年1着ヤマニンアラバスタ
→府中牝馬S1着
→エ女王杯8着
→ターコイズS13着

06年1着トップガンジョー
→出走なし

06年2着サンレイジャスパー
→府中牝馬S2着
→エ女王杯7着
→鳴尾記念10着

3着以内に入ったレースが4つあるが、それらはいずれも直線の長いコースで、そのうち3レースは東京競馬場でのもの。

新潟芝の長～い直線で威力を発揮したグレイソヴリン内包馬たちは、その後も活躍するとしたら、息の長い脚を使いやすいコースで、ということなのだ。

ただ、直線の長いコースであっても、G1レースでの好走実績は乏しい。新潟記念での好走が、おいそれとG1レースにまで直結するわけではないのだ。

では、ユメノシルシの前途もそれほど明るくないのか。

過去の血統傾向では、G1ではパンチ不足を予感させるが、今回のレースぶりを見ると、この馬だけは異質な雰囲気も感じられる。

過去の新潟記念で連対したグレイソヴリン内包馬は、持ち味である切れる末脚を武器に好走した馬ばかりだった。好走時の上がり3Fタイムと、それがメンバー何位だったかを記してみよう。

01年1着サンプレイス
34秒4(メンバー1位)

02年1着トーワトレジャー
34秒0(メンバー3位)

03年1着ダービーレグノ
34秒0(メンバー1位)

04年2着レニングラード
33秒6(メンバー1位)

05年1着ヤマニンアラバスタ
33秒3(メンバー2位)

06年1着トップガンジョー
33秒9(メンバー1位)

06年2着サンレイジャスパー
34秒1(メンバー3位)

いずれも34秒台前半を切る内容で、メンバー3位以内だ。

これに対して今回のユメノシルシは、上がり3Fタイムが35秒1で、これはメンバー10位のもの。

レースを思い出してもらえば分かるように、ユメノシルシは早めに先頭に立ってから、そのまま押し切った。

パフォーマンスとしての派手さはそれほどなかったと言える。ただ、だからこそ、そのレースぶりは他コースに行っても脅威となる可能性がある。

今回の新潟記念では、ユメノシルシはグレイソヴリン内包馬らしく好走をした。でもこの先は、グレイソヴリン内包馬らしからぬ活躍をする可能性もあるだろう。

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