05年生まれの女子の学級委員(関東)はエフティマイアさんで決まり!
文/編集部
出走馬18頭のうち、7頭が
1戦1勝馬で、
キャリア2戦の馬が10頭。
3戦のキャリアがあったのは
リーベストラウムだけで、毎年のこととはいえ、今年の
新潟2歳Sも
若さ爆発のレースとなった。
ゲートが開いて、
ロケットスタートを決めたのは
エイシンパンサーだった。
しかし、デビュー勝ちを飾った
阪神芝1200mコースならいざ知らず、
直線長い新潟芝1600mで逃げたら後がないことは鞍上の
福永騎手も承知している。慌てて抑える形となり、他馬に先を譲って中団辺りまで下げた。
記録上の同馬の位置取りは、
3角12番手-4角12番手となっているが、正確には、
1番手-12番手-12番手だろう。それでも直線では
上がり33秒8の脚で
4着まで押し上げたのだから、非凡な能力の一端は見せたと言える。
予定していた
マリーゴールド賞を使えていたら、レース間隔が開くこともなく、キャリアも1戦多く積めたのだから、また違った結果が出たのかもしれない。
しかし、そんなことはもちろん
「たられば」の話。今回を教訓にして次に活かすしかないだろう。
レースの前半3Fは
35秒6で、これは別段速いわけではない。だが、掛かり気味に先行する馬が多く、レースは明らかに前掛かりだった。
前走で
上がり33秒0の鬼脚を使った
タケミカヅチは、まったく予想もしない
4番手という位置取りになった。
これでは前走のように弾けることは不可能。前走は
後方11番手からの追い込みだったのだから。
それでも0秒5差の6着に踏ん張り、走破時計は前走から
2秒9も縮めた。
1&2番人気は4着以下に凡走した、と言うのは簡単なことだが、キャリア1戦の2歳馬は、まだ競馬を教え込まれている段階。それを考慮すれば、あっちこっちに走ってしまったり、前半で頑張り過ぎて後で凹んだり、いろんな失敗があって普通と言える。
誰でも
幼稚園や
小学校の低学年の時に、思い出すと恥ずかしくなるような失敗をしていることだろう。そんな経験をして大きくなった大人が、
1戦1勝の2歳馬を責めちゃいけません(笑)。
初陣を飾った前走にしても今回にしても、能力が高いことは見せたのだから、次戦以降に期待しよう。
ここで見限る人は、今年の2着馬である
シャランジュを、一生拾えないに違いない。
シャランジュは、
福島芝1200mでのデビュー戦を
4馬身差で快勝し、
ダリア賞では
3番人気に推されていた。しかし、そこで
6着に敗れると、人気が急落し、今回は
16番人気。
内枠に入ってしまい、腹を括って
大外を回されたのがハマッた面もあるのかもしれないが、それでも前走の凡走で見限ってしまったツケが、今回は倍返しでやってきた。キャリアの浅い2歳馬は、長い目で見てあげないといけません。
優勝した
エフティマイアは、これで
3戦3勝。挫折とは無縁の快進撃を続けている。
イレ込む面も見せず、1ハロンごとの距離延長でも引っかかることなく、今回は
18頭立てという多頭数にも対応した。
レースを見ていて凄いなと感じたのは、3~4コーナーで、行きたがる馬に周りを囲まれながら、ガッチリ折り合っていたこと。
授業が自習になって先生がいなくなった途端、遊び始めた子どもの中で、ひとりで黙って読書している女の子のような雰囲気だった。
女子の学級委員に推薦されること間違いなし(笑)。
母の
カツラドライバーは
4戦未勝利に終わった馬だが、その祖母にあたる
マイアは、
アルゼンチンオークスを制した馬で、
アルゼンチン3歳女王でもある。
その馬に
ノーザンテースト、
ニホンピロウイナー、
フジキセキという
スピード種牡馬が掛け合わされたのが
エフティマイアで、当然、今後は
マイル戦である
阪神JFと
桜花賞が最大目標となっていくことだろう。
3戦3勝で、いずれも
好位抜け出しというレース運びなのだから、ケチの付けようがない。
ただ、エリート街道を歩んできた馬が1着になるとは限らないことは、今年の
桜花賞、そして
ダービーを見ても分かる。
挫折を経験している馬の方が強いケースが間々あるのだ。人間界でも、学級委員が年度末には追い抜かれていることが少なくないし(笑)。
2歳戦はまだ始まったばかり。上位入線馬ばかりに目をやらず、下位の着順の馬たちまで、長~く見守ってあげることが重要だ。