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秋華賞の展開を予想したら、今度はこっちが熱発しそうです
文/編集部

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今年のローズSは、まさに『ザ・トライアル』という感じであった。

今夏の上がり馬レインダンスは、春の時点で付けられていた有力馬との差がどれくらい縮まっているか、確認するように果敢にダイワスカーレットに挑んだ。

オークス2着武豊騎手が初騎乗だったベッラレイアは、自らの末脚を、また、ダイワスカーレットとの差を測るように差してきた。

桜花賞馬ダイワスカーレットは、自らの仕上がり具合を確かめるように、気分を損ねないように安藤勝騎手が騎乗していた。

上位人気の3頭は、他馬のことは眼中にあらず。

いやむしろ、レインダンスベッラレイアダイワスカーレットを見ていたかもしれないが、ダイワスカーレット安藤勝騎手は、レースに出ていないあの馬を想定していたのではないか。

見ている側はそんな印象を抱くほど、3頭(あの馬も入れれば4頭)は別世界のレースをしていた。

ゲートが開いて主導権を握ったのはダイワスカーレットで、最初にゴールしたのも彼女。試運転のようなレースをしながら、これだけ決定的な差をつけたのだから、特にこのレースで権利取りを目指していた馬たちは、ダイワスカーレットのことは男馬にでも見えたことだろう。

ダイワスカーレットが記した上がり3Fは33秒6レインダンス33秒6で上がり、ベッラレイア33秒2を記録した。

しかしそれでも、あの馬「それがどういたしまして?」と言っていそうだから恐い。

チューリップ賞33秒5桜花賞33秒6、そしてあのダービーでは、33秒0という上がりで牡馬を蹴散らした。上がり勝負になったら、あの馬は、今回の3頭よりもさらに上にいる可能性がある。

これだけ多くの速い上がり勝負を見せつけられて、秋華賞が楽しみにならないはずがない。果たして、10月14日はどんなレースが繰り広げられるのか。

馬券ファンにとっては、実力の抜けた馬が集結する秋華賞は、今回のローズSと同じように「見るレース」になる可能性が高く、つまらなく感じるかもしれない。

しかし、実は、そうならない可能性があることも記しておきたい。

秋華賞京都の芝内回り2000mで行われる。このコースは直線が短く、ご存じのように先行有利。だからこそ、早めに動く競馬になりやすく、秋華賞ではたびたび前掛かりの後方一気が決まる。

過去11回の勝ち馬の上がり3Fタイムは、次の通りになっている。

96年ファビラスラフイン 35秒9
97年メジロドーベル 35秒1
98年ファレノプシス  36秒1
99年ブゼンキャンドル 36秒1
00年ティコティコタック  33秒5
01年テイエムオーシャン  35秒4
02年ファインモーション  34秒5
03年スティルインラブ  34秒9
04年スイープトウショウ 33秒9
05年エアメサイア   34秒2
06年カワカミプリンセス 34秒4

33秒台の鬼脚で優勝したのはティコティコタックスイープトウショウだけ。切れる脚さえ持っていれば勝てる、というわけでもないのだ。

ついでに言っておくと、前走で34秒5を切る上がりを使って秋華賞に挑んだ馬は、[1.3.3.15]という成績。勝ったのは、34秒2(ローズS)→34秒2(秋華賞)という上がりを使ったエアメサイアだけである。

もちろん、ローズSの施行コースが変更となった今年は、このデータがそのまま当てはまることはないだろう。ただ、「速い上がりを使う馬=秋華賞最有力」という図式ではないことが、この成績から読みとれるはずだ。

今年の秋華賞有力馬の鞍上は名手揃いだから、本番でもそんなコース適性を考慮して騎乗してくるに違いない。

そんな騎手の駆け引きまで想定したら、馬券ファンも「見ているだけ」ではいられなくなるだろう。

春先はダイワスカーレットオークスを熱発で回避し、今夏は馬インフルエンザで多数の馬が熱発したが、秋華賞前は、馬と騎手の駆け引きを考えるこちらが熱発してしまいそうだ(笑)。それくらい、10月14日の秋華賞は熱い戦いになりそうだ。

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