マツリダゴッホはサンデー産駒ではないというのが結論!?
文/編集部
終わってみれば、今年の
AJC杯で1、3着だった
マツリダゴッホ、
シルクネクサスが3着以下を引き離してワンツー。過去10年のオールカマーで
[8.1.4.23]と圧倒的な強さを見せていた
父ノーザンダンサー系の
エリモハリアーが3着。
上位3頭の人気は1、5、7番人気ではあったが、
コース実績や
過去の傾向から言えば、
順当と呼べる部類の結果ではあった。そう、レースが終わってからなら、なんとでも言えちゃうんですけどね(笑)。
それにしても、2着
シルクネクサスとは半馬身差と僅差ではあったが、早めに動いてゴールまでいい脚を持続された
マツリダゴッホのレースぶりは
完勝と言える内容だった。前走の
札幌記念で見せた不甲斐なさなど、微塵も感じさせないくらいに。
しかも、
AJC杯を勝っていただけに、そうなりそうな予感はあったが、
「オールカマーでサンデーは不振」という傾向もあっさり覆すというオマケつき。それまで、
中山芝2200mで行われた
オールカマーにおいて、
サンデー産駒は
[0.0.4.15]だったのだ。
一流のアスリートの口から、
「ライバルは他人ではなく、過去の自分です」という言葉をよく耳にするけど、
ことごとく不振データを覆すサンデー産駒には、そういったアスリートたちと似たような気概を感じる。まあ、人間の勝手な思惑ですが(笑)。
オールカマーのラップを見てみると、
12.6-11.5-12.4-12.3-12.2-12.6-11.8-11.8-11.3-11.4-12.6。3コーナー付近から流れは急に速くなっていたように、後半は
持続力が求められるロングスパートレースだったことがわかる。
マツリダゴッホが動いていったのはだいたい残り4Fの手前あたりだが、それでも勝負所からゴールまで、長くいい脚を使っていた計算は成り立つ。一方、期待を裏切る結果となった
札幌記念は、後半5Fのラップが
12.5-12.1-11.7-11.4-11.7。こちらは
上がり3Fの瞬発力勝負だった。
このことから総合すると、
「マツリダゴッホはサンデー産駒ではない」というのが結論! そう表現すると誤解を招きそうなので、
「サンデー産駒らしくないサンデー産駒」と言い換えましょうか。
オーソドックスなサンデー産駒というのは、
札幌記念のようなラップが得意であって、実際、
札幌記念では今年の覇者である
フサイチパンドラを含め、
[4.3.5.20]と好成績を残している。
逆に、
オールカマーのような持続力勝負では他馬より見劣るタイプが多く、先週の
セントライト記念で1、3着となった
ロックドゥカンブ、
スクリーンヒーロー、今回2着となった
シルクネクサスなどの
ロベルト系が基本的には向いているのだ。
だから、
中山芝2200mの重賞で2勝している
マツリダゴッホは、サンデー産駒の中でも異色なタイプ。今後は、他のサンデー産駒とは別にして考えたほうがいいでしょうね、きっと。
なんとなく、
マツリダゴッホに疎外感を与えてしまっているようで、申し訳ない気がしてきたなあ。そのお詫びとして、
マツリダゴッホとよく似たお仲間を紹介するとすれば、
ローゼンカバリーがうってつけ。
というのは、
ローゼンカバリーも
中山芝2200mの重賞で2勝(
セントライト記念、
AJC杯)を挙げている異色のサンデー産駒だったから。ちなみに、中山芝2200mの重賞で2勝しているのは、いまのところその2頭だけ。これはかなりの親友になれるはず(笑)。
ただ、
ローゼンカバリーは
G2では
[4.1.3.6]と好成績だったのに対し、
G1では
[0.0.1.10]と善戦止まりが多かった。ひょっとすると、
マツリダゴッホも
ローゼンカバリーと同じような足跡を辿ってしまうのでは……。
不安は単なる杞憂であることを祈りつつ、今後の
マツリダゴッホを温かく見守っていきたいと思います。