オリエンタルロックから無言のメッセージが伝えられた!?
文/編集部
出走馬14頭中13頭が
前走1着馬。前走で唯一、2着以下だったのは
コスモス賞5着の
ホウザンだけ。馬券はどの馬からでも入れそうな雰囲気が漂い、購入意欲を掻き立てられた一戦だった。まあ、
ホウザンを真っ先に切ってしまい、あっさり撃沈しましたけど(笑)。
今回、注目していたのは
新種牡馬と
母父サンデーサイレンスの産駒だった。
母父サンデーサイレンスについては、
「4頭もいれば1頭くらいは来るでしょう」という短絡的な思考によるものだったので、根拠らしい根拠は特になかった。
結果、
ウイントリガー8着、
ヤマニンキングリー9着、
マイネルスターリー12着、
ネオスピリッツ14着。そうそうこちらの思惑通りには動いてくれないのが競馬であって、これはこれできっぱり諦めもつく。
ただ、
新種牡馬の産駒は近年の
札幌2歳Sで、よく馬券に絡んでいたので、密かに自信はあった。その例を下記に列挙してみたのでご覧ください。
01年1着
ヤマノブリザード父タイキブリザード
2着
マイネヴィータ父ナリタブライアン
3着
トリッキーアイズ父ブラックタイアフェアー
02年2着
テイエムリキサン父タイキシャトル
04年1着
ストーミーカフェ父アドマイヤベガ
06年2着
アドマイヤヘッド父アドマイヤコジーン
どうです、よく来ているでしょう。だから、
母父サンデーサイレンスでもあった
アグネスデジタル産駒の
ヤマニンキングリー、
シンボリクリスエス産駒の
ネオスピリッツを中心視した。結果は上記した通りだけど。
もう1頭、
アグネスデジタル産駒の
アモーレヴォレは
8枠を嫌って切ってしまったが、
6着に入り、新種牡馬産駒の3頭の中ではいちばん頑張っていた。
というわけで、
札幌2歳Sにおける
「新種牡馬と母父サンデーサイレンスでガッポリ儲けろ作戦」は
完敗という形で終わった。残念無念……。で、終わるわけにもいかないので続けます(笑)。
ポツン最後方で鮮やかなマクリを決めた
オリエンタルロック。当初、
ポルトフィーノに騎乗する予定だった
武豊騎手が手綱を取り、思い切りの良さが見事にハマったという競馬だった。
“ユタカ・マジック”恐るべし。
もちろん、能力がなければできない芸当だが、ゴール前で
武豊騎手がガッツポーズをしていたことを見ても、
「ハマった」、
「してやったり」という印象を受けた。
武豊騎手にしては珍しく、人気も
6番人気と低めだったことも関係しているだろう。
新種牡馬の前に立ちはだかった
オリエンタルロックは、昨年に種牡馬デビューした
マンハッタンカフェ産駒。初年度産駒はなかなか2勝目を挙げられず、2歳時に10頭が勝ち上がったものの、2勝できたのは
メイショウレガーロだけだった。
その
メイショウレガーロも、年明けの
京成杯では
2着に好走したが、その後は
弥生賞4着、
皐月賞5着、
青葉賞4着と善戦止まり。
マンハッタンカフェ産駒に対して、
「お父さんも遅咲きだったし、産駒も同じタイプが多いのだろう」という予測が、頭に定着し始めた矢先の
札幌2歳Sだった。
最近では
アグネスタキオン産駒もそうだった。初年度産駒から
NHKマイルCを制した
ロジックを輩出し、勝ち上がり率は特筆モノだったが、
斬れ味に欠けるタイプが多いように感じた。
ところが、2世代目は打って変わり、早くから
ダイワスカーレット、
アドマイヤオーラといった
上がり33秒台をマークする産駒が出現。産駒のイメージが初年度産駒と2世代目で食い違い、戸惑ったことは記憶に新しい。
だから、今回の
オリエンタルロックの勝利を見た時、
「2世代目のマンハッタンカフェ産駒はひと味違うぞ!」という無言のメッセージを伝えられたような気がする。今後、注目する価値はありそうだ。
なお、今年、
札幌芝1800mで勝ち上がった2頭がワンツーを果たしたが、2歳の札幌芝1800mは9レースあって、そのうち、勝ち時計は
サブジェクトが1位(1分50秒5)、
オリエンタルロックが2位(1分51秒4)だった。
なので、来年の札幌2歳Sは、
「札幌芝1800mを好時計で勝ち上がった馬を信用しよう作戦」で攻めてみようかと思っています(笑)。