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ロッキーズとチョウサンの“メークミラクル”はこれで完結ではない!?
文/編集部

MLBはいまプレーオフで盛り上がっている。ナショナル・リーグでは、松井稼頭央が所属するロッキーズフィリーズに3連勝し、球団史上初となるリーグ優勝決定戦に進出を果たした。

ロッキーズはシーズン終盤に怒涛の11連勝を飾り、地区優勝は逃したものの、ワイルドカード(優勝チーム以外で勝率1位のチームがプレーオフに進出できる)決定戦ではパドレスにサヨナラ勝ちし、劇的な展開でプレーオフ進出の切符を掴んだ。

その勢いはプレーオフでも止まることを知らず、第2戦では松井稼頭央逆転満塁ホームランを放っちゃたりして、地区優勝を果たしたフィリーズを完全にノックアウト。勢いが実績を凌駕したという結末である。

毎日王冠でも同じような現象が起きた。準OPを勝ったばかりで重賞実績のないチョウサンが、G1・4勝の大本命ダイワメジャーを撃破。さらに、ダイタクバートラムが持つ1分44秒1の日本レコードに0秒1差まで迫る、1分44秒2のコースレコードで走破したのだ。

G1馬が秋緒戦として選ぶ毎日王冠が問われる重賞であり、勝ち馬はサクラユタカオー(86年)、オグリキャップ(89、90年で連覇)、ダイタクヘリオス(92年)、シンコウラブリイ(93年)、バブルガムフェロー(97年)、サイレンススズカ(98年)、グラスワンダー(99年)など、錚々たる顔ぶれ。

だからこそ、チョウサンのように重賞で連対すらなかった馬が勝つことはかなり異例。過去20年の勝ち馬を振り返っても、外国馬のアヌスミラビリス(96年)を除けば、日本馬でチョウサンのようなタイプは見当たらない。

確かに、ストーミーカフェが飛ばしたことで1000m通過が57秒5というハイペースになり、差し馬に流れは向いた。ダイワメジャーコンゴウリキシオーといったG1実績馬も、休み明けで完調手前だったかもしれない。

だが、チョウサンメンバー中最速の上がり(34秒0)を使い、2着アグネスアーク以下に1馬身差をつけてゴールを駆け抜けた。重賞勝ち馬が10頭、重賞連対馬が12頭もいるレースにおいて、だ。実力がなければ、とてもできる芸当ではないだろう。

折り合いの難しいタイプで出世が遅れたチョウサンではあるが、4歳以降は[4.3.2.2]という成績で、4着以下に敗れたのは2400m2500mの2戦だけ。1600~2200mに限れば、3着以内をずっとキープしていた。

この間に、ダンスインザダーク×サッカーボーイという遅咲きの血が、噴火寸前の火山のように煮えたぎっていったのだろう。そして、毎日王冠のハイペースに誘発されて爆発したという。

思い返せば、同配合のツルマルボーイもそうだった。最後方から追い込んで2着となった03年の天皇賞・秋は、ローエングリンが飛ばして1000m通過が56秒9。ハイペースに乗じ、上がり33秒1という豪脚を繰り出していた。

8度目の挑戦で待望のG1初勝利を挙げた04年の安田記念は、1000m通過が57秒5。上がりはメンバー中最速となる34秒0だった。こちらは今年の毎日王冠の流れ、チョウサンの脚とまったくの同タイム。

ダンスインザダーク×サッカーボーイという血統馬は本格化すると、そういう流れで真価を発揮するのだろう。安田記念毎日王冠の比較から単純計算すると、チョウサンツルマルボーイと同等の力を備えているという結論に…。

いずれにしても、フィリーズ相手に3連勝したロッキーズしかり。毎日王冠で大金星を挙げたチョウサンしかり。両者の“メークミラクル”はこれで完結ではない。勢いが実績に変わる日は訪れるのか。(ミスター風に)ん~どうでしょう(笑)。非常に注目ですね。

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