前走1番人気の凡走にすっかり煙幕を張られてしまった
文/長岡伸治
オープンに上がって2走、どこか足りないレースぶりだった
エイシンロンバードが、ダート重賞の常連たちを向こうに回しての逃げ切り勝ちを決めた。
同馬は、3走前、
7番人気で
香港JCTを逃げ切っている。そのときも、今回と似たような
ドロドロの不良馬場で、
中京競馬場という同じ左回り。
距離は1700mで、レースの格は
準オープンと
G3という違いはあるものの、条件はほぼ同じだった。
今になって思えば、好走する下地はあったのだ。
それがその後、
盛岡での交流重賞・
マーキュリーCでは、
勝ち馬から大きく離された3着、次走(つまり前走)の
阿蘇Sでは
1番人気に推されながら5着。
その2戦で、結果的にファンも他陣営も、上手く煙幕を張られた格好になってしまった。
今回、そして前述の
香港JCTともに、1番人気で敗れた後で、人気を落としての激走。どうも捉えどころのない馬である。
今回が
6勝目になるのだが、勝ったときは
4、5、2、1、7、9番人気。好走パターンが読みづらい。
道悪巧者であることは間違いないだろうが、それでも、過去、
稍重以上の渋った馬場で
[2.2.1.7](今回の
武蔵野Sも含む)。渋化は好材料ではあるけれど、必ず走っているわけではない。
ただ、ふたつ言えることがある。
ひとつは、
逃げた時は3戦2勝2着1回と信頼できるということ。それでも、今回のレースを見てもわかるとおり、スタートダッシュが抜群というタイプでもないので、他馬との兼ね合い次第。先手を取れるかどうかを読み切るのは楽ではないのだが。
そして、もうひとつは
「吉田」騎手。
香港JCTのときは
吉田稔騎手、今回は
吉田豊騎手だった。
ハナを切れそうなメンバー構成で、
「吉田」騎手が鞍上(もちろん
隼人騎手、そして荒尾の
隆二騎手、佐賀の
順治騎手、金沢の
晃浩騎手でも可)、
雨が降っていれば理想的だ。人気は関係ない。
次走以降、
エイシンロンバードがこんな状況で出てくればぜひ狙いたい。今度こそ、煙幕に惑わされないように。