ディアデラノビアが父の金字塔にすかさず貢献した
文/編集部
先週の
鳴尾記念を
ハイアーゲームが制し、JRA重賞で
通算299勝目を挙げた
サンデーサイレンス。
大台にリーチがかかり、その初戦となった
愛知杯には、昨年の覇者
アドマイヤキッス、G1上位の常連
ディアデラノビア、
ロフティーエイム、
スズカローランと4頭を送り込んできた。
その前に立ちはだかるは強い3歳牝馬世代。条件戦を3連勝中の
ニシノマナムスメを筆頭に、前走で福島記念を豪快に差し切った
アルコセニョーラ、
マイネカンナ、
ランペイアとこちらも4頭。
アルコセニューラの父は
ステイゴールドで、他の3頭は
アグネスタキオン産駒と、
サンデーサイレンスの息子を父に持つ馬が揃っていた。
特に
ニシノマナムスメは、鞍上に
武豊騎手を擁して万全の態勢。母にG1・3勝の
ニシノフラワーを持つ良血に、4連勝での重賞初制覇の期待がかかった。
レースは
シェルズレイがハナに立つが、2番手につけた
スズカローランと
トップセラーが競りかけていかなかったため、それほど速い流れにはならず。
その直後の先頭集団の前目に
アドマイヤキッスがつけ、それを見るように
ディアデラノビア、その後方に
ニシノマナムスメという隊形。
向正面くらいからグングン飛ばしていった
シェルズレイだが、直線入口では早くも馬群に飲み込まれる。
先行集団が伸び悩む中、
アドマイヤキッスは外に、
ディアデアラノビアは馬群を割るようにそのやや内に進路を取る。すると、ぽっかり開いた内を突いた
ニシノマナムスメが抜け出す。
このまま突き抜けるかと思われたが、
ディアデラノビア、
アドマイヤキッスが猛追。4キロのハンデ差をものともせず、
ディアデラノビアがゴール前で半馬身交わしてゴール。
アドマイヤキッスはわずかに及ばず、ハナ差で3着。
ニシノマナムスメは、上がり3Fのタイム(33秒8)は差し切られた勝ち馬のそれを上回っていたのだが、あとひと伸びが足りず2着に終わった。
ディアデラノビアはこれで
重賞3勝目。デビュー前からその素質を高く評価され、
05年オークス、
06年ヴィクトリアマイル、
06年エリザベス女王杯と
G1で3着3回。
前走の
エリザベス女王杯でも
4着と勝ち切れないレースが多いが、今回は
トップハンデをものともしない見事な走りだった。直線に入ってすぐに一瞬の切れで
ニシノマナムスメに遅れを取ったが、そこからの伸び脚が違った。
これで
サンデーサイレンスは
JRA重賞通算300勝を達成。2位の
ヒンドスタンが
113勝というからとんでもない記録だ。
ちなみに、現役の種牡馬では
ブライアンズタイムの
72勝がトップで、
オペラハウスの
34勝、
フジキセキの
31勝と続く。当分、この記録は破られることはないだろう。