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ドリームシグナルのレースぶりは父の遺伝子の成せる業!?
文/編集部

ダイワマックワンが引っ張った流れは1000m通過58秒4シンザン記念良発表だったが、午前中まで稍重だった馬場状態を考慮すれば、ハイペースと言える流れだった。

そのため、道中で中団より後ろに位置していた馬たち、ドリームシグナル(1着)、ドリームガードナー(2着)、タケミカヅチ(4着)、ミッキーチアフル(5着)が掲示板に載る結果となった。

道中では人気馬の位置取りがあまりに後ろすぎたのでハラハラしたが、終わってみれば、1~5番人気が掲示板を確保するという。これはこれで、各馬がきっちりと力を出し切ったということだろう。

ただ、マヤノベンケイはこの速い流れを好位につけ、直線で早々と先頭に立っての3着。鞍上の福永騎手が馬場の良い所へ進路を取った手綱捌きも光るが、ゴール前まで一杯に粘り、見せ場を作ったレースぶりは驚いた。マイルも十分に走れる。

いずれにしても、勝ったドリームシグナルの直線での脚は目を見張った。ハイペースで展開が向き、馬場の良い外を通ったことを加味しても、力がないと直線大外一気は決まらない。

直線で外から弾けたドリームシグナルを見ていて、パッと思い浮かんだのが父アグネスデジタルマイルCS(00年)のレースぶりだった。ご記憶されている方も多いのではないでしょうか。

父はそれまで芝で未勝利だったため、マイルCSでは13番人気(単勝55.7倍)という低評価だったが、直線で外から矢のように伸びた豪脚はかなり鮮烈だった。

今回のドリームシグナルは、そのレースぶりを再現したかのような走り。「父のキャラクターは産駒に受け継がれる」と常々思っているが、それを実証するレースだったと思う。

アグネスデジタルでもダートでもG1を勝ったことは有名だが、先行しても差しても競馬ができる自在性に富んだ馬だった。それは非凡な能力とレースセンスの成せる業。

そのキャラクターは産駒にも見られ、実際、ドリームシグナル京都芝1600mで初勝利を挙げた時は好位抜け出し、今回のシンザン記念大外直線一気。同じ舞台でもレースぶりはまったく異なる。

また、同産駒のエイムアットビップも、ファンタジーSでハナを切り、スピードを前面に活かした競馬をしたかと思えば、阪神JFでは一転、後方から追い込む競馬を試みて。

その阪神JFでは3着に敗れたものの、勝ち馬トールポピーとはわずか0秒1差だったし、エイムアットビップのレースセンスには大いに感心したものだ。

そのエイムアットビップよりひと足先に、ドリームシグナルシンザン記念において、アグネスデジタル産駒として重賞初制覇を飾ったわけだが、父の遺伝子が後押ししてくれたのだろうか。

だって、お父さんがG1初制覇を飾った京都芝1600mという舞台で、息子のドリームシグナルが重賞初制覇をプレゼントするなんて……しかも、そっくりの競馬をしてですよ。ちょっと出来すぎた話でしょう。

だから、「これも父から受け継いだ遺伝子の成せる業か!?」と感傷にひたってしまったが、早稲田大学の大槻教授には「そんな非科学的な話はありえませんよ」と一蹴されそう(笑)。

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