馬券検討以上に天気予想に神経を使う日がまだ続きそう…
文/編集部

先週の
日経新春杯も微妙な天気がレース結果に影響を及ぼしたが、今週の
平安Sもまた然りだった。
前日の土曜日時点で京都ダートは
稍重になっており、寒い今の時期では急速な馬場回復は望みにくい。それでも、乾燥すれば日曜の午後にはなんとか
良まで回復するのではないかと思ったのだが……待てど暮らせど馬場状態の変更のお知らせは届かず…。完全に裏目に出てしまいました。
良と稍重ぐらいなら大差ないと考える人がいるかもしれないが、
ダート重賞では大きな差が出る。特に
血統を見ると、違いは歴然だ。
過去10年(98年以降)の
JRAダート重賞は先週までで
130レースが行われており、その中で
父ロベルト系は
17勝、
サンデーサイレンス産駒は
6勝を挙げている。
それぞれの勝率は、
父ロベルト系が
12.3%、
サンデー産駒が
8.0%。
ダート重賞では
ブライアンズタイム産駒などの
父ロベルト系の方が優勢だ。
ただ、これは、良から不良まですべての馬場状態を含んでの話。
稍重・重・不良という湿った馬場状態に限ると、状況は一変する。
稍重以上に湿った馬場での
父ロベルト系の勝率は
6.1%まで下がり、
サンデー産駒のそれは
17.6%まで上昇する。完全に逆転現象が起こるのです。
このような状況下で、稍重のままだった今年の
平安Sをもう一度振り返ってみると……
1着
クワイエットデイ(
サンデーサイレンス産駒)
2着
メイショウトウコン(
父ロベルト系)
3着
マコトスパルビエロ(
父ロベルト系)
4着
ロングプライド(父ブラッシンググルーム系)
5着
マイネルアワグラス(
父ロベルト系)
まったくもってデータ通りでした。
98年以降のJRAダート重賞で、
稍重以上に馬場が湿ると、
父ロベルト系は
[2.6.6.19]という成績だった。今回の
平安Sを経て、その成績は
[2.7.7.22]に…。血統とは恐ろしいものだ。
4着となった
ロングプライドは、
良馬場のダートなら
[4.1.0.0]と連対を外したことがなかったが、
稍重以上に湿ると
[1.1.2.2]。こちらもベストは良馬場であるだけに、差し届かなかったのも仕方ない気がする。
今回2着以下に敗れた
父ロベルト系の馬たちは、次走以降、
良馬場になってパフォーマンスを上げる可能性が高いだろう。そのことは忘れずに覚えておきましょう。そして、彼らを応援している人たちは、
前日のてるてる坊主製作もお忘れなく。
優勝した
クワイエットデイは、言わずと知れた
湿ったダートの鬼。馬場が湿ると
父ロベルト系が伸び切れないのとは対照的に、こちらは
[7.3.3.1]とほとんど崩れることなく好走する。
これはもはや職人芸の領域だが、今回の同馬には、
1月のダートが[4.2.0.0]、
休み明けから叩き2戦目が[3.1.0.0]というプラスデータもあった。
ただ、いくらプラスデータが満載でも、
8歳という年齢を考えると躊躇してしまうもの。それが、レース後のインタビューで
「8歳にしてようやく本格化したかも」と
角田騎手に言わしめたように、万全の状態に仕上げたのだから、厩舎の手腕には脱帽するしかない。
管理する
松元省一調教師は、
トウカイテイオーや
スティルインラブなどで知られるが、個人的に特に印象深く残っているのが
フラワーパークだ。
同馬はデビューから7ヶ月後にG1(
高松宮杯)を制したことで話題となったが、デビューが
3歳10月と非常に遅かった。
このことについて、ある牧場関係者が
「先生(松元省調教師)が使うのをずっと我慢してくれたことが結果につながった」と話していた。
7歳を過ぎて重賞を2勝した
クワイエットデイにも、同じ信念が貫かれているのだろう。
松元省調教師は、定年を待たずに今年2月で調教師を勇退されるらしい。残念ではあるが、残り1ヶ月で有終の美を飾っていただきたい。
今回の
平安Sを終えて、2月24日の
フェブラリーSへ向けての前哨戦は、来週の
根岸Sを残すのみとなった。
ただ、寒い日はまだまだ続きそうで、たとえ前哨戦がすべて終わっても、直前の馬場状態を見るまでは悩むことが尽きない気がする。
馬券検討以上に
天気予想に神経を使わされるのは本当にやっかいだ。いっそのこと、気象予報士になれるくらい勉強してみるか!? いや、それとも、気象予報士に競馬を覚え込ませた方が早いか!?
俺が
天気図を見られるようになるのと、石原良純さんが
競馬新聞を読めるようになるのと、どっちが早いんでしょうかね? バカバカしいから考えるのはやめました(笑)。