父ミスプロ系のショウナンアルバは今回の勝利で将来性が約束された!?
文/編集部
降雪の影響により、2週連続で代替開催となった
東京競馬。馬場状態が心配されたものの、結局は
良馬場で行われ、レースレコードに0秒2迫る
1分47秒6という好時計で決着した。
人気は
ラジオNIKKEI杯2歳Sで
2着となった
サダムイダテンが
1.5倍の断然人気。前走、出遅れながら直線一気で
サブジェクトにクビ差まで迫ったパフォーマンスを考えれば、やむを得ずという感じ。
思い起こせば、同じく
雪の影響で代替開催となった
98年(レースはダート1600mで施行)も、
単勝1.2倍の断然人気だった
エルコンドルパサーが勝利していた。
エルコンドルパサーは父が
キングマンボ。
サダムイダテンは父が
フォーティナイナー。同じ
ミスプロ系という共通項もあるし、98年の再現になってしまう!? その根拠のない予想が脳裏を過ぎった。
ところが、勝ったのは同じ
父ミスプロ系でも、
ウォーエンブレム産駒の
ショウナンアルバだった。スタート後は頭を上げ、かなり行きたがっていたが、直線では持ったまま。
直線半ばで仕掛けられると後続をスッと突き放し、ゴール前では内の
タケミカヅチに半馬身差まで迫られたものの、
横綱相撲といった感じで堂々と押し切った。
これで
未勝利、
500万に続いて
3連勝で重賞初制覇。
初戦(福島芝1800m)は直線で完全に抜け出したところへ、
タケショウオージの急追に屈しただけで、内容的には4連勝に近い。
今回は
ショウナンアクロスが
58秒5というハイペースで引っ張ったが、
ショウナンアルバは好位に控えたせいか、前半はかなり行きたがっていた。
今後、
ショウナンアルバが
クラシック戦線で好勝負するためには
折り合い、
道中でゴチャついた時に我慢できるかなど、そのあたりが大きなポイントになってくるはず。
それでも、
京成杯を制した
マイネルチャールズとともに、
クラシック戦線における関東の代表格というポジションに上り詰めたのは間違いないだろう。
ちなみに、
共同通信杯を制した
父ミスプロ系は過去20年を遡ると、前述した
エルコンドルパサー、
00年の
イーグルカフェ(父ガルチ)、
06年の
アドマイヤムーン(父エンドスウィープ)の名前が挙がる。
この3頭に共通するのは
G1を2勝以上していること、
東京芝でG1を勝っていること。ということは、
ショウナンアルバは!? 今後、どのように成長していくのか、すごく気になる。
もうひとつ血統的なネタを挙げると、
マイネルスターリーが3着したことで、
ある産駒の成績が[5.3.2.3]となった。これがなんだか分かりますか?
それは、
母父サンデーサイレンス産駒が、
2~3歳限定の東京芝1800重賞で残した成績である。というか対象レースは、
東京スポーツ杯2歳Sと
共同通信杯だけだけど(笑)。
昨秋の
東京スポーツ杯2歳Sでは、
3頭しかいなかった
母父サンデー産駒が
ワンツースリーをしていたように、
唯一の母父サンデー産駒だった
マイネルスターリーはここで軽視してはいけない存在だった。
今年の
東京スポーツ杯2歳Sはだいぶ先だが、そのことは忘れずに覚えておいたほうが良さそう。
ちなみに、86年以降の
共同通信杯で
1番人気は
[11.6.1.4]と圧倒的な強さを見せていた。ただし、
4着以下に敗れた4頭のうち2頭は父ミスプロ系だった(99年7着
グラスグラード、03年5着
タイガーモーション)。
「人気の父ミスプロ系は過信禁物」という話だが、
エルコンドルパサーはやっぱりモノが違ったんだなあ。と同時に、今年の
共同通信杯は
混迷のクラシック戦線を象徴するような結果だった。