高齢馬の勢いを止められる4~5歳馬はいないのか!?
文/編集部
日経新春杯のレースインプレッションで
「本格化したかどうかは保留」と記した
アドマイヤモナークが、トップハンデの57.5kgを背負って、2馬身半差勝ち。
ぐうの音も出ないとはまさにこのことで(笑)、今回の他のメンバーとは役者が違った印象を与えられた。
前走時に評価を保留したのは、良馬場発表ながら天候が小雨で、レース後に
緩い馬場状態を敗因に挙げた騎手が多かったから。
良馬場での走りを見てみないと分からない気がしたのだが、今回の
アドマイヤモナークの走りは前走とほぼ同じだった。というか、
勝ちっぷりは前走以上だったと言える。
アドマイヤモナークは日経新春杯以前に6勝をマークしていて、そのすべてが
良馬場でのものだが、その6勝時の2着との着差は次のようになっている。
未勝利:1・1/4馬身差
揖斐川特別(500万):クビ差
睦月賞(1000万):1/2馬身差
鳴滝特別(1000万):1・1/4馬身差
八瀬特別(1000万):2馬身差
サンシャインS(1600万):3/4馬身差
日経新春杯は
1・1/4馬身差だったので、今回の
ダイヤモンドS(
2・1/2馬身差)がこれまでの最大の着差ということだ。
アドマイヤモナークは
直線での切れ味が身上のタイプだが、3走前の
万葉Sでは
33秒台の上がりを使い、
近4走の上がりもすべてメンバー2位以内と、その切れ味はまったく衰えていない。
加えて言えば、以前は抜け出すと
ソラを遣う面があったようだが、この2連勝を見る限り、そんな素振りは微塵も感じられない。
アドマイヤモナークは、
7歳にして、
キャリア35戦を超えて本格化した。そう断言して異論はないだろう。
それにしても、今年は
高齢馬の重賞制覇が多い。先週も
10歳馬の
アサカディフィートが
小倉大賞典を制しているし、3週前の
AJCCと
平安Sを勝ったのも、
7歳の
エアシェイディと
8歳の
クワイエットデイだった。
今年はこれまで古馬の平地重賞が12レース行われているが、年齢別の成績は次のようになっている。
4歳[1.2.2.29]
5歳[3.3.7.30]
6歳[3.4.3.35]
7歳以上[5.3.0.57]
いちばん多くの勝ち鞍を挙げているのが
7歳以上で、12レース中、7レースで連対している。
ガーネットSが行われた1月13日の週以外は、毎週、重賞で連対していることになる。
逆に、
4歳馬は
1勝止まりで、3レースしか連対できておらず、その3レースはすべて
マイル戦(
京都金杯、
東京新聞杯、
京都牝馬S)だ。
今回の
ダイヤモンドSでも
4歳馬(
エーシンダードマン、
エフティイカロス、
マンハッタンスカイ)は揃って4着以下に敗れたが、距離が延びてタフなレースになればなるほど
高齢馬の活躍が目立っている。
寒いからって部屋に閉じこもってばかりいるんじゃない!と一喝するおじいちゃんと若者のような構図になってます(笑)。
春競馬に突入し、4~5歳の一線級が出てきたら、また状況が変わるのかもしれないが、今回の
アドマイヤモナークをはじめ、現在の高齢馬の強さも際立っているので、そう易々と4~5歳馬たちも逆転できないんじゃないだろうか。
今年の平地重賞で連対した7歳以上の馬たち(
アサカディフィート、
アドマイヤモナーク、
エアシェイディ、
クワイエットデイ、
トウショウナイト、
リキッドノーツ)は、いずれも
3歳時に
G1への出走がなく、後に大成した馬ばかり。
それらの馬が、
3歳時のG1で活躍した現4~5歳馬を相手に、どんな闘いを見せるか。今年の春競馬の古馬戦線はそんな対決の構図も成り立ちそうだ。