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リトルアマポーラは牝馬三冠馬に肩を並べられるのか!?
文/編集部

クイーンCといえばサンデーサイレンス。いつ頃から意識し始めたのかはよく覚えていないが、自分の中でそんなイメージがいつの間にか定着していた。今年は4着のデヴェロッペを除けば、1着リトルアマポーラから7着スワンキーポーチまで、みんな父か母父にサンデーサインレスの血を持っている。

95年プライムステージ(父サンデーサイレンス)が2着になって以降、出走のなかった98年、99年を除けば、ずっと父か母父にサンデーサインレスの血を持っている馬が馬券に絡んでいる。連対できなかったのも96年の1回だけで、その時もノースサンデー(父サンデーサイレンス)が3着には来ていた。

今年も例に漏れなかったわけだが、2着ライムキャンディ、3着ラルケット母父がサンデーサインレス。先週のきさらぎ賞と同じく、2頭しかいなかった母父サンデーが2頭とも馬券に絡み、そして、その2頭を押さえ、勝利したのがアグネスタキオン産駒という点まで同じだった。

そのきさらぎ賞の結果も踏まえて、2頭いた母父サンデー産駒アグネスタキオン産駒のうち、2頭くらいは馬券に絡んできそうという漠然としたイメージがあったが、馬券圏内を独占してしまいました(笑)。

リトルアマポーラメンバー中最速の上がり(34秒4)を使い、直線で大外から突き抜けて快勝。武幸四郎騎手は道中で外に持ち出し、直線で内を突くという選択をしなかった。その理由をちょっと想像してみた。

桜花賞を目指すためには、ここできっちりと賞金を加算して出走を確定させておきたい。直線で内を突いて前が開かず、脚を余して負けるようなリスクは避けたい。そんなリスキーな競馬をしなくても勝てる、いや勝てなければ桜花賞などと言っていられない。といった思考が交錯していたかもしれない。

とにかく、ここではリトルアマポーラの実力が一枚上、という思惑が直線でのコース取りに表れていたように思うし、実際、内の各馬を並ぶ間もなく交わし去り、余裕を持ってゴールを駆け抜けたのだから、快勝というより完勝だった。

これでリトルアマポーラ芝1600m3戦3勝阪神JFに出走していたラルケットシャランジュカレイジャスミンなどを問題にしなかったわけだから、一躍、桜花賞の有力候補に躍り出たといっていいだろう。桜花賞の舞台となる阪神芝1600mでも2戦2勝というのも強調材料だ。

ところが、ここでもうひとつのクイーンCに対するイメージリトルアマポーラに影を落とす。それは、クイーンCに出走した馬は桜花賞をなかなか勝てないというイメージである。実際、86年以降、クイーンCに出走した馬の桜花賞成績を調べてみたら、桜花賞では[1.3.6.55]だった。

唯一、クイーンCに出走して桜花賞を勝ったのは86年のメジロラモーヌだけ。メジロラモーヌクイーンC単勝1.2倍の1番人気4着に敗れたが、次走の4歳牝馬特別で勝利し、その次走で桜花賞を制覇。その後はオークスも制し、エリザベス女王杯6連勝を達成。史上初となる牝馬三冠馬に輝いた。

回りが違うとはいえ、同じ芝1600mの重賞なのに、どうしてこういう結果となっているのか。単なる偶然ということで片付けてしまえば話は簡単なのだが……。とにかく、その条件をクリアできたのは、競馬史上に残る名牝メジロラモーヌだけというのは事実である。

ただし、クイーンCに出走した馬は桜花賞では不振であっても、オークスでは[3.3.2.51]で勝ち馬が3頭も出ている。上記した86年のメジロラモーヌ、99年のウメノファイバー、そして04年のダイワエルシエーロ。ということはリトルアマポーラも……。

一方、リトルアマポーラは今回、馬体重が12kg減だったが、アグネスタキオン産駒が重賞で馬体重が4kg以上減っていた場合は[1.4.5.29]だった。同じアグネスタキオン産駒スワンキーポーチ12kg減だったが、リトルアマポーラは1着、スワンキーポーチは7着だった。

馬体が大幅に減るというのは、アグネスタキオン産駒にとってあまり喜ばしい状態ではないということだが、牝馬ならなおさらだろう。ちなみに、馬体重が4kg以上減って重賞を勝ったアグネスタキオン産駒はいまのところ、昨年の秋華賞を制したダイワスカーレット(6kg減)だけ。

この点でいえば、リトルアマポーラダイワスカーレットに肩を並べたことになる。ということは、リトルアマポーラ=G1級桜花賞制覇=決して夢ではない、という方程式が成り立つ。リトルアマポーラメジロラモーヌにも肩を並べるのか。桜花賞が俄然、楽しみになってきた。

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