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ダンツキッスイの勝利は「クマさんの冬眠明け」を暗示している!?
文/編集部

エアグルーヴの仔にして、2戦2勝ポルトフィーノが1.7倍の断然1番人気、重賞で連対実績のあるドリームガードナーアポロドルチェ2番人気3番人気で続く。ところが、終わってみれば5番人気ダンツキッスイ1着9番人気エーシンフォワード2着10番人気ディープスカイ3着

3歳限定の重賞において、上位人気3頭がみんな馬券圏外になることはけっこう珍しいことだと思うが、レース後の感想は驚きというより、「またか」というもの。それもそのはず、共同通信杯きさらぎ賞も同じように上位人気馬3頭が4着以下となっていたのだから無理もない。

ダンツキッスイが大逃げを打ち、1000m通過は58秒4。これは先行馬が崩れ、差し馬が台頭したシンザン記念とまったく同じタイムだったが、今回、上位人気3頭はみな、大きく離れた好位につけており、実質的に2番手以下はスローペースだった。

だからこそ、ドリームガードナー(6着)、ポルトフィーノ(8着)、アポロドルチェ(9着)が掲示板外に終わったことは正直、物足りない結果と言わざるを得ない。

ポルトフィーノの敗因は、実戦で初めて控える競馬をしたことで折り合いを欠いたことが大きいだろうが、今回、ダンツキッスイがハナを主張することは武豊騎手も想定の範囲内だったはずし、先を見据えて抑える競馬をすることはこちらも予想がついた。

ポルトフィーノがそういう状況に置かれた時に、もしピタリと折り合いがつき、差して突き抜けるようなら、桜花賞の大本命として文句のつけようはないと思っていた。今回の1戦だけで評価を急落させることはないだろうが、G1を目指すのならば、もう少し格好はつけてほしかったというのが正直な感想ではある。

一方、逃げ切りで重賞初制覇を飾ったダンツキッスイ藤田騎手に乗り替わってから2戦2勝となったが、阪神芝1600mでは新馬戦で勝利しており、その時も逃げ切りで1分34秒8アーリントンCの勝ち時計は1分34秒6なので、鮮烈だったレースぶりとは裏腹に、パフォーマンスを一気に上げたということはないだろう。

今回、ダンツキッスイ1000m通過58秒4で飛ばしたため、終い3Fは11.7-11.3-13.2と最後の1Fでガクッと落ちていた。藤田騎手は馬の気持ちに任せて走ったのだろうが、このラップを見る限り、やはり本質的には短距離に適性が高い馬なのかもしれない。

ただし、このダンツキッスイの勝利が、「クマさんの冬眠明け」を暗示しているように思う。アーリントンCシンボリクリスエス産駒の重賞初勝利となったわけだが、年が明けてから日を追うごとに、シンボリクリスエス産駒が活気付いてきていることをご存知だろうか。

500万クラス以上の成績を07年、08年と別けてみると、07年は[0.4.2.13]、08年は[7.6.1.20]。2歳時は2勝馬が1頭もいなかったのに、3歳になってから2勝以上した馬が5頭と一気に増加したのだ(サクセスブロッケンダンツキッスイは3勝馬)。

2日(日)の中山9R・水仙賞(500万、芝2200m)は1着オリエンタルヨーク、2着ネオスピリッツワンツーを果たし、4着にもニシノエモーションが入った。阪神9R・すみれS(OP特別、芝2200m)でも、未勝利を勝ったばかりのモンテクリスエス2着に好走していた。

ロベルト系暖かくなる3歳春頃に、急激に上昇を始めるタイプが少なくなく、父のシンボリクリスエスも、新馬勝ち後は500万で差して2、3着を繰り返していたが、3歳4月山吹賞(500万、中山芝2200m)の勝利をきっかけに、青葉賞1着ダービー2着と一気に出世していった。

シンボリクリスエスは黒光りする雄大な馬体の持ち主だったので、“クマさん”と表現したんですが、特に深い意味はありません(笑)。ただ、ここへきて産駒が目覚しい活躍を見せていることは事実であり、ダンツキッスイが勝ったアーリントンCがひとつの契機だった、とのちのち思い起こすかもしれない。

混沌とする今年の牡馬クラシック戦線。そこでシンボリクリスエス産駒が旋風を巻き起こすのか。春一番が吹き荒れ、暦が3月となり、いよいよ春の足音が聞こえ始めてきた。コートを脱ぐ日が来るのが待ち遠しいけど、春が待ち遠しいのは人間だけではないようだ。

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