「ローカル巧者」の面目躍如、恐るべし中舘騎手
文/編集部

出馬表には昨年このレースを制した
ローゼンクロイツ、一昨年の暮れに
中日新聞杯を勝った
トーホウアランなど、
中京で勝ち鞍がある馬がズラリ。
中京芝2000mでの勝ち鞍がある馬が
7頭もいて、まさに
中京巧者集結!といった趣の重賞になった。
実際にこのコースで重賞を勝っている前述の2頭が上位人気を占めたのだが、ともに単勝オッズは
5.5倍。10倍を切った馬が
6頭いて、人気は大きく割れた。
レースはスタート直後、外枠から
ピカレスクコートが先頭に立ち、2番人気
トーホウアラン、3番人気
ニルヴァーナが続く。3ハロン目が
11秒5、4ハロン目は
13秒1と、向正面で一気にペースが落ち着いたが、ここでレースが動いた。1番人気
ローゼンクロイツが外から掛かり気味に上がって行ったのである。
そのまま残り500mあたりで
ローゼンクロイツが早くも先頭に立つ。さらに外から
ハイアーゲーム、
シルクネクサスが外から迫る。
直線の短い中京だけに……と思いきや、さすがにそう甘くはなかった。
それら早めに仕掛けた馬は失速し、代わって先頭に立ったのが、2番枠から先団を前に見る位置の最内でジッとしていた、6番人気
タスカータソルテだった。
残り500mといえば、早めに追い出す馬ならそろそろ仕掛けるところ。直線の長い
東京なら
直線に入ってからこのポイントを迎えるが、
中京芝の残り500mといえばまだ
3、4コーナーの中間地点。
勢いがついた馬はコーナーで外に膨れるというのは、誰でも知っている物理の法則である。
勢いがついた馬が外に膨れると、内が空く。これも当たり前。このレースもそうで、早めに仕掛けた馬を横目に見ながら、勢いがついて外に膨れた馬が空けたスペースを突いたのが、
タスカータソルテだった。
そのまま一気に2馬身ほど抜けてセーフティーリードをとり、外から迫ったともに
53キロの軽ハンデ馬である2着
センカク、3着
ワイルドファイアーをハナ、ハナ差抑えてゴールに飛び込んだ。
まさに
「小回りはこう乗れ」という教科書的レース。レース後、
中舘騎手は
「前は空いてくれると思っていた」と言ったが、これはおそらくこんな展開を予想していたからこそ出たコメントだろう。
恐るべし、中舘騎手である。
「ローカル巧者」の面目躍如であった。
人気どころの
ローゼンクロイツは
7着、
トーホウアランは
9着、
ニルヴァーナは
11着。いずれも前に行って失速している。このあたりも、各馬が軒並み早仕掛けになった理由だと思われる。
レース後、そういえば
タスカータソルテの中京経験は……と調べてみると、
2戦目の初勝利が
中京2000m、しかも鞍上は
中舘騎手で
レコード勝ちしていたのである。
中京での重賞勝ちはなくとも、結果的には最大の中京巧者が勝利を収めた……ということか。