皐月賞の勝ち馬は、トライアル3レースに出走した中に潜んでいる!?
文/編集部
前走の
共同通信杯で勝利した
ショウナンアルバが
1番人気に推されたが、その
共同通信杯で案外だったものの、その素質は高く評価され
「アンカツイチ押し」とも言われる
サダムイダテンが差のない
2番人気。皐月賞出走のためには賞金面で心もとない
サダムイダテンにとって、正念場を迎えていた。
レースはスタート直後から
ショウナンアルバが頭を上げて引っ掛かり気味。1コーナーは
6番人気の
スマイルジャックが先頭で回るが、それでも我慢できない感じで
ショウナンアルバは向こう正面で先頭に立つ。それでも戦前の予想通り何が何でもハナに、という馬がいなかったために1000m通過は60秒8のスロー。
レース後
「今日は前に行った馬が残っていたので」と
スマイルジャック鞍上の
小牧騎手がコメントしたが、ひとつ前のレースでも逃げ馬が勝っていたように、この日の中山は前が比較的残りやすい馬場。加えてこのスローで、この時点で後方に位置していた2番人気の
サダムイダテンはノーチャンスになってしまった。
4コーナーを回って早めに先頭に立った
スマイルジャックに対して、それまでのロスが大きかった
ショウナンアルバはさしたる抵抗もできず、そのまま
スマイルジャックが押し切った。
2着は中団から距離ロスのない内を回って差を詰めた11番人気
フローテーション。
これほど引っかかっても残ったのは地力の証明か、
ショウナンアルバが
3着。前走で
レッドシューターなどを破って
500万下を勝っていた
アサクサダンディは
4着。惜しくも権利獲りはならなかった。
サダムイダテンは3コーナーでついて行けず、直線では内に潜り込んだが伸びずに
12着。3番人気
ドリームシグナルはうまく流れに乗って先行したが、直線に向いて案外伸びず
6着に敗れた。
勝った
スマイルジャックは
シンザン記念2着の
ドリームガードナーを破って新馬勝ちしたあと、
芙蓉S2着、
いちょうS2着、
東スポ杯2歳S3着、
若竹賞は
ショウナンアルバの
3着、
きさらぎ賞は
レインボーペガサスの
2着。
勝ち味に遅い嫌いはあるが、すでに昨秋から
オープンで実績を残していた馬だった。2着の
フローテーションも近走が案外で人気を落としていたが、
萩S勝ちの実績があった。
これでトライアルがすべて終了したわけだが、権利を獲った8頭は
ショウナンアルバを除けばすべて2歳時にオープン以上のレースに出走していた馬。
オープンに初出走したのは3歳になってから、といういわゆる
『新勢力』は
ショウナンアルバのみ、となった。
ひとつ気になるデータがある。近10年の
皐月賞で3着以内に入った馬は、30頭中26頭が
何らかのトライアルに出走していた。例外は
ジャングルポケット、
フサイチホウオー父子(ともに
共同通信杯から直行)、
テイエムオペラオー(
毎日杯から)、
ダンツフレーム(
ア-リントンCから)のみで、いずれも
重賞を勝って参戦していた。
となると……
皐月賞の勝ち馬は、トライアル3レースに出走した
40頭の中から生まれる可能性が極めて高いということだ。
アーリントンC勝ちの
ダンツキッスイは
NHKマイルC路線と言われているので、
「トライアルに出走しなかった重賞勝ち馬」の条件を満たす可能性がある(トライアル出走馬が勝つ可能性もあるのだが)のは、来週行われる
毎日杯の勝ち馬のみになった。
この
『混戦』を打破してくれるかもしれないその馬に期待したい自分も、どこかにいる(笑)。