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予想していて楽しいのは、ワクワク感に満ちた「面白いレース」
文/編集部

00年、01年のこのレースで「ダート1800の鬼」スマートボーイが連覇を飾るなど、京都ダート1800mはとにかくこのコースに対する適性が重視されるイメージが強い。G1馬ゴールドアリュール2戦2勝だったし、タイムパラドックスはそれまでに4勝していた。

また、昨年のこのレースの勝ち馬ワイルドワンダーはこのコースでの連対経験がない馬だったが、2着キクノアロー、3着メイショウトウコンはともに連対率100%だった。

そこで今年。「このコースで3勝以上、もしくは連対率100%」という条件に当てはまる馬は出走16頭中6頭。3戦3勝のフィフティーワナーを筆頭に、連勝中のナナヨーヒマワリ、昨年2着のキクノアローなどが該当。メイショウトウコンロングプライドの人気2頭が消えてしまった。

レースはスタートから1番人気フィフティーワナーがハナを切る展開。しかし、2番手につけたマルブツリードが外から被せるように追走して楽に逃げさせない。

少し離れた3番手に前走ベテルギウスS(阪神ダート2000m)で自らのタイムを2秒9縮めるレコードで制していたワンダースピード、2番人気のロングプライド、3番人気のメイショウトウコンは最後方から追走する。

そのままの隊列で直線に入り、残り200mで前2頭を交わして先頭に立ったワンダースピードが、後方から脚を伸ばした2着ドラゴンファイヤー、3着サンライズバッカスを抑えて初重賞制覇を飾った。

終始2番手のマルブツリードに絡まれた上に、残り4ハロンから徐々にラップが速くなる展開で早めにつつかれたことも影響したのか、逃げたフィフティーワナーは最後に失速して4着ロングプライドメイショウトウコンは伸びあぐねて7着14着に沈んだ。

ここで先述した「コース適性」の話に立ち戻ってみると、勝ったワンダースピードはこのコース[3.0.0.2]、2着ドラゴンファイヤー[0.0.0.1]、3着サンライズバッカス[0.1.0.0]で(目立たなかったが)連対率100%。上にあげた条件の6頭中2頭が馬券に絡んだのは、なかなかのものではないでしょうか(笑)。

羽月師開業3年目にして初の重賞制覇レジネッタ桜花賞が記憶に新しい小牧騎手は、今年に入って重賞3勝目ダート重賞は意外にも中央移籍直後の04年プロキオンS(ニホンピロサート)以来の2勝目となる。

ところで、「G1馬○頭出走」などお決まりの文句で煽っても、実はその中で有力と目される馬は数少ない……というレースは多い。しかし、このレースは有力馬から伏兵まで魅力的な馬が目白押し。唯一のG1馬で実績最右翼のサンライズバッカス川崎記念取消後で順調さを欠いている懸念があった。

当てるのも難しいのだが、予想していて楽しいのはこのような何が勝つか分からない、ワクワク感に満ちた「面白いレース」であるのは間違いないだろう。

注目を集めたフローラSの裏で開催されるダートG3にも、こんなレースがあるのだ。そんなレースを数多く提供してこそ売り上げアップに繋がるはず。少なくとも自分は、他場のメインに比べて馬券を多めに買っていたのだから(笑)。

また、「どう考えても買えない大穴」ではレース後に白けてしまう。どの馬が勝ってもそれなりに納得できる結果が期待できる、というのも「面白いレース」となるための重要な要素だ。

実際に7番人気ワンダースピードは先述したように前走レコード勝ちドラゴンファイヤーサンライズバッカスは言わずと知れたダートの実績馬買えなかった自分を恥じるのみである(笑)。

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