ラジオNIKKEI賞を体操で表現すればスーパーE難度
文/編集部
『メインレースの考え方』では、
「開催後半になり、直線で外を通った差し馬の台頭が目立ち始めた福島だが、時計が出やすい馬場状態と言え、過去の成績ほど、父サンデー系を嫌うことはないのかも」と触れたが、1番人気で3着となった
ダイバーシティ以外の1、2、4、5着は
父サンデー系が占めた。
父サンデー系は
7頭が出走していて、
「2、3頭くらいは掲示板に載ってくる」ような予感はかすかにしていた。ところが、まさか
4頭とは。しかも、
14番人気という超人気薄だった
ハンターキリシマまでが
5着に入るのだから恐れ入る。
予感が過ぎったのは、同じ
芝1800mだった
福島8Rで、
父サンデー系である
ニホンピロニール産駒の
スーパープライドが、
1分46秒6という好時計で勝っていたから。
スーパープライドは前走(東京芝1800m)で
ダイバーシティから
0秒2差の2着だった。
その比較からいえば、
「ラジオNIKKEI賞は1分46秒台の決着になる」→
「高速決着に強い父サンデー系が台頭する」という思考の流れ。終わってみれば、
ラジオNIKKEI賞は
スーパープライドの勝ち時計より0秒2遅いタイムだったが、
1分46秒8で決着した。
今週の福島では、
ラジオNIKKEI賞を含め、
芝1800mと
芝2000mがそれぞれ4レースずつ行われたが、8レースすべてで
父サンデー系が馬券に絡み、7レースで連対を果たしていた。メインレースの直前に雨が降り出していたが、馬場渋化までには至らず、
「父サンデー系天国」の馬場が保たれたわけだ。
その
福島8Rの
スーパープライドの手綱を取っていたのも、
レオマイスターを重賞初制覇に導いた
内田博幸騎手だった。2頭の道中のポジション取りに多少の違いはあったにせよ、
向正面から3コーナーにかけて外からジワジワと動き、4コーナーで前を射程圏内に入れる、というレースぶりはそっくり。
馬場状態や
コース取りを把握し、仕掛けのタイミングを探る。
スーパープライドで
ラジオNIKKEI賞の予行演習をしたつもりはないだろうけど、実際に騎乗して得られたものはあったはず。ただ、両方のレースできっちり勝利しているのは、すごいなあと思いますけどね(笑)。
内田博幸騎手は先週の
宝塚記念を
エイシンデピュティで逃げ切り、阪神12Rの
垂水Sでも、
準OPでなかなか勝ち切れていなかった
ホッコーパドゥシャを逃がして3馬身半差の圧勝に導いていた。穏やかな物腰の裏に、
したたかな勝負師という顔が見え隠れする。
一方、
レオマイスターと同タイムで走った2着の
ノットアローン、3着の
ダイバーシティも見せ場を作ったし、能力はきちんと発揮していたように思う。
57kgのトップハンデを背負っていた
ノットアローンは直線で早々と先頭に立ち、ゴール寸前で
レオマイスターに交わされたものの、ゴール前まで渋太く粘っていた。折り合いの難しい馬だけに、気分良く馬を走らせた、初騎乗の
蛯名騎手の手腕が光る。
ダイバーシティ&
横山典弘騎手は
大外枠だっただけに、外、外を回らされる展開を嫌ったのか、1~2コーナーでスッと内に入れた。直線では馬場の荒れた内を通りながら上位2頭に肉薄。キャリア3戦目を考えればよく走っているだろう。
スマートギアはスタートで大きく出遅れたのが痛かったが、
4角15番手という位置取りから、
メンバー中最速の上がり(34秒1)を使い、直線大外一気で上位3頭に迫った。前半1000m通過が
59秒9で、思ったほどペースが上がらなかったのは残念だろうが、4着でも中身は濃い。
逆に、
7、15着に終わった
タケショウオージ(4番人気)、
モンテクリスエス(3番人気)は見せ場を作れず。前者は
1分46秒台の高速決着、後者は
連戦の目に見えない疲労、
小回りコースの最内枠で流れに乗れず、というのが敗因だろうか。
というように、
ラジオNIKKEI賞は
馬場状態、
枠順、
コース取り…さまざまな要素が複雑に絡み合い、そこに
春の実績馬と
条件戦からの上昇馬などが混在し、そして2年前から
ハンデという要素まで加わったのだから、
ラジオNIKKEI賞を体操で表現すれば、
スーパーE難度の重賞でしょう(笑)。
だから、馬券を外したからって、くじけることはない。
57kgの斤量を嫌って、
ノットアローンを買ってない人はきっといっぱいいるはずだもの。ちなみに、
ノットアローンの馬名の意味は
「一人じゃないよ」らしいです(笑)。