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あの末脚はブエナビスタ級と評するだけの価値がある
文/編集部

今年に行われた2歳重賞の勝ち馬を見ると、函館2歳Sステラリード(父スペシャルウィーク)、札幌2歳Sサンディエゴシチー(父マンハッタンカフェ)、小倉2歳Sジュエルオブナイル(父デュランダル)、新潟2歳Sシンメイフジ(父フジキセキ)、デイリー杯2歳Sリディル(父アグネスタキオン)。

芝のOP特別を見ても、クローバー賞サンディエゴシチー(父マンハッタンカフェ)、ひまわり賞パリスドール(父サイレントハンター)、野路菊Sリルダヴァル(父アグネスタキオン)、芙蓉Sニシノメイゲツ(父デュランダル)、いちょうSトーセンファントム(父ネオユニヴァース)。どこもかしも父サンデー系という状況である。

そんな中、ファンタジーS父サンデー系が7頭出走し、スペシャルウィーク産駒ラナンキュラスステラリードグレナディーンが1~3番人気に推された。96年の第1回から、父サンデー系(サンデー直仔を除く)で勝利したのは01年のキタサンヒボタン(父フジキセキ)だけだったが、そんな向かい風を跳ね返してしまいそうな面々が顔を揃えた。

レースは、内からユメノキラメキがハナに立ち、上位人気のラナンキュラスグレナディーンは好位へ。ステラリードは中団あたりで折り合いに専念。中団から後方にかけて馬群は密集しているが、ポツンと最後方からタガノエリザベートが続く。

直線は逃げ込みを図るユメノキラメキグレナディーンが接近、ラナンキュラスが内で伸び切れずにいる中、外からベストクルーズが勢い良く進出する。ベストクルーズが先行勢を交わして一旦は先頭に踊り出るが、大外から急追してきた8番人気のタガノエリザベートが一気に差し切ってゴール。

4頭出走していたスペシャルウィーク産駒の中で、1頭だけ人気面で蚊帳の外という状態だったタガノエリザベートが、目の覚めるような末脚を繰り出し、直線だけで15頭をゴボウ抜きにした。これで父サンデー系は今年の2歳重賞で6連勝。この勢いはまだまだ止まりそうにない感じだ。

タガノエリザベートのように、ファンタジーSで大外一気を決めた馬と言えば、03年のスイープトウショウがパッと思い浮かぶが、それに匹敵するくらいのインパクトだった。前走のデイリー杯2歳Sでは6着に負けはしたものの、計時した上がり3Fの33秒8は1着リディル、3着ダノンパッションと並んでメンバー中1位だった。

タガノエリザベートに騎乗した川田騎手はレース後のコメントで、「『折り合いに気をつけて』と(松田博資)先生から言われていたので、気分良く行くことだけを考えていました」と話していたが、折り合いさえつけば、これだけ斬れる脚が使えるということか。

今回は上位人気馬が前、前の競馬で火花を散らしていたことも、結果的にはタガノエリザベートに味方した部分もあっただろう。それでも、今回計時した上がり3F33秒5は、過去13年の中でも06年4着のハギノルチェーレと並んでトップタイ。勝ち馬の中で比較すれば、06年1着のアストンマーチャン(33秒6)を抜いて1位である。

さらに、レース条件こそ違えど、同じスペシャルウィーク産駒の牝馬、そして同じ松田博資厩舎ブエナビスタが、新馬戦(京都芝外1800m、3着)で計時した上がり3Fが33秒5だった。ブエナビスタは1600mから2400mまで同じように極上の決め手を発揮しているのに対し、折り合いがカギとなりそうなタガノエリザベートは、もしかしたら距離面で注文がつくかもしれない。

だが、「マイル以下ならブエナビスタ級の末脚が使える」というのは分かった。同じ京都芝の外回り1400mで行われるスワンSにおいても、直線だけで他馬をゴボウ抜きにするシーンなんて滅多にあるものではない。それくらい、今回のタガノエリザベートが見せた芸当は見事であり、そう評価するだけの価値があると思う。

ちなみに、私事で恐縮だが、ファンタジーSの馬券はラナンキュラスを軸にし、ステラリードグレナディーンタガノエリザベートを相手軸にしたフォーメーションで3連複を買った。要するに、「スペシャルウィーク産駒4頭で馬券を当てまっしょい」作戦だったわけである。

2着のベストクルーズはちゃんと拾っていたから、3着がグレナディーンではなく、ラナンキュラスだったら……。もちろん馬券が外れたのは自分の責任ですが、自分の博才にも、タガノエリザベートのようなキレ味が欲しいなと思ったわけです(笑)。

それにしても、1着タガノ“エリザベート”松田博資厩舎スペシャルウィーク牝馬……来週のエリザベス女王杯あの馬が来ると暗示している!? そういうことばっかり考えているから、ダメなの!?

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