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馬券とそれとはたぶんつながっていないのだろうけど、つなげたい
文/編集部

馬券を購入したレースを見終えた後、「簡単なレースだなあ」と思うことがしばしばある。ただ自分の場合、簡単に的中させて鼻高々……というケースではほとんどなく、競馬紙誌から様々な情報・データを集め、1周半の捻りも加えてようやく絞り出した大穴狙いの買い目が、まったくかすりもせず、皮肉混じりにそう自嘲するケースばかりだ。

今回の愛知杯もそう。勝ったのは08年のエリザベス女王杯を制したG1馬リトルアマポーラ。②着は今年09年のヴィクトリアマイルでウオッカの②着したブラボーデイジー。このレースにはトールポピーをあわせてG1馬が2頭、G1連対経験馬は計5頭が出走していたが、その5頭ボックスで馬連を買っていれば配当は7430円。終わってみれば……という結果である。

重賞勝ち馬ということでは9頭が出走。フルゲート18頭中、半数を占める好メンバーが揃ったが、1番人気に推されたのは重賞未勝利のメイショウベルーガだった。2番人気に前々走の府中牝馬S勝ち馬で、08年秋華賞②着のムードインディゴを挟んで、3番人気もまた重賞未勝利のヒカルアマランサス。ハンデ差もあり、過去の実績よりも、明確に近走の勢いが評価された上位人気となった。

レースはそろったスタートから、内枠を利してまずスルスルとハナを奪ったのは7番人気ブラボーデイジー。その後ろに4番人気評価のリトルアマポーラがつけ、3番手に16番人気、07年秋華賞②着のレインダンスが続くという、G1実績馬たちがレースを引っ張る展開。全体として主に11秒台のラップで推移した中、4、5ハロン目で13秒3、12秒6と息が入る、先行馬有利の流れに持ち込まれた。

4コーナーを回っても、残り200mを過ぎても、先頭で渋太く粘り続けるブラボーデイジーリトルアマポーラがようやく捉えたのは、残り100mあたり。この2頭を内からヒカルアマランサス、外からメイショウベルーガがともにメンバー中最速の上がり34秒3で猛然と詰め寄ったものの、結果は③着、④着。エリザベス女王杯のように、後ろを大きく引き離した前の2頭が実は平均ペースを握り、3番手から後ろはスローでよーいドン、という展開でこそなかったが、いずれにせよ結果を残したのは1、2番手を進んだ馬たちだった。

出走18頭中、前残りのエリザベス女王杯に出走し、苦い思いを味わったのは実に8頭。その女王杯、慌てての末脚比べで⑦着、⑯着と後塵を拝したリトルアマポーラブラボーデイジーが、今度は自ら前で残っての①着、②着。ともに騎手は乗り替わりだったが、オーナーや厩舎関係者、そして馬自身は、この結果である程度、前走の溜飲は下がったかもしれない。

リトルアマポーラの鞍上、中舘騎手はこの勝利により、09年の重賞初制覇及び5年連続6回目となるJRA年間100勝を達成した。騎手も競馬ファン同様、レース前に情報・データを集め、そして思い描いた策がハマったり、捻りすぎて自滅したりすることはあるのだろう。一方、時にはやはり競馬ファン同様、難しいことを考えずに騎乗し、あっさり結果を出すこともあるのだと思う。

逃げ・先行が代名詞の中舘騎手ゆえ、今回の重賞勝ちは見方によっては、展開を利してあっさり取ったようにも見えるのかもしれない。しかしそれは誤りだ。中舘騎手にとって、この勝利は09年の重賞初勝利でもあった。100勝という常人には計り知れない数字の裏側にある、苦難の道程と試行錯誤が見て取れる1勝ではないか。

突然ながら、雑誌編集者としての話をさせていただくと、企画段階で凝りすぎると、逆に誌面上で読み手にわかりにくいページになってしまうことがある。むしろ深く考えず、素材をそのままページに載っけただけのほうが、結果としていいページになることも多い。しかし自分の場合、集められるだけの材料をいったんすべて体に入れ、こねて、捻って、それでいてあっさりした印象を与えるページに出力するのが、面白いページを作るのにいちばんの方法だと思っている。

はじめに述べたように、自分の場合馬券の買い方も、それとまったく同じ。だから馬券で大敗が続くと、金銭面以外での不安感にも苛まれることになる。馬券でも編集方針の正しさを証明したい。実際、その双方は同じ正解でつながってはいないのだろうけど、それでも競馬雑誌の編集者としてはそうしたいのである。