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今年は『キングマンボ』旋風が吹き荒れる気がしてならない!?
文/編集部

1番人気はエイシンフラッシュ(萩S③着)、2番人気はレッドスパークル(東京スポーツ杯2歳S③着)、3番人気はアドマイヤテンクウ(ラジオNIKKEI杯2歳S⑤着)。カッコ内で記したように、OPクラスの芝で掲示板に載ったことのある3頭が上位人気を形成する格好となった。

レッドスパークルは父ニューイングランドでサンデー系に属するが、エイシンフラッシュは父キングズベスト、アドマイヤテンクウは父キングカメハメハ。2頭はミスプロ系に属していて、キングマンボを経由するという点でも同じ。

京成杯が中山芝2000mで行われるようになったのは99年以降。02年は東京芝2000mで行われたが、中山芝2000mで行われた過去10年を振り返ると、3番人気以内に父ミスプロ系が2頭入ったのは04年以来。その時はフォーカルポイント(父エンドスウィープ)が2番人気①着、キングカメハメハ(父キングマンボ)が1番人気③着だった。

今年はエイシンフラッシュが1番人気①着、アドマイヤテンクウが3番人気②着。04年は1000m通過が58秒0とハイペースになり、レース上がりが37秒1とかかっていたのに対し、今年は1000m通過が63秒2のスローペースで、レース上がりが35秒2だったが、結果としては04年と同じく、上位人気に推された父ミスプロ系が馬券圏内に揃って入った。

これまではスタートに難も見られたアドマイヤテンクウだったが、今日は発馬を五分に出たどころか、スッとハナに立つ。2番手にログがつけ、エイシンフラッシュは前2頭を見る位置でレースを進める。レッドスパークルは伸び上がってゲートを出て、後方からのレースとなる。

スタートから3F目と5F目で13秒台が計時されたように、ペースはかなり落ち着いたが、前走のエリカ賞で折り合いに進境を見せたエイシンフラッシュはまったく動じず。直線では逃げ込みを図るアドマイヤテンクウエイシンフラッシュが激しい叩き合いを演じたが、エイシンフラッシュのハナがわずかに出たところがゴールだった。

アドマイヤテンクウはハナ差に泣き、04年にこのレースで③着に敗れた父キングカメハメハの雪辱を果たすことは叶わなかったが、スタートに進歩を見せた。また、前有利の流れに持ち込んだ展開利があったとはいえ、③着レッドスパークル以下に2馬身半差をつけていたから、まったく悲観する内容ではないだろう。

勝ったエイシンフラッシュは仕上がり途上だった様子の初戦こそ⑥着だったが、これで芝2000mでは3戦3勝。しかも、その3戦すべてでメンバー中最速の上がりをマークしている。速い流れだった萩Sでも掛かり気味になりながら③着だったから、ペースに融通性があるのも強調材料と言える。

現3歳世代のキングカメハメハ産駒は、ローズキングダムが東京スポーツ杯2歳Sと朝日杯FSを制し、アパパネが阪神JFを制した。昨年暮れの阪神芝2000mの新馬戦では、父キングカメハメハ、母エアグルーヴという超良血のルーラーシップが圧勝を飾っていて、クラシック候補の呼び声も高い。

さらに言えば、昨年のシンザン記念を勝ち、ダービーでも③着に好走したアントニオバローズ、昨年の朝日杯FSで③着だったダイワバーバリアン、今年の京都金杯を勝ったライブコンサート。この3頭は、母父がキングマンボという点で共通している。

昨年あたりから、キングマンボの血を持つ馬の活躍が目立ち始めていると感じていたが、前記したように、エイシンフラッシュアドマイヤテンクウも、祖父はキングマンボ。3歳のクラシック戦線をはじめ、今年は『キングマンボ』旋風が吹き荒れるような気がしてならない。そのことを強く印象付けた京成杯でもあった。

ちなみに99年以降の京成杯において、馬券圏内に入った父ミスプロ系は前記したフォーカルポイントとキングカメハメハの他に、00年②着のイーグルカフェ(父ガルチ)がいる。そのうち、キングカメハメハ(04年NHKマイルC①着、04年ダービー①着)、イーグルカフェ(00年NHKマイル①着、02年JCD①着)はその後にG1を勝っている。

その傾向に従って言っても、エイシンフラッシュアドマイヤテンクウの今後は、かなり期待できるのではないだろうか。『キングマンボ』旋風の推移を見守りつつ、エイシンフラッシュアドマイヤテンクウがどんな走りを見せてくれるのか、非常に楽しみになってきた。