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関東の最強タッグが育てたこの馬がマイル戦線を牽引する!?
文/編集部

以前、とある関係者が横山典弘騎手のことを「彼こそが“ジョッキー”だ」というようなことを言っていた。レースにおいてその時々の馬の状態や状況によって、最善策をとることができ、最高の結果を出すことができる騎手であるという意味だ。

その言葉には関係者でなくとも、大いにうなずけるのではないだろうか。とくに昨秋の天皇賞での騎乗や、ここ3週連続の重賞制覇など、近頃は神懸かっていると言ってもいいほど。昨年のリーディングは同じ関東に所属する内田博幸騎手が獲ったが、関東の第一人者といえば、やはりこの騎手だろう。

一方、昨年2年ぶりのリーディングトレーナーとなった藤沢和雄調教師。長らく続く西高東低と言われる状況も、この関東が誇るトップトレーナーには無関係にも思える。しかし、藤沢和雄師は以前に西高東低の状況についてコメントを求められた際に、「われわれ関東の上位にいる厩舎、騎手たちが不甲斐ないせいもある」というようなことを言っていた。これは関東の第一人者としての自覚からくる言葉だろう。

この関東の第一人者同士のタッグは、馬券を買う側にも大いに気になる。昨年のこのタッグでの出走は49戦あり、連対率30.6%、複勝率40.8%。1番人気に限ると14戦で連対率57.1%、複勝率64.3%。7番人気以下での馬券圏内がないので穴候補にはなりにくいが、馬券の軸としては頼りになる存在だ。とくに芝レースでは、1番人気で複勝率72.7%、2番人気でも57.1%と、信頼度はさらに上がる。

そして、東京新聞杯に出走した藤沢和雄厩舎レッドスパーダは、このレースを含めて9戦中7戦で横山典弘騎手が手綱をとっている馬。いわば関東の最強タッグが育てた馬と言っていい。

レッドスパーダは、昨春のNHKマイルC②着後、秋は10月24日にこのレースと同じコースで行なわれた富士Sで復帰。この時は横山典弘騎手が騎乗し、1番人気で⑮着に敗れており、関東の最強タッグが大きく人気を裏切る数少ない事例のひとつとなってしまっていた。

とは言うものの、休み明け、初の古馬対戦という状況でもあったし、外差しの決まりやすい馬場で、この馬のような内枠の先行馬にとってはつらい展開でもあった。それでいて着差は0秒6差しかなかったのだから、それほど悪い内容でもない。

また、富士Sのレース後、横山典弘騎手が「使いながら良くなるタイプ」と言っていたように、当時はあまり体調が安定していなかったよう。その後は、12月上旬の鳴尾記念で⑤着(0秒4差)、1月下旬のニューイヤーSで①着(クビ差)と、体調を見つつ1ヶ月以上の間隔を開けながら、大事に使われてきた。

そして、体質がしっかりしたいまを見計らって、今回は中1週での出走。このあたりのレースの使われ方を見ると、今回はまさに狙いすました重賞制覇と言え、さすがリーディングトレーナーという気もする。

もちろん、それに応えた馬も立派。富士Sで増えたプラス22kgの成長分を、今回はさらに2kg上回る馬体重(534kg)でも持て余すことなく、完璧な走りをみせた。2ハロン目からすべて11秒台という流れを2番手から余裕を持って抜け出して、最後まで足取りが衰えることなく、上がり33秒5でまとめた。これでは後続勢に成す術はない。

勝ちタイム(1分32秒1)もコースレコードにコンマ1秒差という立派なもの。今回は富士Sの時とは逆に、この馬向きの前が止まらない開幕週の高速馬場ということを差し引いても強い内容だった。

レース後、横山典弘騎手は「父のタイキシャトルに似て、スタートが抜群に早い」と言っていたように、元来、先行してうまく流れに乗ることができるレース巧者タイプ。体質がしっかりしてきたいまなら、今後は大きく崩れることもなさそう。完全本格化と言っていい。

また、今年のマイル戦線はウオッカ、カンパニーが抜け、混戦模様が予想されるが、関東の最強タッグが育てたこの馬が引っ張っていく可能性も高いのではないだろうか。