【ヴィクトリアマイル】
2024年5月12日(日) 東京芝1600m
出走表
馬番 | 印 | 馬名 | 性齢 | 騎手 | 斤量 | 厩舎 |
1 | ライラック | 牝5 | 戸崎 | 56 | 美・相沢 | |
2 | △ | フィアスプライド | 牝6 | ルメール | 56 | 美・国枝 |
3 | △ | スタニングローズ | 牝5 | 西村淳 | 56 | 栗・高野 |
4 | コンクシェル | 牝4 | 岩田望 | 56 | 栗・清水久 | |
5 | △ | ウンブライル | 牝4 | 川田 | 56 | 美・木村 |
6 | ▲ | マスクトディーヴァ | 牝4 | モレイラ | 56 | 栗・辻野 |
7 | ハーパー | 牝4 | 池添 | 56 | 栗・友道 | |
8 | サウンドビバーチェ | 牝5 | 松山 | 56 | 栗・高柳大 | |
9 | テンハッピーローズ | 牝6 | 津村 | 56 | 栗・高柳大 | |
10 | ◎ | ナミュール | 牝5 | 武豊 | 56 | 栗・高野 |
11 | ルージュリナージュ | 牝5 | 横山和 | 56 | 美・宗像 | |
12 | キタウイング | 牝4 | 杉原 | 56 | 美・小島 | |
13 | ○ | モリアーナ | 牝4 | 横山典 | 56 | 美・武藤 |
14 | フィールシンパシー | 牝5 | 横山琉 | 56 | 美・小島 | |
15 | ドゥアイズ | 牝4 | 鮫島駿 | 56 | 栗・庄野 |
コテツの見解
近年のヴィクトリアマイルは
牡牝混合戦でも戦える実力が必要
過去の傾向を予想のファクターにするとき、どの期間を取り上げるかは重要です。たとえば、過去10年全体を見るとか、過去5年で見るとか。10年ほど前の傾向が、近年では通用しなくなるということはよくあります。
過去10年のヴィクトリアマイルを振り返ると、近5年とそれ以前では大きく違っている部分があります。今回は最初に、その変化について説明したいと思います。14~18年と19~23年で、前走のレース別成績を見てみましょう。
■14~18年のヴィクトリアマイル
前走レース名 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
阪神牝馬S | [4.2.2.27] | 11.4% | 17.1% | 22.9% |
高松宮記念 | [1.0.1.9] | 9.1% | 9.1% | 18.2% |
福島牝馬S | [0.1.1.12] | 0.0% | 7.1% | 14.3% |
大阪杯 | [0.1.1.1] | 0.0% | 33.3% | 66.7% |
京都牝馬S | [0.1.0.3] | 0.0% | 25.0% | 25.0% |
その他 | [0.0.0.22] | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
■19~23年のヴィクトリアマイル
前走レース名 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
中山牝馬S | [1.1.0.5] | 14.3% | 28.6% | 28.6% |
大阪杯 | [1.0.1.2] | 25.0% | 25.0% | 50.0% |
1351TS | [1.0.0.1] | 50.0% | 50.0% | 50.0% |
有馬記念 | [1.0.0.0] | 100.0% | 100.0% | 100.0% |
フェブラリーS | [1.0.0.0] | 100.0% | 100.0% | 100.0% |
阪神牝馬S | [0.1.2.30] | 0.0% | 3.0% | 9.1% |
ダービー卿CT | [0.1.0.3] | 0.0% | 25.0% | 25.0% |
東京新聞杯 | [0.1.0.1] | 0.0% | 50.0% | 50.0% |
マイルCS | [0.1.0.0] | 0.0% | 100.0% | 100.0% |
高松宮記念 | [0.0.2.7] | 0.0% | 0.0% | 22.2% |
その他 | [0.0.0.22] | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
※1351TSは1351ターフスプリント(G3)
変化が顕著なのが阪神牝馬S組で、14~18年は[4.2.2.27]だったのが、19~23年は[0.1.2.30]。20~23年の勝ち馬は前走が牡牝混合重賞からの臨戦で、ヴィクトリアマイルの前に牡牝混合のG1かG2を制していました。また、19年の勝ち馬ノームコアは前走が中山牝馬Sでしたが、後に香港カップを制しています。
つまり、近年はレースレベルが上がり、牡牝混合戦で戦える実力がないと好走が難しいレースになった、と考えられます。
今回のメンバー中、牡牝混合のG1かG2で勝ち鞍があるのはナミュールただ1頭。勝ち鞍はないものの、牡牝混合の芝G1で連対歴があるのはウンブライルとなります。
また、近5年では前走が牝馬限定戦で馬券圏内に入った馬が5頭いますが、いずれも前走が⑤着以内か1番人気でした。この条件に該当する馬は侮れないでしょう。
昨年の富士Sを精査すると
ナミュールは戴冠に最も近い
ナミュールは昨年のマイルCS勝ち馬で、今年のメンバー中では唯一の牡牝混合G1勝ち馬となります。ここからはその実績を信頼していいのか、考えていきます。
まず、近5年のヴィクトリアマイルの最速ラップ、最遅ラップとその差、平均ラップを見てみましょう。
■過去5年のヴィクトリアマイル
年 | 勝ち馬 | 最遅 ラップ | 最速 ラップ | 最遅-最速 | 平均 ラップ |
19 | ノームコア | 12秒3 | 10秒6 | 1秒7 | 11秒31 |
20 | アーモンドアイ | 12秒0 | 10秒9 | 1秒1 | 11秒32 |
21 | グランアレグリア | 11秒9 | 10秒8 | 1秒1 | 11秒38 |
22 | ソダシ | 12秒5 | 10秒8 | 1秒7 | 11秒53 |
23 | ソングライン | 12秒3 | 11秒0 | 1秒3 | 11秒53 |
最速ラップは10秒6~11秒0で、今年も馬場悪化がなければ、このあたりになりそうです。最速ラップと最遅ラップの差が小さいのは1秒1の20年と21年で、それだけ淀みのない厳しいラップを刻んでいたことが分かります。
20年の勝ち馬はアーモンドアイ、21年はグランアレグリア。次いで1秒3だった昨年のソングライン。一方、平均ラップが比較的速かった(勝ち時計が速かった)のは11秒31~11秒38だった19~21年。19~21年と23年の勝ち馬はいずれも牡牝混合G1を勝っている点で共通します。
では、ナミュールはどうか。それを判断するポイントは、昨年の富士S(①着)にあると見ます。富士Sのラップを見てみましょう。
■昨年の富士S
年 | 勝ち馬 | 最遅 ラップ | 最速 ラップ | 最遅-最速 | 平均 ラップ |
23 | ナミュール | 12秒0 | 10秒8 | 1秒2 | 11秒43 |
最速と最遅の差は、20~21年のヴィクトリアマイルには及ばないものの、昨年よりも少ない1秒2。12頭立てながら、平均ラップも11秒43とかなり速くなっていて、勝ち時計は1分31秒4(良)でした。昨年のヴィクトリアマイルは不利もあって⑦着でしたが、力を出せれば戴冠に近いのはこの馬ではないでしょうか。
ここまでの考察を踏まえ、今年のヴィクトリアマイルの注目馬は以下の馬とします。
■今年のヴィクトリアマイル注目馬
馬名 | 前走 |
ナミュール | ドバイターフ②着 |
ウンブライル | 阪神牝馬S4番人気②着 |
スタニングローズ | 大阪杯6番人気⑧着 |
フィアスプライド | 中山牝馬S1番人気⑨着 |
マスクトディーヴァ | 阪神牝馬S1番人気①着 |
モリアーナ | 阪神牝馬S3番人気③着 |
軸馬①
◎⑩ナミュール
見解で述べたように、戴冠に最も近いのは本馬でしょう。昨年の富士S以降安定感が増しましたが、馬体重が増えて450kg台で安定していることもその要因と見ています。JRAより発表された調教後の馬体重が458kgですから、大幅減がなければ450kg台で出走できそうです。最終追い切りを見ても、海外帰りの不安はありません。本馬はクラブ所属の5歳牝馬ですから、今年は勝負の年でしょう。勝負度合いで4歳勢に劣ることはないはずです。
軸馬②
○⑬モリアーナ
早くから今春の目標をヴィクトリアマイルに置いていたようで、今年はここが3戦目となります。個人的には最終追い切りが一番良く見えました。父がエピファネイアで、牝系にハイクレアを持つ血統背景は、ステレンボッシュと同じ。G1でも戦える力はあるはずです。
相手
▲⑥マスクトディーヴァ
前走の阪神牝馬Sに続いて、モレイラ騎手の継続騎乗は良いでしょう。不安点は出遅れもあり、このコースの東京新聞杯で⑥着に敗れていること。09年以降のヴィクトリアマイルは前走①着馬が勝てていないこともあり、評価は▲とします。
△②フィアスプライド
△③スタニングローズ
△⑤ウンブライル
買い目
馬連ボックス
⑥⑩⑬ 1000円×3点 3000円
3連単フォーメーション
⑥⑩→⑬→⑥⑩ 1500円×2点 3000円
⑩→⑬→②③⑤⑥ 1000円×4点 4000円
⑥⑩⑬ 1000円×3点 3000円
3連単フォーメーション
⑥⑩→⑬→⑥⑩ 1500円×2点 3000円
⑩→⑬→②③⑤⑥ 1000円×4点 4000円
計10000円
ご注意
レースに関する情報は、主催者発表のものをご確認ください。また、勝馬投票券の購入はお客様のご判断の元で行ってください。
記事の配信(発売)後は、出走取消・除外・騎手変更などがあっても、原稿の差し替え等は基本的に行っておりません。あらかじめご了承ください。
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コテツ プロフィール
2016年10月号よりサラブレ本誌に「サラリーマン馬券師」として寄稿。本誌では1ヶ月から1ヶ月半前の予想ながら、鋭い見解で実績を積み上げた。『サラブレモバイル』ではメンバー構成、馬場状態などを踏まえ、さらに精度を上げた直前予想をお届けします!