伊藤工真騎手に騎手を目指したきっかけを聞きました
2010.10.14
この時期ですから、続々と2歳馬が入厩してきています。そうすると、ゲート練習が増えることになるのですが、僕自身も相当な頭数を担当しています。1年間で20頭近くを担当することになります。
この時期の若馬たちのゲート練習というのは、馬たちのその後のゲートに対する基礎になると言っても過言ではないので、そういった責任感を持ちながら、やらせていただいています。
ほとんどの馬たちは牧場で練習をしてきているのですが、環境の変化、あるいはトレセン独特の雰囲気に過敏に反応する馬たちもいます。
特に、ゲートに近寄らないケースと、中に入ると暴れたり、立ち上がったりするケースは大変。中で問題を抱えるとなると、人馬ともにケガの確率が高くなりますので、そうならないように細心の注意を払いながら対応しているつもりです。
いまのところ、どの馬たちも滞りなく、順調に進んでいますので、このまますべての馬たちがゲート試験を合格できるように、全力で取り組んでいきたいと思っています。
それでは銀シャリこと、伊藤工真騎手との対談3回目をどうぞ。
西塚信人調教助手(以下、西)銀シャリ(伊藤工真騎手)は、普段は誰と仲が良いの?
伊藤工真騎手(以下、伊)丸田先輩、津村先輩、松岡先輩、的場先輩、(田中)博康先輩、あと田辺さんですね。
[西]出ました、木幡さんを頂点とした福島県人会ですね。あっ、松岡と言えば、以前、ライヴに来ていただきまして、ありがとうございました。
[伊]こちらこそ、2次会にも参加させていただいて、ありがとうございました。
[西]そうですよね。書けませんが、まあ、ひでぇもんですよ。
[伊]途中からまったく記憶にないんですよ(笑)。
[西]まあ、そのことは触れずにおこう(笑)。お酒は、調整ルームとかでも飲むの?
[伊]いや、飲まないです。競馬が終わった後とか、平日とかに飲みますね。
[西]体重は大丈夫なの?
[伊]はい。
[西]48kgもいける?
[伊]はい。軽いタイプの鞍を使えば、いけます。
[西]凄い。それはアピールしておかないとダメだよ。48~49kgが乗れるというのは決まってくるからね。(中谷)雄太、石神、あと銀シャリでしょう。
[伊]武士沢さんもいけますよね。
[西]いや、この前に飲んだ時に話をしたら、前は何も気にせずに乗れたけど、最近はそうでもないみたいだよ。それこそ、県人会の先輩である田辺さんは52kgとかがギリギリでしょう。
[伊]確かに、「今週、52だよぉ」とか言ってます。
[西]その口調、とても似ているよ(笑)。「信ちゃん、平場の52kgは勘弁してよぉ」とか言っている。銀シャリがやる田辺のモノマネも似ているけど、田辺がやる銀シャリのマネも似ているよ。
[伊]やりますよね(笑)。田辺さんの方が訛っていますよ。
[西]「田辺さんの方が訛ってますよぉ」って、言ってるよ(笑)。
[伊]僕がそう言うと、「いやいや、お前の方が訛っているよぉ」って言うんですよ(笑)。
[西]二本松(田辺騎手の出身地)と郡山(伊藤工騎手の出身地)だから、それほど離れてはいないよね?
[伊]福島と郡山の間が二本松ですから、それほど遠くはありません。
[西]騎手になる前に、田辺先輩がいるとか、知っていたの?
[伊]いえ、知らないです。騎手になる前は、誰がいるとか、まったく何も知りませんでした。
[西]競馬マニアとかじゃなかったんだ?
[伊]競馬についてはまったく知りませんでした。中学2年の終わりくらいに、そういう職業があることを知って、やってみたいと思ったのです。
[西]武豊騎手を見て憧れた、とかではなかったんだ?
[伊]そうですね。
[西]騎手や馬の名前も知らなかったわけだ。
[伊]そうです。
[西]じゃあ、田辺の名前も知らないわけだよね。
[伊]はい。武豊さんも知りませんでした。
[西]えっ、マジで!? 競馬は知らなくても、武豊騎手は知っているでしょう。
[伊]いえ、競馬を知るまでは…。
[西]じゃあ、競馬を知った後に凄い騎手がいる、という感じだったわけだ。
[伊]そうです。競馬を知って、観るようになって、いちばん上手な人なんだと分かりました。
[西]へぇ、そうなんだ。それから、競馬雑誌を読んだりして、夢中になっていくような感じだったの?
[伊]競馬というよりも、馬に乗って競走している姿に魅力を感じたんですよ。だから、特別に何か1頭の馬を好きになったりとか、そういうことはなかったのです。
[西]乗るのが好きなんだ?
[伊]馬に乗って、競り合うのが格好良く思えましたし、好きなのです。
[西]こういう言い方をしたら失礼かもしれないけど、銀シャリに対して、競り合うのが好きというイメージはまったくないんだよね。勝負事が好きなんだね。賭けごととかするの?
[伊]いえ、賭けごとはしません。ただ、小さい頃から、競争したり、スポーツをやったりした時に、負けるのが大嫌いでした。
[西]ああ、それは分かるような気がする。負けず嫌いな感じはする。あと、若いのに、勝負師感があるんだよ。本人は分からないかもしれないけどね。攻め馬も黙々と乗っている印象があるのですよ。
[伊]そうですかね。あまりそういう意識はないんですけど。
[西]実際に騎手になって、楽しい?
[伊]楽しいですが、大変なこともありますよね。
[西]どんなところが大変だと思う?
[伊]そうですね……当たり前ですが、まず、レースについて、いろいろ考えなければなりません。乗った馬によっても考えなければなりませんし、その日の馬のコンディションや気持ちによっても違ってきますので、本当に細かい部分まで考えることが求められます。でも、そこが楽しさでもあるんですけど。
[西]確かに、競馬に乗ると疲れると思う。外から観ている以上に、細かい部分まで気を遣って、考えて乗らなければならないはずだからね。でも、最近は、本当にたくさん乗っているよね。
[伊]みなさんに声をかけていただいているお陰で、たくさんの馬に乗せていただいています。
[西]減量界の頂点に君臨しているわけですよ。
[伊]いえ、そんなことはありません。まだまだです。
[西]減量がなくなるのは、来年の3月だっけ?
[伊]そうです。
[西]そこからが本当の勝負だ。
[伊]はい。何とかそれまでに少しでも上手くなっていなければなりませんので、もっと頑張らなければなりません。
[西]でも、名前が浸透しているのはいいことだよ。
[伊]まだまだです。でも、声をかけていただけるということは、本当にありがたいことです。だからこそ、少しでも良い結果を出せるように頑張らなければと思うのです。
今週はここまでとさせていただきます。
31日(日)のライヴに向けて、ノビーズが順調な仕上がりを見せています。上の方(松岡騎手)が書き下ろした新曲も演奏される予定です。
ブッチャけますと、チケットの売れ行きがあまり芳しくないということですので(苦笑)、みなさん、ぜひ足を運んでいただきたく、お願いをしたいと思います。
プレゼント大会をはじめ、できる限りのサービスをさせていただく予定もありますので、みなさん、お誘い合わせの上、ぜひご来場ください。秋の天皇賞を見て、そのままライヴで盛り上がりましょう。
ということで、最後はいつもの通り、『あなたのワンクリックがこのコーナーの存続を決めるのです。どうかよろしくお願いいたします』。