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エフテーストライクには、本当にありがとうございましたと言いたいです
2010.11.18

先々週、京都で行われた京洛ステークスにエフテーストライクが出走したのですが、11着に敗れてしまい、抹消ということになってしまいました。

その最大の理由は、出走できないということなのです。ブッチャけさせていただきますと、現在のJRAにおいて、特に準オープンと言われる1600万円下では頭数が多く、除外などがあってなかなか思うように出走できないのが実情なのですよ。

そこで、大井をはじめとする南関東にも預託されている馬主さんだと、そちらで走らせるということになりやすいのです。

賞金をはじめ手当などもJRAには及ばないものの、地方競馬の中ではもっとも恵まれていて、何よりも競馬に出走できますから。聞くところによると、JRAとは比べものにならないくらいらしいです。

これは、JRAにとって大きな問題であるはず。準オープンというのは、オープン馬の予備軍で、そこから未来のオープン馬、さらにはG1馬が誕生する可能性があると言えますからね。でも、思うように使えないという状況で、南関東に流出しやすくなってしまっているわけです。

馬主さんから「南関東に連れていく」と言われた時、もう少しチャンスをくださいとは言えません。「この状況では出走できないでしょう」と言われてしまえば、何も言えなくなってしまいますから。

自分の馬が走るところを見たいという思いを口にされる馬主さんは少なくありません。そのような方々にとって現状のシステムは、競馬の魅力そのものを削いでしまっているようです。このままなら、JRA、そして競馬そのものの地盤沈下につながっていってしまうと思います。

エフテーストライクに話を戻しますと、僕にとっては、思い入れがとても深いというレベルではないくらいの存在です。

僕自身、基本的には口取りやゴール前の写真などは飾ったりしないですし、カレンダーもないのですが、エフテーストライクが勝浦特別を勝った時の写真だけは飾ってあります。

あとは、ウチの親父が亡くなった週の競馬で、しかも田辺で勝ったレース(伊吹山特別)も、僕のなかでは忘れられません。

よく馬に教わったとか、馬に助けてもらったという表現がされますが、エフテーストライクには、本当にありがとうございましたという言葉しか思い浮かばないです。とにかくお金がなく、一番苦しい時期に支えてもらいましたから。

尾関厩舎になってからも、走ってくれましたし、本当にありがとうございましたと言いたい。

この馬を初めて見たのは、デビュー前だったのですが、華奢に映るタイプだったのです。

ブッチャけさせていただきますと、決して良い馬には見えませんでした。それでも、親父は何頭かいた深野茂雄オーナーの馬の中で、「走るのはこの馬だ」と言ったのです。やはり、しっかりとして、力強くみえる馬が魅力的に感じると思います。僕もそうですから。

いまにして思えば、手先の軽さや体のしなやかさなどが、この馬の長所なのですよね。馬を見る時には、体がしっかりしているだけじゃないんだと教えられたことでも、出会えたことに感謝します。

深野オーナーが体調が悪い時に勝浦特別を勝ち、そして親父が死んだ時と、人知を超えた経験をさせてもらった存在なのです。だからこそ、このような形で別れるのは辛いです。

もう少し走れるはずだと思うだけに……。勝ち上がっていけばいくほど、出走しにくくなるという状況は、やはりおかしいと思うのですよね…。

あっ、いきなり前置きが長くなってしまいました。どうも、すみません。それでは今回は、佐久間さんとの対談の2回目になります。どうぞ。

西塚信人調教助手(以下、西)ウチの厩舎で使っている製品の中には、カルノシンをはじめ、いろいろな成分が入っていますよね。

佐久間洋也氏(以下、佐)カルノシン以外にも、コエンザイムQ10なども入っているタイプになります。

[西]コエンザイムQ10というのは、テレビでもよく耳にしますよね。

[佐]心臓の強化につながると言われている成分ですが、どこのメーカーさんもいまは様々な成分を入れて、それぞれに特徴を出した商品を発売しています。

[西]古いタイプの中には、「食べるから」といまだに人気のあるモノもありますよね。

[佐]やはり、いちばん重要なのは、食べてくれるということでしょう。食べないことには始まりません。厩舎さんを回らさせていただいて、「何かお手伝いできることはありませんか?」というお話をすると、必ずと言っていいほど「食わないんだよ」という話が出ます。

[西]そうだと思います。

[佐]厩務員さんたちは『せめて、口を付けてくれれば良いのに』という悩みを口にされます。食べないことには調教にしても加減しながら攻めることになるようで、みなさん苦慮されていらっしゃいますね。そこがいちばんの悩みと言ってもいいでしょう。


[西]そうなんですよ、まったく口を付けない馬というのがいるのです。

[佐]尾関先生のところでは、西塚さんが献立から考えてやってきていて、牡馬と牝馬でもメニューが違ってることもありますよね。

[西]そうですね。それぞれの馬によって好き嫌いはあります。これは僕の個人的な意見なのですが、本来はトレセンと育成牧場、もっと言えば幼駒の時から同じ種類の飼い葉を食べるのが良いと思うのですよね。もしそうなら、慣れという部分もありますし、栄養管理という面からも、効果が大きいのではないかと考えるのです。

[佐]最近は、厩舎サイドから育成牧場に対して、同じ種類の飼い葉を食べさせてほしいとリクエストするスタイルも増えてきていますよね。

[西]あと、厩舎スペシャルというか、それぞれがオーダーメイドの配合飼料というのが存在しますよね。


[佐]あります。ウチの場合ですと、調教師の先生からオーダーをいただいて、コンセプトに合わせて、我々がメーカーと一緒にオリジナルの商品を製造しています。

[西]そのようなケースは多いのですか。

[佐]増えています。

[西]厩舎オリジナルの配合飼料で、共通して求められている部分みたいなものはあるのですか?

[佐]共通していることは、具体的にはありません。あくまでそれぞれの厩舎が、調教のメニューなどに合わせて、ということです。ただ、これは私の経験上ではなく、研究者が考察した結果だということなのですが、どうやら馬はあまり濃いものを好まないようです。

[西]人間で言えば、コッテリということになりますよね。

[佐]コッテリよりもアッサリとしたものを好むようです。そして、極端に甘いと食べ付きが悪いと言います。

[西]人間で言えば、甘さ控えめタイプが良いということですね(笑)。

[佐]甘さ控えめで、酸味があったり、塩味が効いている方が食い付きが良いということのようです。いまは、そういう分野の研究も進んでいまして、実際に現場でもそういう手応えを感じています。

[西]人間の世界でも気をつけなければならない高タンパク・高カロリーを、馬は好まないということなのですね。

[佐]配合飼料ということで言うなら、ビタミンもミネラルもいっぱい入れることによってたくさん摂取することができると思ってしまうかもしれませんが、苦みなどが理由で、まず嗜好性が極端に落ちます。

[西]嗜好性に関しては、そういう感覚はありますね。

[佐]ビタミンやミネラルということで言えば、基準量を満たす程度で、薄めであった方が嗜好性が高いように感じさせられます。

[西]薄めでも、しっかりと量を食べてくれればいいですからね。

[佐]そうなんです。薄めでも、しっかりと食べさせるのです。みなさん、食べてナンボとおっしゃいますが、量が大事ということなのです。スタッフの方々と話をさせていただきますと、競馬で引っ掛かろうが、8升食べさせているのだからと思うと、最終的に持ってしまったりすることがあるらしいのですよね。感覚的な表現で分かりにくいかもしれませんね。

[西]いえ、大丈夫です。そういう感覚はあるかもしれません。食べる・食べないということに関して言えば、やはり、牧場の頃から継続して与えられているものをトレセンに来ても与えられるか、それとも異なるものを出されるかでは、違うと思うんですよね。場所が変わっても同じものが出てくれば、食べやすいはずですし、それだけでも負担が減るんじゃないかと思うのです。

[佐]やはり、継続していれば、それは食べやすいでしょうね。

[西]乱暴な言い方をしますが、各メーカーとも人間と同じくらい栄養について熟考、研究されているはずですので、セールスポイントは違っても、極端に栄養価が足りないということはないでしょう。そこで差が出るとしたら、やはり食べるか・食べないかということになりますよね。

[佐]もっと深く掘り下げるなら、生まれた時から配合飼料というものを口にしていれば、より慣れるはずです。含まれるミネラルやビタミンという部分は配合飼料の大事な栄養素となっているのですが、人工的に作られたモノであることが多かったりするのです。新商品が出ると、我々もペレット状のモノをかじったりして味見をするのですが、難しいです。馬は人とは違った味覚や嗅覚を持っていますので、苦みや刺激を感じたりしてしまい、食べられないということが徐々に分かってきました。

[西]飼い葉を食べられない馬には、草と燕麦だけにするという方法が有効とされていますが、実際、もっとも有効な手段であったりするのです。

[佐]特に草は食べるでしょうね。

[西]生まれて間もない時から食べているわけですからね。ですから、何を与えるかということよりも、どのように管理していくかという方が重要だと、僕は個人的に思っています。飼い葉の話になると、何を食べさせているのかという話になりますが、どのように管理して、慣れさせるかということに話がならないように思えるのです。

[佐]ひとつの考え方としては、決して間違っていないと思います。実際、お客様のなかには、同じような考えを持っていて、目指していらっしゃる方々もいます。ただ、生産牧場をはじめとした方々の理解を得なければならないでしょうし、越えなければならないハードルはありますよね。

[西]もちろんそうでしょう。ただ、最優先課題は、いかに食べやすくすることができるかという部分だと思うのです。実際、A社の製品とB社の製品で、食いが変わったりしますからね。それは成分ではなく、素材でもなく、いかに慣れ親しんだものに近いかという部分だと思うのです。嗜好の違いはありますよね。

[佐]それはありますね。

[西]牝馬には、いわゆるペレットタイプはあまり向かないとよく言われるのですが、馬によってはよく食べる牝馬がいるのですよ。おそらく牧場で、そういうタイプのモノを食べてきていたのでしょうね。

[佐]そう考えられますよね。私も最初は、人間の感覚で、いろいろなものを食べたいのだろうなと思ったりもしたのですが、どうやらそうではない部分があるようです。

今週はここまでとさせていただきます。

さて、またかと言われてしまうかもしれませんが、22日のライヴのチケットに動きがありません。このままでは、我々が意図しない、ブッチャけて言えば、売れないために解散するバンドと同じように消えていく運命をたどることになってしまうかもしれないです(苦笑)。

このままなら当日券も出ますので、どうか読者のみなさん、足を運んでください。よろしくお願いいたします。

この前、大物ゲストがリハーサルを行なったのですが、もうノリノリで、盛り上がること間違いなしですよ。

またプレゼントについては、上の方(松岡騎手)次第なので、金曜日の日記更新を楽しみにしておいてください。

選挙ではありませんが、最後の、最後のお願いです。どうかライヴに来てください。よろしくお願いいたします。

ということで、最後はいつも通り『あなたのワンクリックがこのコーナーの存続を決めるのです。どうかよろしくお願いいたします』。

最後のもう一度、本当にライヴ、よろしくお願いいたします。