人を許すことの大切さも、大事だと思うのです
2011.3.3
先週の土曜日、小倉の最終レース(甘木特別)で、ノビーズの仲間である黛騎手が、油断騎乗のため30日に渡る騎乗停止処分(開催日9日間)を受けることとなりました。
今回、未熟な調教助手ということを自負しつつ、話をさせていただきたいと思っています。
今回の件に関して、みなさんがそれぞれの立場でそれぞれの意見があると思いますし、それはそれで良いと思うのです。
馬券を購入している人たちからすれば、最後まで追ってほしいと思うのでしょうし、罵声を浴びせたい方々がいることも、ネットを見れば理解できます。また、メディアの多くが厳しい論調であることを考えると、やはりその影響の大きさもよく分かります。
逆に、現場では、馬の癖があったことは知られているところで、厳しい意見の中にも、『かわいそうだ』という声があるのも、また事実です。
ひとつ、僕の気持ちを言わせていただくと、『1回の失敗を絶対に許さない』という風潮は、決して良いことではないと思うのです。
今回、黛騎手に対して、処分が出たわけで、それについては黛騎手自身が受け止めなければならないことなのですが、メジロ牧場さんのブログでは、『これを教訓として頑張ってほしい』と書いてありました。
今回の件に限らず、最近は一度のミスに対して激しいバッシングが行われることが多いと感じているのですが、僕自身、それは決して良いことではないと思うのです。失敗をした人間に対して悪いレッテルを貼り、ダメと追い込むことが良いとは思えないのです。
こういう言い方をすると、競馬の世界は甘いと言われるかもしれませんが、完璧な人間はいないはずです。僕自身がもちろんそうですし、読者のみなさんも、自分はこれまでに失敗したことがないという方はいらっしゃらないでしょう。
今回の黛騎手の失敗とされる行動の影響が小さくないことは十分承知しているつもりです。でも、失敗した人間に対して許すことも必要だと思うのです。
僕自身で言えば、あり得ない失敗を少なからずしてきています。黛騎手は馬に乗って競うプロで、僕は調教助手という違いはありますが、馬主さんからお預かりしている馬たちに対して、大きな影響を及ぼす失敗もしてしまってきています。でも、そこで多くの方々に許してもらってきているから、やってくることができていると思っています。
今回の件について、厳しい言葉で批判したい方々がいることも分かりますし、その心情も察しているつもりです。お金もかかっていることですし、彼はプロである以上、批判は受け入れなければならないはずです。
でも、人を許すことの大切さも、大事だと思うのです。
ミスはミスとして重く受け止め、反省して改め、でも、ここから頑張っていってもらいたいと僕自身は思っています。これからも黛騎手を応援していきたいと思っています。
毎度のことながら長くなってしまいまして、どうもすみません。来週からは、昨年いっぱいでステッキを置いた小林久晃調教助手との対談をお送りいたします。どうぞお楽しみに。
それでは最後はいつもの通り、『あなたのワンクリックがこのコーナーの存続を決めるのです。どうか、よろしくお願いいたします』。