独自視点で穴馬推奨!競馬予想支援情報【サラブレモバイル】

サラブレモバイル

メニュー

ログイン


西田さんに「ファンサービス」について話していただきました
2011.6.9

読者の方からメールもいただきましたが、田辺が通算200勝を達成しました。こうしてみると100勝からがとても早かったように感じます。

今年はすでに38勝を挙げていて、関東リーディング2位という活躍です。1位の中舘さんに肉薄している状況は、とても素晴らしいですよね。

ただ、朝の調教で話をしたり、一緒にいたりしても、まったく変わった感覚はありません。今回の好調ぶりに、何かが変わったのではないか?と思っていらっしゃる方もいるのかもしれませんが、決してそうではないように思います。

もっと言えば、いままでとまったく同じ感覚でしょうし、同じような気持ちで競馬に向かっているはずですよ。

ブッチゃけさせていただきますと、能力的に厳しいと思わせられる馬たちに騎乗することがほとんどという状況の中で、まあよくもと思うほど、5着、7着、8着と、お金になる着順に導いてきていましたからね。

僕自身、田辺と仕事をしてそのような状況を目の当たりにしてきましたし、痛いほど肌で感じてきていますので、能力がある馬に乗ることが可能になったら、勝ち星は急激に増えていくだろうという思いがありました。

ですから、今回の活躍もまったく驚くことではありませんし、むしろ納得できるのですよ。

200勝達成後、朝、馬場で会ったので、『200勝おめでとう』と声をかけて、『次の目標は?』と聞いたら、『3400勝です』と言ってました(笑)。

インタビューで『次の目標は?』と聞かれて、『201勝です』と答えて、みんなに爆笑されたらしいんですよ。僕も“生201勝”を聞きたかったのですが、3400勝になっちゃいました。

冗談はさておき、田辺にはこのまま良い流れで頑張ってもらいたいです。

さて、今週は西田さんとの対談の3回目となります。それではどうぞ。

西塚信人調教助手(以下、信)今回の大震災で競馬が中止された時は、馬インフルエンザで中止になったケースとは、意味合いも重みもまったく違うと思いました。馬インフルエンザの時はある程度でも見通しというものが想像できたのですが、今回は予想がまったく付きませんでしたから。

西田雄一郎騎手(以下、雄)そうですよね。

[信]先が見えないから何のために働いているのか、分からなくなることもありました。この追い切りはいつのどのレースを目指してのものなのか、ということがはっきり見えないわけで、何とも言えない虚しさも感じていました。それは、馬にも決して良いことではないはずですよ。

[雄]そういう感覚になるのは分かる。目標に対して、馬を仕上げていくわけだからね。

[信]3場開催が2場になったので、馬たちのローテーションも余計にメチャクチャになっていきましたからね。

[雄]小倉も凄いことになっていましたよ。投票所のコンピューターを見た時に、除外馬の数の多さに目を奪われましたし、多くの関係者たちが「こんなの初めてだ」と目を丸くしていました。

[信]夏の札幌で、最終週に古馬500万円下の芝1200mが権利持ちだけで一杯になってしまうことはありましたけど、それが全レースでしたから。あれには驚きました。話は変わりますが、震災後、騎手の方々は、いろいろな試みをされていますよね。

[雄]オークションをやらせていただいたりしています。ただ、いろいろと考えているのですが、あるところでスムーズに運営されなかったことがあったのですよね。

[信]そうなんですか。

[雄]日程が正確に伝わっていなかったことと、個々の事情もありますので、強制できないことも承知しています。僕はファンサービス委員で、参加するのは当たり前という立場ですし、喜んで参加させていただいているんですが、ただ、正直に言えば寂しかった。2ヵ月程度時間が過ぎただけで、競馬をやらせていただいているという意識がなくなってしまったことが、悲しかったですよ。もちろん、馬主さんに食事を誘われていたりしたら、参加できなかったかもしれませんし、状況次第で違ったのかもしれません。でも、悲しかった。都合を付けて残ってくれた人たちもたくさんいたんですよ。

[信]難しい部分もあるのでしょうが、競馬だけでなく、多くの人たちのなかで、時間とともに薄らいでいっている感覚というのはあるのかもしれませんね。

[雄]みんなでバスに乗って被災地に行ってもいいんじゃないかと思ったりもしました。でも、それぞれに都合がありますので、仕方がないんですが、「今回は聞いていないから」というのでは残念です。

[信]個人的には今回の対談で、話をお聞きしたいと思っていたことがひとつあったんですよ。それがいま話に出たファンサービスなんです。西田さんは、ちょうど委員もされているわけですけど、どうあるべきだと思っていますか?

[雄]ファンの方々のなかでも、純粋に馬券が好きな方、馬あるいは血統という部分に魅力を感じている方、そして我々騎手に対して応援してくださる方など、様々な面に魅力を感じて参加してくださっていると思っています。そのような状況のなかで、他のスポーツと違うのは馬券を購入できるという部分、お金を賭けるところだと思っています。それは、我々騎手とファンの方々との関係においても、ひとつの壁になってしまっているはずです。好きな騎手がいても、お金が絡むと、自分がその騎手が騎乗して勝った、あるいは馬券に絡んで、その馬券を買っていたら「ありがとう」となります。しかし、逆なら、たとえどんなに好きな騎手であっても「バカ野郎」ということになってしまいかねないですから。

[信]それはあるでしょうね。

[雄]そのような状況の中で、他のスポーツと同じようにファンとの集いをレース後にできるかと言えば、なかなか難しいのが現実ですよ。でも、ファンの方々との交流は持ち続けたいし、そうでなければなりません。騎手の中にはイケメンもいますし、アイドル性を持っている人間もいます。もし競馬を商品としてとらえるなら、そういう部分も魅力のひとつとして売り出さなければならないと思うんですよね。


[信]それは大切なことだと思いますよ。

[雄]でも、騎手は芸能人じゃないんだから、そういう振る舞いをするべきじゃないという人もいるんですよ。

[信]失礼ですが、もうそんなことを言っている時代じゃないと思いますが…。

[雄]たくさんの娯楽があるなかで、競馬という商品を買っていただくには、より多くの魅力を感じていただけるように、そこに騎手というブランドがあっても良いはずだと思うのですよ。

[信]そうだと思います。

[雄]もっとメディアに露出されるようにしたり、ファンとの間で交流の機会をもっともっと持つようにしなければなりませんよね。だからこそ、垣根を超えるどころか、できる限り無くすようにしていくべきだと思っています。

[信]そういう意味では、正直なところ、垣根はまだまだ高いのかもしれません。

[雄]これまでにそういう機会がなかったので、馴染めないという人もいるんですよ。でも、何とかみんなで協力し合いながら、やっていきたいと思いますし、そうしていかなければいけません。だからこそ、いまファンが、騎手に、そして競馬に何を求めているのかという声を聞いて、実行していかなければならないんですよ。ハッキリ言わせていただければ、いまは黙って馬券が売れていた時代ではない、ということですよね。

[信]地方競馬でも、騎手の人たちがファンの方々とできる限り近づこうと頑張っている姿を見かけます。

[雄]それが必要なんですよ。JRAのトップジョッキーのなかにも、ファンサービスという意識を持っている人たちもいます。でも、全体的に、もっといろいろなことができるんじゃないかと思うのですよ。

[信]このあいだ、競馬場で騎手の人たちが募金活動をされていましたが、それに参加していたファンの方々の数には驚かされました。騎手の人たちに近くで接してみたいという思いの方も少なくなかったはずですし、とても盛り上がっていました。騎手の方々にしかできないサービスというのもあると思います。


[雄]絶対にそうですよ。そういう意味では、委員をやらせていただいていますが、まだまだできることがたくさんあると言っています。

[信]僕なんかが言うのはおこがましいですけれど、開催日にもっとできることもあるのかもしれないですよね。

[雄]そう思います。ただ、そのことについては、先ほど言ったように、お金が絡むので、騎手に対して恨みを持つ人がいないとは言い切れませんので、そういうことも考えなければならないでしょう。そのなかで、ファンのニーズにできる限り応えて、様々な場を提供していかなければダメだと思うので。

[信]ノビーズのライヴに参加してくださっている方々と話をしたりすると、騎手の方々と話をしたり、握手したりということでも、みなさんすごく喜んでくださるんですよね。それを見ると、いかにファンとの距離があるかということを痛感します。

[雄]いま競馬に呼び込まなければならないのは、そういうお客さんだと、個人的には思っています。だから、若い騎手たちには、「有名じゃないから、僕ひとりが参加しても、お客さんたちは喜ばないと思うので、参加しません」とだけは絶対に思ってほしくない。それは、とても残念に思うんです。

[信]そうですよね。本人が思っている以上に、ファンの人たちは見ていてくれてるんですよ。

[雄]本当は、握手するだけでなくて、トークをしたりすることで、その騎手の性格や人間性が伝えられるような機会も設けるべきだと思うんですよ。何勝しているとか、大きいレースを勝っているとか、そういうことだけではなくて、騎手の個性が伝えられることは素晴らしいと思うし、必要ですよね。どこかに魅力を感じてファンになってくれるかもしれないわけですから。

[信]十分あり得ますよね。そうして競馬場にきて、馬券を購入して、応援してくれるようになってくれれば最高です。

[雄]そういう人たちが増えていってくれるようにすることも、大切なファンサービスですよ。

[信]小さい動きが、大きなうねりを生み出すというのは歴史が示している通りですから。

[雄]東西でこれだけたくさんの騎手がいるわけですから、隠れた魅力を感じさせる存在がいても不思議じゃないですよ。

[信]聞いた話によると、いま女子ゴルフが盛り上がっていますが、以前に樋口久子プロをはじめとする人たちが、獲得した賞金の一部で、全国の子供たちを対象にゴルフスクールを展開していったらしく、その最初が宮里藍選手たちの世代らしいんですよ。つまり、そういう先々を見越したファン開拓がいかに必要かということでしょう。

[雄]時間はかかりますけど、そういうことも大切ですよね。

今週はここまでとさせていただきます。

今週で競馬の上半期が終わり、折り返すことになります。半年を振り返ると、いやぁ、なかなか思うように勝てず、競馬の難しさを痛感させられることが多かった。後半は何とか頑張って、もっと良い結果を残したいです。

夏と言えば新馬戦も始まりますが、その前に今週のライヴを見に来ていただきたいです! いまの段階では、お客さんが思うように集まっていないようで、とても心配しております。

実は月曜日に、池袋のライヴハウスで松岡と2人でリハーサルを行ったのですよ。上手くいったのですが、そこで飛び入りでゲリラ的に歌ってしまいました。

リハーサルが我々2人の「ザ・ノブリアンズ」の初ライヴとなったのですが、松岡が歌う機会も今回が最後となるかもしれませんので、ぜひ、ぜひ足を運んでいただきたく、お願いを申し上げる次第でございます。

どうかよろしくお願いいたします。

ということで、最後はいつも通り『あなたのワンクリックがこのコーナーの存続を決めるのです。どうぞよろしくお願いいたします』。