様々な形でのファンサービスを考えていくべきだと思っています
2011.6.16
ライヴに来ていただいた皆さん、本当にありがとうございました。
先週にお話をさせていただいたように心配していたのですが、予想以上の方にお集まりいただきまして、僕自身も楽しい時間を過ごさせていただきました。毎度のことながら感謝しております。
松岡も珍しくエキサイトしながら、楽しそうに演奏していましたし、次の機会があるようでしたら、その時はよろしくお願いいたします。
残念ながら来られなかった方のために説明させていただきますと、「ザ・ノブリアンズ」としては、アシッドマンとアジアンカンフージェネレーションのコピーを5曲演奏させていただきました。
ブッチゃけると、リハーサルの段階ではギターを弾きながら歌うということに松岡が慣れていなかったこともあり、心配な面がありました。でも、今回のライヴで演奏をしていて、手前味噌と言われてしまいそうですが、ヘタウマというのでしょうか、決して上手ではないのですが、味があって魅力的だなぁと思ったんですよね。
妙に説得力があって、僕自身としてもやって良かったと思えました。次回の予定はまだありませんが、また機会がありましたら、よろしくお願いいたします。
さて、今週は西田さんとの対談の最終回を迎えます。それではどうぞ。
西田雄一郎騎手(以下、雄)我々は、夏の福島開催の時は、日本赤十字社が行っている募金活動に参加させてもらっています。土曜日に、早いレースで終わった騎手たちが募金箱を持って、スタンドを歩き回っていました。競馬をやっている中で、騎手がスタンドを歩くというのは、あまり見られる光景ではないですよね。
西塚信人調教助手(以下、信)そんな活動をしているのですか!?
[雄]地元の新聞などには掲載されていたようです。JRA職員の方が傍についていてくれるのですが、いまのところトラブルはありません。ファンの方々も喜んでくれますし、募金箱を置いておくだけの時とは、集金力も違うようなんですよね。そこで、「名前は知っていましたけど、西田さんはこういう人だったのですね」と言われることもあったんです。ファンサービースは、そういうことも第一歩だと思っています。
[信]JRAもそういうことに積極的に取り組んでほしいですよね。
[雄]東京や中山など、本場開催でも同じようにできるようにしたいですね。そこで何のトラブルもなく、できるようになってほしいですよ。一度でも何かトラブルが起きてしまうと、すべてがダメになってしまうこともありますから。
[信]実際、ファンと触れあう機会に出ていって、嫌な思いをしたことってありますか?
[雄]僕自身はないです。
[信]ヤジとかもされないですか?
[雄]この前、新潟競馬場で募金活動をしていた時に、酔ったオジサンに完治していない肋骨のところ小突かれて、「お前、頑張れよ」と手洗い激励を受けたくらいですかね(笑)。
[信]えっ、肋骨ですか!?
[雄]この人、なぜ骨折している肋骨をこれほどまでに正確に把握しているんだ、と思うくらい、的確にヒットされました(笑)。
[信]凄いオジサンですね(笑)。
[雄]一瞬、逃げようかとしたら、「なんで逃げるんだ」と言われてね(笑)。
[信]面白いですね。でも、そういう活動そのものは、もっとファンに伝えられるべきでしょう。この世界で働いている僕たちでさえ、福島競馬場での募金の話を知らないというのはマズイでしょうからね。そういう活動は見せ方次第で影響も変わるでしょうから、そういう部分も重要だと思います。
[雄]そうだよね。もし福島のスタンドで後藤浩輝が、あるいは三浦皇成が、募金箱を持って歩いているとしたら、来てくれるファンの確率も高くなるはずですからね。
[信]えっ!? 後藤さんとかも歩いているんですか?
[雄]やっていますよ。最終後のわずかな時間でも惜しまずに、募金箱を持ってスタンドを歩いています。
[信]そうなんですか。
[雄]そういうことを続けていけば、遅いと言われるかもしれないけど、いまの若い人たちが主役となっていく5年後、10年後には素晴らしいファンサービスが展開されているはずですよ。
[信]オグリキャップやメジロライアンといった名馬を競馬場に連れてくることも大切ですが、騎手の人たちとファンの触れあいの場を持つことも絶対に大切で、有効なファンサービスですよ。朝、レース前にパドックで騎手と写真撮影ができるというのも素敵なんじゃないですか。
[雄]それも良い案ですね。
[信]朝がいいですよ。騎手の方たちは大変かもしれませんが、そうなれば、売れないと言われる「おはようレース」にお客さんが来てくれるようになるかもしれないわけですし。
[雄]できる・できないというのは別にして、いろいろな方法や手段を考えなければならないのは間違いありません。
[信]競馬場に行きたいと思わせられるかどうかが大切だと思うんですよね。もし、武豊さんと写真が撮れるんだったら、朝起きて行きますよ。
[雄]ファンの方々が望むことについて、生の声を聞く機会も増やしながら、これからも続けていきますよ。
[信]生意気なことを言わせていただくなら、このままだと5年後、10年後の競馬に未来はないんじゃないかと感じますから。
[雄]危機感は持っています。いまの状況は、本当に怖い。大手の馬主さんたちでさえ辞めていっている現状に、新しいお金持ちの方々が競馬に参加してきてくださるかということを考えると、かなり危機を感じます。馬主さんが高い馬を買って、預託料を支払い続けることで成り立っているという事実があって、それはとてもリスクが高いわけですよね。一向に景気が回復する兆しが見えない中で、明るい材料はあまり見当たりません。現実に馬主さんが減っていっていますし、それは地盤沈下を意味することになると思います。
[信]本当にやばいと思っているんですよ…。他にもいろいろお話をしたいのですが、それはぜひ次の機会によろしくお願いいたします。
[雄]3回目に呼んでいただけるの?(笑)
[信]もちろんですよ。今日はありがとうございました。
[雄]こちらこそ、ありがとうございました。
いかがでしたでしょうか。西田さんとの今回の対談で強く感じさせられたのは、ファンサービスについて良く考えて行動していかなければダメだということですね。
もちろん、バランス感覚を失ってはいけないということが大前提となるのですが、ファンの方々が求めることを理解して、それについてできる限り応えていくべきで、そこで騎手なのにとか、調教助手なのにというような感覚ではダメだと思うのですよ。
馬を仕上げて、競馬に向かい、勝てば本気で喜び、負ければ本気で悔しいわけですが、そういう部分というのはファンの方々に確実に伝わっていくと思いますし、我々としてもぜひ伝えたいですよね。
例えば、馬がデビューすることさえ本当は難しいということ、あるいはスローペースであっても後方の馬たちが動かないのには理由があること、そして手応えがなくなった時に追うことをやめる騎手がいる。そして、そこには理由があって、しかもそれぞれ理由が違ったりすることなど、競馬のいろいろな部分を説明していくことも立派なファンサービスであり、大切な部分であると思うんですよ。
そう、このコーナーの信条であるブッツャけていくことは大切ですよね。もっと、関係者から直接、競馬のいろいろな話がされなければダメだと思うんですよ。それも大切なファンサービスのはずです。そういう思いでこれからも頑張っていきます。
ということで、最後はいつもの通り『あなたのワンクリックがこのコーナーの存続を決めるのです。どうぞよろしくお願いいたします』。