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先週土曜の中山5Rにはいろいろな思いがありました
2012.3.1

先週は、土曜日の中山5レース3歳未勝利戦をステラウインドが勝ちました。ここはチャンスだという思いがありましたが、強さを感じさせる内容で、さらに楽しみが広がったと思います。

また、このレースで手綱を取っていた蛯名さんが1万6000回騎乗を達成されました。引き上げてきた時に「1億6000万回騎乗おめでとうございます」と伝えると、「1億も乗れないから」と返していただきました(笑)。

そのレースには、2月29日で定年退職される稲葉隆一先生の管理馬マジックポストも出走していました。装鞍所でお会いして、ご挨拶をさせていただきました。一緒にレースに出走していたこともあり、良かったなあと思いましたね。

稲葉先生は父親の先輩ということもありまして、出張先をはじめ、機会がある時には、装鞍やパドックを引くなど、お手伝いをさせていただいていたのです。

父親と一緒にいた時に冗談で、「信人、稲葉先輩は馬が勝ったらお小遣いをくれるぞ」と言っていると、本当に勝って、本当にお小遣いをくれたのですよね。豪快というか、おおらかな人柄で、個人的にも数えきれないくらいの思い出があり、たくさんお世話になりました。

人間的にもとても温かい方で、チャンスの少ない騎手を乗せようと、力を尽くして奔走されていらっしゃいました。昔ながらの調教師らしい調教師という言葉がピッタリ当てはまる感じでした。本当にありがとうございました。

さて、今週は谷中さんとの対談3回目となります。それではどうぞ。

西塚信人調教助手(以下、西)馬券の売り上げが上がらない状況が続いていますが、谷中さんはそれについてどう思われていますか?

谷中公一調教助手(以下、谷)売り方に問題があるんだと思ってますよ。前から言っているけど、どうせお金を使うのなら、宣伝PRをもっと考えるべきでしょう。あ、でも、それについても、異議申し立てを受けたなぁ。

[西]えっ、そんなことまで!?

[谷]以前、眼鏡をかけた女性お笑いタレントが結婚するCMがあったよね。

[西]ありましたね。

[谷]何が驚いたかって、そのCMをダービーの週にオンエアしていたんですよ。

[西]あ、そうでしたか。

[谷]あれをダービーの週に流す感覚のズレ。

[西]競馬の頂点と言われるレースですからね。

[谷]巨額のお金を支払って、CMを依頼しているわけでしょう。でも、あのCMを見て、競馬の頂点とされるダービーの凄さを感じて、競馬場に行って馬券を買ってみようと思う人が何人いますか?ということですよ。1人でも多くの人に競馬場に足を運んでもらって、1円でも多く馬券を購入してもらえるために放映されるのがCMの役目でしょう?


[西]インパクトが主眼という印象でしたね。

[谷]あのシリーズも続けていたので、やめた方が良いと提言すると、すぐに異議申し立てがあるわけですよ。でも、結局、その後に、昔に放映された『10完歩』のCMが流れたら、ファンの人たちから反響があったわけですよ。

[西]そうですね。ただ、あの『10完歩』のCMについても、かつて放映したら反響があったわけで、それをまた流すというのは、結局、何も考えていないのかなと思いました。

[谷]そうだよね。以前に評判になったモノをただ出しただけで、何か魅力的なモノを作る意識がないんだよね。もう少し考えないといけないと思うし、頑張ってくれないと本当に終わっちゃうと思うよ。

[西]そう思います。

[谷]イベントとかもそうだし、このコーナーもそうだと思いますが、少しでもファンを獲得しようと思って活動しているわけでしょう。そういうところに人はいるわけですよ。確かにわずかな力かもしれないけど、やめたらゼロになってしまうわけで、地道だけどやっていくことで絶対に効果はあるはずですよ。競馬はそういう面で支えられている部分もあるんですから。

[西]おっしゃりたいことは分かります。


[谷]全体的な売上も大切でしょうけど、競馬に興味を持ってもらう努力を続けなければいけないと思う。

[西]この前、一緒にイベントをやらせていただいて、来ていただいた方々が楽しそうに帰られる姿を見た時、こちらが考えている以上の役目があるのかなと思ったのですよね。ファンサービス委員である西田さん(西田騎手)と対談をして、こういうことでもやっていけば効果はあるのかなと思わせられました。

[谷]それも、ファン獲得のための大切な活動だということですよ。すべての人の考えと一致させるのは難しいと思いますよ。でも、少なくともファンが求めていることをJRAが考えないとダメだと思うし、それを考え続けていれば、ここまで売上が下げ止まらない、あるいはファン離れも起きていないんじゃないかな。

[西]なるほど。

[谷]ハッキリ言えば、JRA職員たちのシステムに問題があるでしょう。3年過ぎれば転勤で、部署に関係なく配置換えになってしまうのですから。広報を担当していたかと思えば、いつの間にか業務に移動していたりするわけで、それではスペシャリストを望んでも難しいでしょう。

[西]大胆な変化も恐れず、やっていかないとダメだと思います。

[谷]そうでしょうね。馬券とファンサービスとが直結しないという意見もあるけど、でも、まずはJRAがファンが求めているモノと現状を知ろうとしないと、どうにもならないですよね。

今週はここまでとさせていただきます。

谷中さんとの対談のなかで、CMという話題が出ていましたが、現場にいると、馬券の売り上げと厩舎の経営というのがリンクしないと言いますか、イメージがしづらい部分があります。

もちろん、ファンの方々が購入する馬券が賞金の多くを支えているのですから、ファンの方々が購入したい、あるいは観に行きたいと思うレース、そして馬たちを、提供することが、売り上げに結び付いていくのだと思います。馬券が売れれば、賞金に反映され、馬主さんたちに還元されるということにもなりますからね。

つまりは、巡り巡っているということで、そのことは理解できるのですが、その一方で馬たちを所有するオーナーの方々も調教師にとっては大切なお客様であり、より身近な存在です。

もっと言えば、厩舎経営という観点では、よりたくさん、魅力溢れる馬たちを預託していただけるのかということが、大前提となってくるのです。巡っているため、死角ができるような感じになってしまい、ファンサービスということについても思いが至らなかったりするケースが出てきてしまうのでしょう。

そういう意味では、それぞれの立場を経験することも必要なのかもしれません。

個人的には、馬券が売れることと、厩舎経営という側面は、それぞれ別の問題という認識で捉えています。循環しているのでしょうが、どうしても別の要素が存在すると思うんですよね。

厩舎経営は厩舎経営として、オーナーの方々に魅力を感じてもらえるように頑張っていくべきであり、ファンの方々に対しては競馬だけでなく、競馬に魅力を感じてもらえるように努めていくべきだと思っています。

ということで、最後はいつも通り「あなたのワンクリックがこのコーナーの存続を決めるのです。どうぞよろしくお願いいたします」。