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今週から大野騎手との対談をお送りします!
2012.5.31

今週から、大野拓弥騎手を迎えての対談となります。大野とは、競馬学校で半同期という間柄で、田辺を介して一緒に飲みにいったり、遊んだりしています。

西塚厩舎時代から騎乗を依頼してきて、個人的には田辺と同じように注目をしていました。今年はここまで21勝を挙げて、リーディングでも関東11位に付けるという活躍ぶりをみせています。そのあたりについても聞いていますので、どうぞ最後までお付き合いいただければと思います。

モンストールのダービーについても話をしたいのですが、まずは対談をどうぞ。

西塚信人調教助手(以下、西)今日は大野拓弥騎手をお迎えいたしました。どうぞよろしくお願いいたします。

大野拓弥騎手(以下、大)こちらこそよろしくお願いいたします。


[西]こうして改まって話をすると、テレますね(笑)。

[大]そうですね(笑)。

[西]実は、競馬学校では同期になるんですよね。

[大]4月入学でしたか?

[西]いや、7月生だったから、大野の方が若干先輩になる。

[大]そうだったんですね。

[西]同期の騎手は、関東では(小島)太一だけ?

[大]そうですね。関西は鮫島と中村です。

[西]ひとつ下が的場勇人や(田中)博康だよね。そうすると、ひとつ上は誰?

[大]津村先輩たちですね。

[西]あっ、そうなんだ。失礼な言い方をしてしまうけど、大野と聞くと、年齢不詳というか、妙なベテランというイメージがあるんだよね。松岡と同じかそれ以上と言う人もいるよ。

[大]いえいえいえ。後輩です(笑)。

[西]実際の年齢を聞くと、「大野って、そんなに若いの?」と言われない?

[大]「意外と若いんだね」と言われたことはあります。


[西]勝浦さんと同じくらいと思っている人もいるはずですよ。

[大]それはないですよ。全然、後輩ですから(笑)。

[西]でも、ベテランに思われているかもしれないという自覚は持っていた方が良いですよ。読者の方々のなかにも、そう思っている人がいるかもしれない。

[大]はい。実は若い大野です(笑)。

[西]うははは(笑)。そういえば、昨年の暮れに中日新聞杯をコスモファントムで勝って、初重賞制覇おめでとうございました。

[大]ありがとうございます。

[西]あの時は人気薄だったけど、「勝っちゃった」という感じだったの?

[大]自信はある程度あったんですよね。

[西]休み明けだったよね?

[大]そうですね。あの時、直前で雨が降ってきて、それまでのレースを見ていて、馬場が渋った方が良いんじゃないかというイメージがあったんですよ。デキも良いと聞いていたのですが、返し馬へ行って「おっ」と思わせられましたし、さらに雨がプラス材料になると思っていました。

[西]そうだったんだ。チャンスはあると思っていたわけだ。


[大]そうですね。良い競馬はできると思っていました。

[西]前々で競馬をしていたよね。

[大]そうですね。4コーナーで出していったんですけど、実は4コーナーの入り口では手応えが悪くなっていたんです。「あれ? これ、ないのかな」と思ったんですが、出してステッキで叩くとグッとハミを取ってくれたんですよ。

[西]4コーナーで手応えが怪しかったんだ。どこで行けると思ったの?

[大]ステッキを入れて、ハミを取ってくれた時ですね。これならと思いました。

[西]それまでにも、本当に惜しい、勝ちに等しいような重賞2着とかがあったよね。マイネルーチェ(06年新潟2歳S)もそうだよね。あのレースなどは、気分的には勝ちに等しいくないですか(ハナ差での2着)。

[大]あの時は、同じ週に同期である鮫島が重賞を勝ったんですよ(小倉2歳S・アストンマーチャン)。翌日の新聞を見て、あそこで勝っていれば「同期で重賞制覇と取り上げられたのに」と悔しい思いをしました。

[西]今年も好調だよね。

[大]チャンスのある馬に乗せていただいています。

[西]個人的にはかねてより「田辺天才説」を唱えてきているのですが、大野も天才説を唱えているんですよ。

[大]田辺先輩はそうですけど、僕はそんなことはありません。

[西]いや、あのセコ乗りっぷりには共通するモノを感じるんだよね。チャンスさえあれば、田辺のように一気にブレイクだって。

[大]そうなれるように頑張ります。

[西]いま何勝してるんだっけ?

[大]21勝です。

[西]じゃあ、関東リーディング15位くらい?

[大]11位です。

[西]凄いよ、凄い。

[大]でも、あくまでローカルですから。

[西]ローカルということは考えるんだ?

[大]やはり本場とは違うと思います。

[西]乗り方ということでいうと、田辺と似たコース取りをするから意識しているのかなと思ったりするんですよ。

[大]それはないですね。

[西]見ていると似ているんだよね。ローカルって、ダート1700メートルが多い。ダート1700メートルを制するものがローカルを制すという人もいるくらいなんだけど、そこで意識していることってあるの?

[大]基本的には、極力ロスを少なくすることでしょうか。枠順や馬にもよりますが、できる限り内を通って、ということにはなりますよね。

[西]見ていてもソツのなさを感じるよ。例えば、ダート1700メートルで7着前後を繰り返している馬がいたとします。調子は普通で、自在性がある馬だとしたら、どういう意識で乗る?

[大]まず、7着前後を繰り返しているということは、勝つためには展開の助けが必要なはずです。つまり外目の好位につけて、自分で動いて行くという競馬をしてはダメでしょう。その馬は自在性があるというのですから、僕でしたら詰まった時は仕方がないという気持ちで、位置取りは前目で、終始内でじっとしているレースをするでしょう。

[西]リズムとかも意識する?

[大]もちろんリズムは大事ですので、あくまでそこを大事にしながらということです。

[西]でも、前々の内目を狙っていくということだよね。

[大]そうですね。

[西]それ大庭さんも言ってた(笑)。

[大]うははは(笑)。でも、ローカルのような小回りですと、4コーナーで外に出したとすると、1~2馬身の差が付いてしまうことになるのです。もちろん枠順にもよりますし、馬にもよりますが、自在性のある馬だったら内でじっとしていますね。

[西]前々の内目というのは誰もが狙うところだと思うんだけど、もしそれが外枠だったらどうするの? 一旦下げて、そこから内を回ることを選択する?

[大]馬にもよりますが、徐々にスペースを探しながら内へ潜り込んでいくようにもします。

[西]内からスルスルと伸びてくるシーンをよく見かけるけど、そういう意識で乗っているからだね。

[大]そうかもしれません。

[西]でも、内にこだわっているわりには、詰まって追えないというシーンをあまり見かけないよ。

[大]いえ、詰まってしまうこともありますよ。内を通る時にはどうしても付いて回るリスクなのですが、何とかしたいと思っています。

今週はここまでとさせていただきます。

ダービー当日の2レースで、コスモシャンハイが松岡の騎乗で勝つことができました。今度こそという思いだったので、良かったです。松岡とはノボジュピター以来となる口取り写真を取ることができました。

2場開催の未勝利や500万は強いとされていますし、内容的にも良かったと思います。今後は、この馬自身の成長を求められる部分もあるのでしょうが、もしそうなれば上のクラスでも面白いと思うんですよね。

そして、モンストールと挑んだダービーですが、頑張ってくれたというのが正直な感想です。

騎手が手応えを感じるデキで送り出すことが我々の仕事であり、あとは騎手に任せるのが我々の仕事です。今回、引き上げてきて(柴田)善臣さんから「今年一番良い出来だった」と言っていただくことができたのですよね。僕自身、そう感じながら送り出していたので、結果は別として仕事ができたという思いなのです。

ケガなく、無事に帰ってきてくれたので、秋以降さらに成長したモンストールに会えると思いますので、それを待ちたいと思います。

ダービーという晴れ舞台は、冗談ではなく、とにかく暑かったぁ。ここ数週間で、パドックを引いた助手の人たちからは「暑い」と聞いていたのですが、夏が近くなるこの時期の東京競馬場のパドックは暑いのです。発汗している馬たちも見かけましたが、自然なことかもしれません。

あとは、馬場からスタンドを見たのですが、想像していたよりは圧倒されることはありませんでした。「10万人というのはこんな感じなのか」と思いながら、小学校の運動会を思い出しましたね。

今回、ダービーという舞台にモンストールが立たせてくれたわけですが、いろいろなことを教えてもらいました。これらの経験を、秋以降のモンストールに、そしてこれから出会うであろう馬たちに役立てることができるように、頑張っていきたいと思います。

ということで、最後はいつも通り「あなたのワンクリックがこのコーナーの存続を決めるのです。どうぞよろしくお願いいたします」。