大野騎手が福島ではなく、函館に行く理由とは?
2012.6.14
先週、期待しているという話をしたトルークマクトですが、7着という結果となってしまいました。
力が求められる馬場コンディションとなり、まだいまのトルークマクトには厳しい条件だったのかもしれません。ただ、乗った感覚などから素質を感じさせられる馬ですし、次以降、その力を発揮してくれると信じています。
函館開催が始まり、調教の開始時間も1時間早くなって5時となったこともあり、いよいよ夏競馬という感じです。我が尾関厩舎も、1週遅れる形で函館に移動しまして、トレセン全体で人馬ともに閑散とした感覚を覚えますね。
さて、今週は、大野騎手との対談の2回目となります。それではどうぞ。
西塚信人調教助手(以下、西)大野はいつも同じ厩舎の攻め馬を乗っているイメージがあるんだけど、実際のところはどう?
大野拓弥騎手(以下、大)そうですね。レギュラーでお手伝いさせていただいているのは、一番が松山将厩舎で、あとは萩原厩舎と後半の一番が高木厩舎です。
[西]それ以外は空いているということ?
[大]基本的には空いてますよ。
[西]頼んじゃおうかなぁ(笑)。
[大]いつでも言っていただければ。
[西]でも3厩舎とはね。読者の方々に説明させていただきますと、例えるなら、お笑い芸人の番組みたいなものでしょう。若手のなかには5~6本、つまり5~6厩舎を手伝う騎手もいるのです。それを考えると、3厩舎って少なすぎないか?
[大]そうですか。あまり言われないんですよね。
[西]高木厩舎を手伝ってるイメージがあまりないように、みんな、まさか大野が空いているとは思っていないんだろう。
[大]そうですかね。
[西]ちなみに今日は何頭乗ったの?
[大]3頭です(笑)。
[西]うははは(笑)。調教の穴は大野ですよ。これで広まったら、人気になっちゃうな。
[大]水曜日なんかは、競馬に乗せていただく馬の追い切りに乗ってほしいと言われますが、それ以外は本当に言われないのですよ。
[西]どうりで、馬場で大野に会わないわけだよ。そういえば、トランスワープって、萩原厩舎だったっけ?
[大]そうです。
[西]レギュラーで頼んでいる厩舎としては、成績が出ると(成績が良くなると)、大野を頼みやすくなるよね。トランスワープについても、乗って結果を出すことができたことがもちろんあると思うけど、大野自身の成績が良いから言えた面もあったと思うよ。
[大]本当にありがたいと思いますよ。声をかけていただけなければ、何も始まらないですからね。
[西]夏は北海道へ行くの?
[大]函館は行きます。
[西]ローカル先でも、大野が攻め馬で目まぐるしく乗っているイメージは、あまりないかもしれないな。
[大]いや、ローカル先ではそんなことはありませんよ。小倉なんかも、攻め馬とセットで声をかけていただきます。
[西]何頭くらい乗る感じ?
[大]多い時には10頭前後に乗りますよ。
[西]そうなんだ。読者の方々に補足させていただくと、函館や札幌開催では、振り分けられる馬房が2という厩舎があります。この2馬房の場合、調教厩務員や持ち乗り助手が行ければ良いのですが、厩務員さんだけとなると、馬に乗って調教をつけてくれる人間を確保しなければなりません。4馬房以上なら我々調教助手が行くことになるのですが、2馬房で出張することは基本的にはないのです。そこで騎手に頼むわけです。もう函館は予定が決まっているから、かなり頼まれているんじゃないの?
[大]6~7頭ですかね。
[西]まだまだ乗れるでしょう。
[大]ぜんぜんいけますよね。いままでいちばん多かった時は、12頭ということがありました。
[西]うははは(笑)。12頭までいかなくても、それに近い頭数を乗った後に競馬に乗るわけだよね。
[大]競馬の日で言えば、いままでで8頭が最高でしたね。8頭乗って、競馬に乗りました。
[西]でも、それでも日曜日の夜は遊びに行くわけでしょう?
[大]独身の時には行きましたね。
[西]あっ、独身の時ね(笑)。勝って、「大野行くぞ」と言われるでしょう。
[大]それがないんですよ。ほとんど言われたことがないんじゃないですかね。
[西]あっ、そう。言われてみれば、大野が飲み歩いている姿ってイメージがないな。だから、ベテランに思われるんじゃないの?
[大]そうなんですかね(笑)。
[西]でも、なんで函館なの? 成績が良い福島開催があるのに。
[大]正直、悩みました。でも、乗せていただけると声をかけていただいた厩舎がありましたので、それならと函館に行くことを決めたんです。
[西]なるほど、そういう事情があったんだ。
今週はここまでとさせていただきます。
先日、松岡とのコンビで未勝利戦を勝ったコスモシャンハイが、今週、出走を予定しております。
使い込んできていますが、状態も良いですし、何と言っても「夏競馬のミソ」である軽斤量というアドバンテージがあります。夏季開催となって2週間が過ぎ、3歳馬の活躍が目につきますが、その背景には軽斤量の影響も大きいと思います。
この時期の500万円下は、降級馬がいて、勢いに乗る3歳馬たちもいるので、個人的に面白いと思っていますし、好きなんですよね。3歳のコスモシャンハイにもチャンスがあると思っていますので、楽しみにしています。
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