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ミスジャッジがあれば、素直に認めるべき時代だと思っています
2012.6.28

今回は、先日、小島茂之先生が不服申し立てを行った件について、お話をさせていただきたいと思います。

読者の方々からも、たくさんのメッセージを送っていただきまして、ありがとうございました。そのメッセージを拝見して、改めて、みなさんがよく状況を把握していらっしゃると感じました。

6月10日の東京8レース(500万円下、芝1600m)で、小島先生が管理するランパスインべガスが3着となりました。そのゴール直前において、勝ち馬ファイナルフォームが斜行したこによって、ランパスインべガスに騎乗していた松岡(騎手)は手綱を控えざるを得ない状況となりました。

これに対してJRAは、危険騎乗としてファイナルフォームに騎乗していた内田博幸騎手に対して、2日間の騎乗停止という処分を下しました。つまり、走行妨害にはあたらないという判断をしたのです。

これに対して小島先生は、レース直後に走行妨害の申し立てをしたものの棄却されてしまったために、後日、裁決に対する不服申し立てを行いました。しかしながら、こちらも棄却されてしまったというのが、ここまでの状況です。

みなさんから送っていただいたメッセージのほとんどに書かれていたように、今回の裁定は納得できないという声が圧倒的に多いようです。判断にバラつきがあってわかり難い、あるいは統一性を感じられないなど、様々な書き込みがあり、みなさんがいかに疑念をお持ちかが窺えました。

僕自身の印象を述べさせていただければ、今回のケースは完全にアウトで、これをセーフとする根拠を探すことには苦しみを感じます。実際、トレセンでも同じようにアウトという意見は多いですね。

これまで、サラブレ本誌などでも、裁決委員の方々は、降着には3つの判断基準が当てはまることを言及しています。まずは被害の有無。次が被害馬の御法などに関して問題の有無。そして被害の程度という3つです。

今回の場合、被害は確実にあり、被害馬には問題があったとは思えません。そして、被害の程度について言えば、ゴール前という大事な局面であり、あそこからの回復は不可能です。

あの不利がなければランパスインベガスは2着はあったという印象を受けるもので、能力発揮に影響があったと思うのは、僕だけではないはずです。

しかし、結果はご存知の通り、降着とは認められませんでした。

読者のみなさんも同じような感想をお持ちのようですが、アウト・セーフ、あるいはルールそのものについてよりも、組織そのものの“あり方”について改善を望む声が多く目に付きました。

僕自身、この世界に身を置いて10年にも満たないのですが、納得できない裁定が行われたケースをいくつも思い出せます。今回もその代表的なひとつになるのでしょうが、僕自身、ジャッジはあくまで人間が行っていることであり、ミスジャッジは起こり得ると思っています。

人間がジャッジをしている以上、他のスポーツの世界でも誤審は起こっていますし、それを改善させるべく、いまの時代はVTRを見直して判定を下したり、あるいは一度は下された判断が覆ったり、審議をやり直すケースも珍しくなくなってきています。

ご存知の通り、JRAでは、これまでに不服申し立てが8件行われ、すべて棄却されています。

結局、不服申し立てを行っても、3人の外部委員と言われる方々が入るものの、ほぼ身内と認識される状況で、公正な審査が行われると誰が思うでしょうか。裁定委員会というものは、第三者機関的に外部に設置、あるいは外部の人間たちだけで審議されてこそ、公正だと認められるのではないでしょうか。

身内が身内を審議するようなことがまかり通る時代ではありませんし、もうそろそろミスジャッジであったなら、そこは素直に認めるべきでしょう。その方がファンからの支持も得られると思います。

現場で働いている人間たちからも、裁定委員をせめて外部に移設するべきとか、将来に向けての改革について、話が上がっています。

もしこのままJRAがこのような問題に関してファンの声を無視し続けたら、それは競馬離れを加速することを意味すると思います。売り上げダウンが止まらないいまだからこそ、大胆な改革が求められているとも思うのです。

裁決委員自体を外部に、あるいは騎手経験者を入れるなど、いろいろな考え方があるようです。どちらにしても、もっと公正性が認められるのであれば、その時はより強い権限、もっといえば絶対的な権限が与えられても良いと思います。

もちろん、パトロールフィルムを見て判断する難しさというのは、我々も感じることがあります。この程度なら大丈夫だろう、と思っていると、騎手の方々は「もの凄く危ない」と口を揃えることがあるのです。またその逆もあって、独特の感覚があることを教えられる機会は少なくありません。

だからこそ、僕自身としては裁定委員会を外部に移すことで公正性を図り、ミスジャッジを認める勇気を持つべきだと思うのです。

小島先生の「残念」というコメントは、ミスジャッジを認められない現状に対するものだと思っています。

長くなってしまいまして、どうもすみません。来週からは、一緒に春の3歳牡馬クラシックを戦い抜いたというテーマで、ちょんまげ先生こと高橋義博先生との対談をお送りさせていただきます。どうぞお楽しみに。

ということで、最後はいつも通り「あなたのワンクリックがこのコーナーの存続を決めるのです。どうぞ、よろしくお願いいたします」。