木曜日の投票は、いつも張り詰めた雰囲気になります
2012.8.2
今週は、投票のシステムについてお話をさせていただこうと思います。
みなさんご存じとは思いますが、毎週、特別競走に関しては、前週日曜日の夕方5時までに行うシステムとなっております。G1レースも含めて、ここで登録をしていないと、特別競走には出走することができなくなるものです。
この段階での登録を通称「特別登録」と言い、その後、一般競走と同じく木曜日の朝11時から登録が開始されます。
登録は、美浦では広報会館という建物で行われていて、専用の用紙に、出走を希望する馬たちの馬名、希望するレースの開催地、レース番号、負担重量といった項目を書き込み、さらには、馬主名、調教師名、騎手名、そして、調教師と騎手に関してはコードナンバーというものがあるので、それらを記入して提出します。
一度投票をしても、14時30分までは出し入れを許されています。極端な話をすると、木曜日の13時に具合が悪くなり、それで投票を取り下げてもまったく問題がないということです。
14時30分で締め切りとなりますが、そこからの15分間、つまり14時45分までの間は、取り下げることはできないものの、変更することは可能です。以前、下克上日記の頃に「戦争でした」というような話をさせていただきましたが、それはまさにこの時間帯のことでした。
各レースにおいて、何節までは出走可能かなど、詳細な情報をコンピューターで確認できるようになっていて、各陣営はそれを見ながら「1レースは混んでいないので移ろう」とか、「同じダート1700メートルでも3レースよりも6レースの方が弱い」というように、様々な判断を下して動きを見せるのです。
各陣営の思惑が入り乱れる場面なわけでして、殺気立ったとまでは言いませんが、かなり張り詰めた雰囲気になります。時には、問題が勃発することもありますね。
出走するレースを変更すると、騎手は、移ったレースにすでに騎乗予定馬がいる可能性もあります。そうなると、違う騎手に依頼するか、それとも、その騎手に他厩舎の馬を変更してもらうか、ということになります。
例えば、新潟ダート1800メートルというように、1日、あるいは1週間で複数あるケースですと、特にトップジョッキーの方々は、それぞれに騎乗予定馬が入っているものです。「メンバーを見てレースを選ぶから、両方空けておいてくれ」というリクエストをしておくケース以外は、移動したら、違う騎手に依頼することになるのが普通ですね。
わずか15分の間で、出馬状況に加えて、騎手の手配までを完了させなければいけないので、もうテンパリまくります(苦笑)。
次週からの対談相手である(嘉藤)貴行(騎手)は、「嘉藤」という文字が難しく、焦って書けなくなることがあるので、カタカナかひらがなで書いて出します。嘉藤の嘉、蓑島の蓑、引退された鷹野さんの鷹などは、カタカナかひらがなです(笑)。カタカナかひらがなでも、認めてもらえるのですよね。
「誤字よりもコードナンバーを間違えないようにしてください」と言われるのですが、それ以外にも、2場開催の最終レースは1000万円下のレースが組まれることが多く、500万円下と勘違いしやすかったりするので、投票は慎重に行うように心がけなければなりません。
↑騎手コード表ちなみに、僕が先生に代わって投票する時は、パソコンの画面を写メで撮影して、確認を仰いでいます。二重にチェックをすることで、単純な勘違いの防止にもつながりますから、欠かさず行うようにしています。
追い切りで1秒狂ったとしても、極端な言い方をすれば、それで競馬に出走できなくなる確率はそこまで高くありませんが、投票に落ち度があったら、確実に出走できなくなってしまいますからね。間違いは許されないのです。
今週も投票が始まります。この原稿をみなさんが目にする頃には、出馬が確定しているはずですが、ぜひこのような背景があることを知っていただければと思います。
ということで、最後はいつも通り「あなたのワンクリックがこのコーナーの存続を決めるのです。どうぞよろしくお願いいたします」。