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嶋田騎手については、2年目なのに落ち着いている印象を受けます
2012.9.27

先週の土曜日・中山5レースの新馬戦(芝1200m)で、ワンツーステップが勝ちました。

ゲート試験まで乗っていて、素質を感じさせられていたのですが、モタれる面など若さもみせていたので、そのあたりがどうかという思いがありました。結局、リングバミでレースに臨んだのですが、モタれる面をみせてしまい、(田中)勝春さんに過怠金が出てしまいました。

ただ、そういうなかで勝つことができたのは素質があるわけですし、伸びしろがあるはずですから、本当に楽しみです。まずは、モタれるなど若さを解消できるように、そして順調にいくように、できることを頑張っていきます。

さて、今週は、嶋田騎手との対談の2回目となります。それではどうぞ。

西塚信人調教助手(以下、西)嶋田を見ていると、決して調子に乗っているということではなく、良い意味で楽天的という印象を受けるよ。

嶋田純次騎手(以下、嶋) そうですか。

[西]師匠である手塚先生の良い影響を受けているんだろうなあと思うんだよ。

[嶋]いま自分があるのは手塚先生のお陰です。ストレスを感じたことはありませんし、本当に感謝しています。

[西]手塚先生は、『1秒違うだろ』と言って怒ったりするの?

[嶋]まったく怒りません。あっ、でも、70-40という指示を受けて62秒になった時があって、その時は怒られました。

[西]それは誰でも怒るよ(笑)。70だったら、68ぐらいまでは怒らないかな。

[嶋]うちの先生は67ぐらいまで怒らないと思います。


[西]私生活とかで怒られたこととかはないの?

[嶋]まったくありません。

[西]昔は、師匠と一緒に暮らして、靴磨きをして、食事を一緒に、という時代があったわけだけど、食事とかは一緒にしたりした?

[嶋]1回だけ、先生のご自宅にお邪魔して、ごちそうになったことがあります。

[西]あっ、そう。調教の後に厩舎で一緒に食事ということはない?

[嶋]ないですね。

[西]もちろん、靴磨きをしていないわけだよね?

[嶋]そうですね。

[西]そういう意味では、手塚先生も新しい世代の調教師ということなんだろうね。

[嶋]細かいことを言わない先生です。僕としては、すごく嬉しいです(笑)。

[西]あっ、そうなんだ。

[嶋]うちは、朝、馬に乗って厩舎の真ん中に集合するんですが、そこで『おはようございます』と挨拶をするんです。競馬学校時代からそうでした。

[西]えっ、マジで!? 厩舎の調教師側に挨拶に行かないの?


[嶋]行ったことありません。

[西]そういう環境で育ったんだね。

[嶋]でも、厳しいところは厳しいですよ。

[西]どんなところが厳しいの?

[嶋]競馬に対して厳しいですよね。

[西]どんな時に指摘される?

[嶋]例えば消極的な競馬をすれば『積極的に乗らないとダメだ』と怒られます。ただ、それでも、乗せ続けてくれるんですよ。

[西]そうだよね。手塚先生は、嶋田をよく乗せるよね。

[嶋]だから、余計に期待に応えたいと思いますし、応えなきゃいけないと思うんですよね。

[西]手塚先生は、松岡のことも、デビューした当時から乗せ続けているからね。

[嶋]チャンスを与えていただいて、本当に手塚先生には感謝しています。

[西]攻め馬は、土日も乗っているの?

[嶋]本場開催の時には1頭だけですが、乗っています。

[西]ということは、土曜日の最終レースに乗っていても、そこから美浦まで戻ってくるんだ?

[嶋]いまの若い人たちはみんなやっていますよ。

[西]北村宏司さんみたいだね。所属の時には毎日乗っていたから。

[嶋]北村先輩は凄いですよ。

[西]実際に騎手になってみて、どういう感想を持っているの?

[嶋]騎手になって、本当に良かったと思ってます。これほど充実した時間を過ごせているのは騎手になったからで、そうでなかったら経験できていなかったでしょうから。

[西]昔の友達は、ちょうど大学生だったりするでしょう? 女の子と遊んだり、難しい本を読んだり、全然違う生活を送っているだろうけど、そういう生活をうらやましいと思ったりはしない? 俺だったら、うらやましいと感じると思うんだけど。

[嶋]友達の話を聞いて、いいなぁ、味わいたい、とは思います。ただ、それよりも競馬の方がいいと思うんですよ。土日に、競馬に乗っていたいんです。

[西]なるほどね。騎手の方々に聞くと、「乗れなくなってしまう不安がある」と言うよね。

[嶋]今週から乗せてもらえなくなってしまうんじゃないかという不安は常にあります。

[西]それをどう克服しているの?

[嶋]リフレッシュの時間を持ちながらも、できることを一生懸命やっていくしかないと思っています。一生懸命調教に乗って、午後に厩舎回りをして、やれることを地道に頑張っていくしかないんだと思うんですよ。

今週はここまでとさせていただきます。

先々週に引き続き先週も、嶋田が勝ち星を挙げていましたね。対談中で話したように、検量室で会話をしても、落ち着いているんですよね。

経験を積んだ騎手の方々のなかにも、緊張されていることがわかる方もいらっしゃいます。もちろん、人気になっている馬に騎乗する時はそれなりに高揚している印象があり、それはトップ騎手の方々にも感じられることなんですが、嶋田は基本的には本当に落ち着いていて、『まだ2年目なのに』と感じさせられるんです。

この秋は3場で騎乗するということですが、そこでもぜひ注目して応援してあげてください。よろしくお願いいたします。

あっ、最後となりましたが、昨日、調教師一次試験を受験して参りました。とにかくいまの段階でできることはやりましたので、結果を待ちたいと思います。

ということで、最後はいつも通り『あなたのワンクリックがこのコーナーの存続を決めるのです。どうぞよろしくお願いいたします』。