独自視点で穴馬推奨!競馬予想支援情報【サラブレモバイル】

サラブレモバイル

メニュー

ログイン


今週は“挫跖(ざせき)”について解説します
2012.11.22

これから寒くなっていく時期は、蹄が割れる裂蹄をはじめとして、蹄に関する疾病が増えていくのですが、最近、“挫跖(ざせき)”を発症する馬たちが多いように感じています。

挫跖についてはご存知の方も多いかもしれませんが、人間で言うところの捻挫に例えられています。捻挫と言えば、不意に石を踏んでしまったとき、あるいは段差を踏み外したときに足を捻ってしまうことをイメージしますよね。それが競走馬たちの場合だと、ちょっと違ったりします。

JRAのトレセンは整備されていて、運動場に小石程度が落ちていて、それを踏んでしまうケースはあります。ただ、大きい石を踏んでしまって挫跖になることは、あまり多くありません。

実は、ウッドチップが蹄底に刺さって挫跖となることがあり、また、挫跖と言っても捻ってしまったためばかりの症状ではなく、蹄底の部分にそれこそチップが刺さったり、あるいは強い衝撃を受けたりすることで発症することがあるのです。

裂蹄や蟻洞(ぎどう)というような疾病は予兆がありますし、ある程度治療などの対応をしながら競馬に向っていくのが現状です。しかし、挫跖だけは突然発症することになりますので、出走取り消しになるケースが多くなってしまうのです。

挫跖になったときは、とにかく冷やすことが対策として採られます。それ以外だと、レースが近くないときなどは、消炎剤を投与することもあります。消炎剤を一度投与しただけで、改善されるケースも少なくありません。

そのまま良くなっていくこともあるのですが、調整をして、追い切りをし、準備を整えて再び競馬場に向かったら、そこでハ行を発症することがあります。僕自身の少ない経験のなかでも、決してレアケースではありません。突然ハ行を発症してしまい、挫跖と診断されるケースも少なくないのです。

推測ですが、馬房で寝起きするときに蹄同士をぶつけてしまう可能性も否定できませんし、走っている最中やあるいは何かの拍子に、前後左右で蹄同士をぶつけてしまうということも、可能性としてはあるでしょう。

→サラブレモバイルで穴馬券を獲ろう!←

ブッチャけさせていただきますと、防ぎようがない部分があります。鉄橋と言って、蹄底を保護するために横に鉄が通っている蹄鉄を装着させるなどの策が講じられるのですが、特別に有効な予防策はないのが現状です。

レントゲンで判断できるケースはむしろ少なく、実際、発症して少し時間が経過して、削蹄をするときに血豆みたいになっていて、「ここだ」と特定することがあります。どうしても発症してからの対応になってしまうんですよね。

また難しいのが、追い切りで速いところをやったから発症するということでもない感じなんですよ。様々な分野で飛躍的な進歩を遂げている競走馬の世界ですが、蹄の部分ではいまだに不確定な面があるのが現実で、装蹄師と獣医の見解が違うことも、決して珍しくありません。

それと、古くから競走馬に携わってきた方々によると、「最近の馬たちは蹄が弱くなってきた」と言われることがあります。僕自身は古い時代のことを知りませんが、過保護が良くないという話も聞きます。保湿が主な目的と言われる蹄油の塗り過ぎも、逆効果であるという話があります。

美浦では坂路の帰馬道に玉砂利が敷かれて、刺激を与える試みが行われています。玉砂利では、馬も衝撃を抜くように歩くんですよね。

ベテランの方々などは「蹄が悪い馬はダートを乗れ」と言います。これらはすべて蹄に刺激を与えて頑健にすることを目的にしています。ただ、どれも万能ではなく、蹄に関しては未知数の部分が多いのが現実です。

応援している馬が挫跖で出走回避になったときには、ハ行を発症して痛がっている姿を思い出してください。僕たちも、さあ競馬という段階で、挫跖によってハ行してしまった姿を目にすると、言葉にできないくらいショックを受けます。でも、それも含めて競馬なんですよね。

毎度のことながら、長くなってしまいまして、どうもすみませんでした。さて、来週からは、丸田騎手との対談をお送りいたします。どうぞお楽しみに。

ということで、最後はいつも通り「あなたのワンクリックがこのコーナーの存続を決めるのです。どうぞよろしくお願いいたします」。

【月額会員が利用できるコーナー紹介】