独自視点で穴馬推奨!競馬予想支援情報【サラブレモバイル】

サラブレモバイル

メニュー

ログイン


来年も、目の前にいる馬に対して、できることをできる限りやっていこうと思います
2012.12.27

サクラゴスペルとフラワーロックが有馬ウィークに勝ちまして、我が尾関厩舎の2012年は36勝という結果になりました。

36勝もさせていただいて、他の厩舎の方々からも「何が要因なんだ?」とよく言われるのですが、何も変わっていません。結果的にこれだけ勝つことができたという思いですし、もちろん、勝ったからといって、仕事が大変になることもなければ、楽になることもありません(笑)。

田辺(騎手)が昨年ブレイクした時に「特に何も変わっていません」というようなことを言っていましたが、まさにその通り。何も変わっていませんし、こうして結果が出たからといって、今後も変わらないと思います。目の前にいる馬に対して、できることをできる限りやっていく。それだけだと思います。

変わったことではありませんが、開業から働かせていただいて、『積み重ね』という部分が存在するのは確かだと思います。先生と我々スタッフ、あるいはスタッフ同士のなかで、チームワークというか、仕事のやり取りなどが成熟していっている面はあると思います。

例えば、先生が「ちょっと強めにいこう」と言われた時、その“ちょっと”が阿吽の呼吸という感じで、お互いが理解できるようになったとは思います。僕が「右前の出が少し」と言ったとして、その“少し”をみんなが理解してくれるようになったとも思います。そのような関係が深まっていっているのは確かでしょうね。

もちろん、どの厩舎も同じようなことが言えるのでしょうが、ウチは今年、それが結果として結びついてくれたということなのだと理解しています。

ただ、今年どれだけ勝っても、来年が保証されているわけではありませんし、今年の1勝を来年に補充できるわけではありません。来年はまったく勝てないかもしれないんですよ。

もちろん数多く勝ちたい気持ちはありますが、でも、10着の馬を5着に入ることができるように、と頑張っていくことが、その馬にとって大切なはずなんです。馬に良いと思われることをできる限りしていき、それが勝ち鞍に結びついてくれればと思いますね。

さて、今年1年間、このコーナーでたくさんの方々と対談をさせていただきました。みなさん、それぞれ印象に残っているのですが、僕自身は、添田場長との対談にもの凄く強い衝撃が残っています。

毎日馬の仕事をしていますと、ブッチャけ、すべてが当たり前になってきたりします。朝が早い、日曜日が休みではなく、週休2日でもないこと、そして出張が多いことなどが一般的な仕事の方と比べて違うことなのかもしれませんが、自分の親がそうであるなかで育ったもので、そのことに特別な意識は持っていないんですよ。

でも、添田場長と話をした時に、「この馬を何とかしたい」という思いだったり、「この馬にできる限りのことをしたい」という気持ちが、ホースマンにとって必要最低限の条件であり、逆にそういう気持ちさえあればホースマンなんだという言葉を聞いて、僕自身、とても励みになったんですよ。

僕は馬に乗ることが上手なわけでもないですし、特別に何かがずば抜けているわけでもないのですが、自分が携わった馬たちに対して何とかしたいという思いがある限り頑張れる、と思わせられたんです。

もちろん、それまでもそう思っていましたし、そう思って頑張って、馬たちと接してきたつもりですが、それこそがプロであり、その思いこそがホースマンとしての誇りなんだと、添田場長の言葉に教えられました。

来年もたくさんの方々とお話をすることで、僕自身ももっともっと成長していくことができるように頑張りたいと思います。

今年一年、大変お世話になりました。読者のみなさん、どうぞ良い年をお迎えください。

ということで、最後は最後まで「あなたのワンクリックがこのコーナーの存続を決めるのです。どうぞよろしくお願いいたします」。