尾関厩舎大躍進の秘密を助手3人が分析!
2013.3.28
西塚信人調教助手…以下
[西]二口勲調教助手…以下
[二]矢原洋一調教助手…以下
[矢][西]さて、読者の方々からは尾関厩舎の好成績について、その要因は何なのかという質問がいくつか来ています。
[矢]ほう・れん・そうでしょう。
[3人](爆笑)
[矢]でも、大事ですよ。
[西]いや、本当ですよ。冗談抜きに、我々調教助手は先生にほう・れん・そうをしてきているだけですからね。
[二]その積み重ねだと思う。
[西]それ以外に個人的に思うのは、乗っている量は多いのではないかと。
[二]量と質だね。サクラゴスペルはその典型だけど、本当にパワーアップしている。体重は変わらないのに、体つきは本当に別馬なんだ。
[矢]1頭にかけている時間は、他の厩舎と比べても確かに多いよね。
[二]全体的な運動量は間違いなく多い方だよ。
[西]ただ、それは成績が出てからということではなくて、開業当初から同じじゃないですか。もしかして、俺の重さが良いんじゃないですか(笑)。
[矢]負荷が掛かっているのは間違いないよ。
[3人](爆笑)
[西]だから、矢原さんが跨がる追い切りでは立ち上がったりするんですかね。
[矢]そうかもしれないよ。“今日は軽いぞ”ってね。
[3人](笑)
[西]ただ、サクラゴスペルはそうじゃない。“今日は追い切りをやられる”って分かってやっていますよ。
[矢]アイツはわかっているよ。
[二]背中で“今日は追い切りだ”と感じるんだろうね。
[西]話を戻しますと、勝ちはじめて「何か変えたのか」、「何か新しくやったのか」、「何か特別な飼い葉を与えたのか」とか言われますけど、本当に思いつかないんだよなぁ。
[二]開業から大きく変わったことはないよね。
[西]馬の質が良くなっていると言われますけど、逆にそれしかないと思うんですよ。それ以外は何も変わっていないから。
[矢]良血と言っても上には上がいる。でも、速いところに行くと変わる馬が多いとは感じる。
[西]それ、中舘さんに言われました。調教では特に目立った動きや印象がないのに、競馬に行ってガラリ一変する馬が多いみたいです。
[矢]そういうところはあるのかもしれない。こちらの手応え以上のパフォーマンスをみせてくれることがあるよね。
[二]ある騎手には、“馬の質以上に成績を出している”と言われた。
[西]良い馬たちをお預かりさせていただいているのも間違いありませんが、競馬に行って我々が思っている以上に良い結果が出ることは多いかもしれません。
[二]500万円下、あるいは1000万円下止まりかな、という馬が、ひとつ上のクラスに上ることができているという印象はある。1勝プラスアルファということなんだろうね。
[西]なるほど。500万円下の常連だと思っていたら、500万円下を勝って、そのまま1000万円下を勝って、1600万円下まで行きました、というようなこともあるかも。
[二]あとは、勝っている。一目瞭然なんだけど、2、3着が勝ち星に対して少ない(昨年は平地、障害合わせて[36.17.18.215]、今年は3月24日終了時点で[8.3.2.55])。
[矢]勝つか負けるかのどちらかだよね。
[二]勝つことに長けているというか、とにかく勝つよね。馬券で言えば単勝、馬単厩舎だよ。
[西]うははは。馬券的な見解としては頭から買ってください、ということですね(笑)。
[矢]逆に2着に入って、よし次はと思っていると、どこにもないということもあったりするんだよね。
[西]僕たち調教助手としては、先生の指示に従って頑張っているだけなんですよね。ということは先生ということですよ。
[二]いや、本当にそう思う。たとえば乳酸値の計測をしていても、恐らく自分のなかで何か基準というか、考えがあるんだと思う。
[西]個人的には、乗る量と質を考えて、なるべく乗る方向で調整していっていることもあるように思います。やはり“乗る”ということは大きいんじゃないですか。
[矢]それはあると思う。
[西]馬の質ももちろんありますよ。ただ、決して良血馬とは言えない馬たちも勝っていますからね。またそういう馬たちが勝っていないと、去年のような数字にはなっていないですよ。
[矢]正直、デキはよくても、他のメンバーが強かったりして、半信半疑で送り出した馬たちが結構勝っているんだよね。
[二]とにかく先生の指示に従って、ここまでやってきたら、徐々に成績が上がってきたということ。
[西]ある調教師の先生に「ウチの先生に言われた通りにやっているだけです」と言うと、『それが言えるというのは素晴らしい』と言われまして、意味が理解できませんでした。
[二]でも、本当にその通りなんだよ。
[矢]指示通り乗れなかったときには謝りますが、失敗しても責められるようなことは言われませんよね。
[二]ウチの先生は責めないよ。競馬でたとえ人気になって負けたとしても、お前らの責任、というようなことは絶対に言わない。
[西]確かにそうですね。
[二]スタッフに小言を言ったり、あたったりする光景をみることもあるけど、ウチの先生は絶対にそういうことはしない。
[西]あと、いろいろなタイプの馬たちが揃っている気がしませんか。
[矢]すべての馬に対して型にはめ込むことはせず、それぞれの馬に合わせていく姿勢が強いかもしれないね。
[二]飼い葉はもちろんだけど、乗る量とかも馬の個性やそのときの体調を考慮して、その上でなるべく乗るという方針だよね。でも、それはいま始まったわけではないからね。
[西]助手3人が集まって話をしてきましたが、尾関厩舎の躍進については、“よくわかりません”ということですね(笑)。読んでいただいている読者の方々には大変申し訳ございません。
[矢]でも、本当にそうなんだよね。
[西]馬を主体に、と言った方が良いのでしょうが、本当に先生の指示に従って、先生が思い描く調教を行い、思い描く馬になっていくように頑張っているだけなんですよね。これは掛け値なしに本当ですよね。
[二][矢]そうだね。
[西]今日はお忙しいかどうかわかりませんが(笑)、お2人には出演していただきありがとうございます。今度はぜひG1勝ち、もしくはリーディング獲得の際にでも出演していただきますので、よろしくお願いします。
[矢]そしたらすぐだ。
[西]そうなると本当に良いですね。
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