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今年2回目の対談は、田中博康騎手をお迎えしてお送りします
2013.4.4
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田中博康騎手…以下[田]
西塚信人調教助手…以下[西]

[西]はい、ということで今年2回目の対談は、僕の個人的な意向で、田中博康騎手をお迎えしてお送りさせていただきます。よろしくお願いいたします。

[田]よろしくお願いいたします。


[西]久しぶりですね。

[田]そうですね。G1を勝つ直前(09年エリザベス女王杯)に呼んでいただいたんですよね。

[西]あっ、そうか。もう3年前?

[田]そのくらいになりますかね。このコーナーのファンなので、全部読ませていただいています。

[西]えっ、本当に。ありがとう。ワンクリックというのは、本心で言っているので、嬉しいですよ。でも、どう?

[田]面白いですよ。毎週木曜日に必ず読んでいますし、フランスでも読めるときには読んでいました。抜けてしまったときにはバックナンバーで読ませていただきました。

[西]どの対談が面白かった?

[田]えぇ、どの対談でしょうか(笑)。装蹄師さんや獣医さん、あとサーストン牧場の場長さんだった…。

[西]添田さん。

[田]あとは丸田、黛のも読ませていただきましたし、小野先生の回も覚えています。面白いですよね。

[西]ありがとうございます。博康のワンクリックで長寿番組となっているんですよ。

[田]最近、田辺先輩のあと対談がないから忙しいのかなと思っていたら、声をかけていただいたんですよ。

[西]実は、海外から帰国した直後にお願いしようと思っていたのですが、他のメディアに露出されていて、同じ話をしてもらうようになってしまうと思って遠慮したんですよ。そうしているうちに、間隔が空いちゃったんだよね(笑)。フランスは何ヶ月いたの?

[田]9ヶ月です。

[西]確か、一昨年の3月くらいから行ったんだよね。その直前、小倉で騎乗していて、なかなか結果が出ていなかったと記憶しているんだけど、海外へ行こうと思ったのはそういう面もあったの?

[田]一番の理由は、シルクメビウスが乗り替わりになってしまったことが大きかったです。ジャパンCダートで5着になって、次から乗り替わりを告げられたんですが、もし次も乗せてもらえていたら行っていなかったと思います。フェブラリーSや、春には東海Sなどもありますので、“行こう”とはなっていなかったでしょうね。

[西]シルクメビウスね。

[田]あの出来事は、僕に取って大きな出来事でした。

[西]ずっと乗っていて、ユニコーンSも乗っていたよね。

[田]はい。勝たせてもらいまして、その年のジャパンCダートで2着に入りました。翌年になって東海S、ブリーダーズゴールドCも勝たせてもらったんですよね。


[西]2年間乗っていたわけだ。こういう聞き方をするのはどうかと思うんだけど、乗り替わりを告げられたときの気持ちはどうだったの。俺は乗り替わりを告げられたことがないからわからないんだよ。

[二人](笑)

[西]単勝1.2倍でハナ差負けしたときの絶望感とは違ったりするの。

[田]例えば、未勝利で負けて、違う騎手に乗り替わりというときには、告げられないことも珍しくありません。気がついたら「あれ、違う人になっていた」ということになったりするんですけど、あのときはキッチリと乗り替わりを告げられました。

[西]未勝利で次、という感じではないよね。良いことではないけど、そういう話は良くあるからね。継続してG1でも乗っていたわけだから、それは違うよ。

[田]「すまんが次は…」と言われたときは、ズッシリときました。ただ、仕方がない部分もありましたし、一生懸命に消化しようとしました。

[西]決して簡単じゃないけど、それを良い方向に転換させていくようにしなければ駄目なんだろうね。

[田]いま振り返ると、できていなかったですね。

[西]長期に海外へ行くということになれば、騎手として帰ってきてからの不安はあるはずだよね。いままで乗せてもらえた厩舎から声がかからなくなる可能性だってあるわけですよ。プラス、その乗り替わりの無念さもあったはずなわけで、思い付きで行ったわけではないんだろうな、とは思っていたんだよ。

[田]思いつきでは行けないですよね。“何か”というのはあのときは分かっていませんでしたが、何かが変わらないと絶対にそこから先がない、と思ったんです。いろいろ考えているうちに、“行こう”という考えになっていきました。

[西]以前から行きたいと言っていたもんね。

[田]ずっと行きたいと思っていて、このタイミングだと思ったんですよ。1月から動いて、準備が整ってすぐに行きました。

[西]行き先はフランスということでしたが、小林(智)さんの厩舎だったの?

[田]いえ、これから池添さんが行くミケル・デルザングル厩舎に最初の4ヶ月はお世話になりました。僕がクイーンスプマンテで勝ったエリザベス女王杯に、アガカーン殿下の所有馬でシャラナヤという馬を出走させていたんです。

[西]あっ、そうだったんだ。


[田]僕もその馬がデルサングル厩舎だったとは知りませんでした。

[西]なんでフランスだったの。

[田]正直、何も知りませんでした。最初はただ漠然と海外に、という状態で、いろいろな方に相談させていただきました。アイルランドもイギリスも候補となっていたんですが、いろいろな国に行っている(武)豊さんからの「勉強するならばフランスは良いと思う」という言葉がありました。

[西]豊さんの助言があったんだね。実際行ってみて、何でフランスだったのか、と思う?

[田]行ってみると、フランス国内はもちろん、世界中の競馬が365日テレビで放映されている環境でした。いやぁ、そりゃ格好良いですよね。素直にそう思いました。

[西]ところで、デルザングル厩舎では、“あのレースで逃げ切ったボーイだろ”という感じだったんじゃない?

[田]最初はそうでしたね。ただ、結局所属馬には1頭も乗せてもらえませんでした。

[西]主戦的な存在がいたりしたの?

[田]ルメールとブノワでしたね。これからはリスポリのはずです。契約したと聞きました。

[西]あっ、そうなんだ。リスポリって、確かイタリア人だよね。

[田]イタリア競馬は縮小となってしまい、デムーロもフランスで騎乗しています。フランス競馬は賞金も高く、イギリスとアイルランド以外のヨーロッパ各国から騎手が集まっているんですよ。

[西]スミヨンはベルギーだったよね?

[田]はい。ブノワもベルギー出身ですね。

[西]そういえば、ベルギーでも乗ってなかった?

[田]勝たせてもらいました。

[西]スミヨンとはベルギー人と書いてあるので、あっ、そうなんだという程度なんだけど、ベルギーの競馬ってどんな感じなの? こういう言い方をするとおこがましいんだろうけど、地方競馬に行くとその競馬場で騎乗している騎手の中でも、上と下の差をかなり感じると言われるよね。そういう感じはあったりするの?

[田]フランスだけで、田舎を含めると300以上の競馬場があるんですよ。それだけ層が分かれています。さらには、そこにベルギーをはじめ近隣諸国から集まってきます。ベルギーで言えば、騎手もトップはフランスをはじめ、別の国に出ていってしまいますので、どうしても落ちる感じになります。ヨーロッパでは、馬のレベルが高いところに上手いジョッキーが集まるんですよね。

[西]博康が乗ったのは、ベルギーのJRA的な存在が管轄する競馬場だったの?

[田]ベルギーはベルギー独自で競馬をしているのですが、冬になるとオールウェザーの開催がはじまるんですよ。そうすると、日本で言うJRAにあたるフランスギャロが半分管轄して競馬が行われたりするんですよね。僕が行ったのは冬で、フランスからも馬もジョッキーもかなり多く行って開催が行われていました。

[西]フランスとベルギーの混合戦みたいな感じなんだろうね。

[田]そんな感じです。ベルギーもフランス語ですので、交流しやすいのでしょうね。

(来週に続く)

※西塚助手への「指令」も募集中。田中博騎手との対談の後は、西塚助手が皆さんからの質問に答える回を予定しています。上部リンクからお送り下さい!